NasdaqがPyth Data Marketplaceに参加し、Nasdaq TotalViewデータの配信を始めることが6月30日に明らかになりました。対象には、全価格帯の買い注文・売り注文を含む板情報に加え、寄り付き前と引け前後の注文インバランスデータが含まれます。伝統的な取引所が保有する機関投資家向け市場データを、ブロックチェーン上のアプリケーションへ直接届ける流通経路が具体化しました。
Pythは今回の取り組みを、Nasdaqの市場データを配信する「最初のオンチェーンネットワーク」と位置付けました。これまで証券市場の高品質なデータは、端末ベンダーや専用回線を通じて金融機関に届けられるのが一般的でした。Pyth Data Marketplaceでは、データの一次提供者が単一の統合先を通じて配信でき、受け手はオンチェーン環境でそのデータを利用できます。
配信対象となるNasdaq TotalViewは、最良気配だけでなく、全価格帯に並ぶ注文状況を含むデータ商品です。市場参加者がどの価格帯にどれだけの売買注文を置いているかを把握しやすく、値動きの厚みや需給の偏りを読む材料として使われています。寄り付きや引けのオークション前後に公表される注文インバランスも含まれ、売り買いの偏りがどの程度あるかを示す情報まで扱います。
この点は、単なる株価の配信とは意味合いが異なります。約定した価格だけでは見えない注文の層までオンチェーンで扱えるようになるため、ブロックチェーンアプリケーション側は、より市場の実態に近いデータを前提に設計しやすくなります。取引所データが「画面で見る情報」から「ソフトウェアが直接使う入力値」へと性格を変えつつあることを示しています。
取引所データの配信先が変わり始めた
Pyth Data Marketplaceにはすでに、Euronext、OTC Markets、Tradeweb、Kalshi、Exchange Data International、SGX FX、米商務省などが参加しています。Nasdaqの参画で、取引所や電子市場、経済統計を含むデータ提供者の顔ぶれが一段と広がりました。
Douro Labsのマイク・ケーヒル最高経営責任者は、Nasdaqのような広く知られた取引所がデータの配信先を選ぶこと自体が、機関投資家向けデータの向かう先を示していると述べました。データの価値が、金融端末の中だけで完結するものではなく、ブロックチェーン上のソフトウェアにも直接届くものへ広がっているという見方です。
今回公表された内容では、具体的な配信開始時刻や対応するブロックチェーン、利用料金や契約条件までは示されていません。一方で、Nasdaq級の取引所データがPyth Marketplace経由でオンチェーン配信の対象になった事実は、市場データの流通先そのものが変わり始めていることを映しています。
参考元:pyth
画像:Shutterstock
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