米上院銀行委員会は5月12日、暗号資産の市場構造を定める「仮想通貨クラリティ法案(CLARITY Act)」の修正草案を公開しました。309ページに及ぶ草案にはステーブルコインへの利息支払い禁止、SECとCFTCの管轄分担、セルフカストディ保護などが盛り込まれています。
5月14日には委員会審議(マークアップ)が予定されており、銀行業界と暗号資産業界の最終調整が大詰めを迎えています。本会議採決には60票の確保が必要で、8月以前の成立を目指す中、予測市場での成立確率は60%台で推移しています。
草案の主要条項とステーブルコイン利回り規定
最大の焦点はステーブルコインの利回り規定です。草案のSection 404では、銀行預金と「経済的・機能的に同等」と判断されるステーブルコインへの利息支払いを禁止する一方、取引や利用実績に連動した利用報酬は容認する構成となりました。5月1日にティリス上院議員とアルソブルックス上院議員の仲介でまとまった妥協案を反映したものです。
ただし、銀行業界からは強い反発が続いています。米国銀行協会など銀行6団体は5月8日、条文に残る「solely(〜のみ)」という限定語によって付随的な条件を加えれば禁止対象から外れる「抜け穴」が生じる可能性があると指摘しました。銀行団体は、利回り付きステーブルコインが普及すれば消費者向け融資が2割以上縮小する恐れがあるとコメントしています。
法案にはこのほか、現物の暗号資産市場の監督権をCFTCへ移管する条項、Section 605の「Keep Your Coins Act」として政府機関によるセルフカストディ・ウォレット使用禁止を違法化する条項、Title VIIの取引所破綻時における顧客資産保護規定、連邦準備銀行による個人へのCBDC直接提供を禁止する条項などが盛り込まれました。
民主党の倫理条項要求と業界の動向
民主党議員からは倫理条項の欠如への懸念が示されています。トランプ大統領周辺の暗号資産関連事業から得られた価値が少なくとも14億ドルに上るというブルームバーグ報道を背景に、政府高官の個人的な暗号資産利益を禁じる規定を求める声が強まっています。
業界側では、コインベースやサークルが妥協案の基本設計を支持する一方、4月23日にはコインベースやクラーケンを含む暗号資産企業120社超が共同書簡を提出し、規制の明確化が進まなければ投資や人材、技術が海外へ流出すると訴えていました。5月14日のマークアップを起点に、米国の暗号資産規制が次の局面へ進めるかが問われます。
参考元:CoinDesk
画像:shutterstock
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