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コインベース諮問委、仮想通貨の量子コンピューター対策は急務と警鐘

2026年4月22日 16:34  4月22日 16:49  Arai Yu

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米コインベースは4月21日、量子コンピューティングとブロックチェーンに関する独立諮問委員会のポジションペーパーを公開しました。報告書は、EthereumやSolanaに代表されるPoSチェーンが、量子コンピュータによってバリデータ署名の秘密鍵を逆算される追加リスクを抱える可能性があると指摘しています。

ビットコインは同じ脅威に無縁ではないものの、PoWのマイニングやハッシュ関数の構造上、相対的に影響が小さいと整理しました。暗号資産(仮想通貨)業界に対しては、脅威が現実化してからでは遅いとして、量子耐性への移行準備を早期に始めるよう促しています。

委員会の正式名称は「Coinbase Independent Advisory Board on Quantum Computing and Blockchain」です。スタンフォード大学、テキサス大学オースティン校、Ethereum Foundation、Eigen Labsなど6機関の研究者で構成され、暗号学者のDan Boneh氏、Ethereum FoundationのJustin Drake氏、Eigen LabsのSreeram Kannan氏らが参加しています。

PoSチェーンに追加リスクがある理由

今回の報告書が示した論点は、量子コンピュータの脅威を一律に語っていない点にあります。PoSチェーンでは、ネットワークを維持するバリデータが継続的に署名を行うため、公開鍵が前面に出やすく、Shorのアルゴリズムのような量子攻撃が実用化した場合、秘密鍵の逆算につながる余地があるとされました。

これに対し、ビットコインのPoWは、ネットワークの安全性を主にハッシュ計算とマイニング競争で支えています。報告書は、量子コンピュータが将来的に暗号資産全体へ影響を及ぼし得るとしつつも、PoSチェーンにはバリデータ署名に由来する「追加の脆弱性」があると位置付けました。

もっとも、ビットコインが完全に安全だとしたわけではありません。過去の取引で公開鍵が露出しているアドレスなど、一部には量子攻撃の影響を受け得る領域が残ります。それでも、ネットワーク全体の合意形成を揺るがす経路としては、PoSチェーンのほうが先に対策を迫られやすいという整理です。

読者にとって重要なのは、量子コンピュータの話が「すべての暗号資産が同じように危ない」という単純な図式ではないことです。保有資産の種類だけでなく、そのチェーンがどのように署名し、誰がネットワークを支えているかで、備えるべき論点が変わってきます。

量子耐性への移行準備を早めるべき理由

報告書は、大規模なfault-tolerant量子コンピュータの実現にはなお10年以上かかるとの見方を示しました。一方で、米国立標準技術研究所(NIST)は量子耐性暗号への移行を2035年までに進めるよう推奨しており、高リスクなシステムではより早い対応が求められています。ブロックチェーンのように分散した参加者が足並みをそろえて仕様変更する仕組みでは、準備から実装まで数年単位の時間を要します。

報告書は「緊急になってから対応するのでは遅い」と明記しました。大規模なfault-tolerant量子コンピュータは最終的に構築される可能性が高く、見えてから動くのでは間に合わないという判断です。コインベースの最高セキュリティ責任者Philip Martin氏も同日、顧客の暗号資産は現時点で安全だとしつつ、将来の量子脅威に備えて今から準備すべきだとの考えを示しました。

参考元:CoinDesk
画像:shutterstock

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