リップルは、XRP Ledger(XRPL)を2028年までに量子耐性へ移行する多段階ロードマップを公表しました。量子コンピュータが既存の暗号方式を脅かす可能性を見据え、まずは緊急時対応から始め、2026年に実証実験を進めたうえでネットワーク全体の移行を目指しています。
Google Quantum AIが社内システムの耐量子暗号移行期限を2029年に設定したこともあり、ブロックチェーン基盤の長期的な安全性をどう確保するかが現実的な課題になってきました。
量子脅威に備えた4段階の移行計画
今回示された計画は4段階です。第1段階では、量子攻撃が現実化した場合の『Q-Day』対応を整えます。古典暗号を使う既存アカウントからの強制移行に加え、PQ-ZK証明を使った資産回復の仕組みを検討しています。
第2段階は2026年上期です。米国立標準技術研究所(NIST)が標準化を進める耐量子暗号アルゴリズム『ML-DSA』を使い、AlphaNet上で概念実証を実施します。ここでは署名サイズの増加、検証コスト、スループットへの影響を測定し、Project Elevenと協力してハイブリッド署名のテストも行います。
その後、2026年下期には設計の探索段階に進みます。最終段階では2028年までに耐量子署名のアメンドメント提案を行い、ネットワーク全体の移行を完了させる計画です。
量子コンピュータの脅威は、いますぐ暗号資産(仮想通貨)の署名が破られるという話ではありません。ただ、攻撃者が現在の通信や署名データを保存し、将来の量子計算能力で解読を狙う『harvest now, decrypt later』の考え方は、長期保存される金融データや公開鍵基盤にとって無視しにくい論点です。Google Quantum AIも同様の認識を示し、社内の脆弱な古典暗号を2029年までに耐量子暗号へ移行する方針を打ち出しています。
