米Circleのジェレミー・アレールCEOは4月13日、ソウルでの講演で独自レイヤー1ブロックチェーン「Arc」のメインネットが間もなく稼働し、専用トークンの発行も検討していると明らかにしました。
あわせて、AIエージェント向けの超少額決済基盤「Nano Payments(ナノペイメント)」を近日中に投入する方針も示しました。1回あたり0.000001ドル単位のUSDC送金をガス代なしで処理する設計で、暗号資産(仮想通貨)市場ではステーブルコインを土台にした機械間決済の実用化が一段進む形です。
Arcの特徴と専用トークン計画
ArcはCircleが構築する独自L1で、公式サイトでは「stablecoin-native L1」と位置付けられています。EVM互換で、秒未満のファイナリティーとAIエージェント対応を掲げており、2025年10月28日にパブリックテストネットを公開していました。
アレール氏は講演で、世界の経済活動の大部分を将来的にAIが担うとの見方を示し、その受け皿としてArcを据える考えを説明しました。テストネットにはグローバル銀行、取引所、大手決済企業、テック企業が参加しており、メインネット移行を前に実運用を見据えた検証が進んでいます。
専用トークンは、ガバナンス、インセンティブ設計、ネットワーク上の経済調整に使う計画です。最終的にはプルーフ・オブ・ステークへの移行も予定しており、詳細は近く公表するとしています。現時点でティッカーや総供給量、配分の詳細は明らかになっていません。
Arc上では韓国ウォン建てステーブルコインの発行準備も進んでいるとみられます。メインネット立ち上げ時には「Stable FX」によって、複数の法定通貨連動型ステーブルコインを即時交換できる仕組みを組み込む計画とみられます。USDCを中核に据えつつ、各国通貨建ての決済需要を取り込む構えが見えます。
Nano Payments、AI向け極小額決済に対応
Circle Nano Paymentsは、AIエージェント同士の極小額決済に照準を合わせたサービスです。公式ページでは、1取引あたり0.000001ドル単位のUSDC転送をガス代なしで処理でき、x402規格との互換性を持つと説明しています。2026年3月10日時点でテストネットはすでに稼働しています。
狙うのは、人が数回しか行わない支払いではなく、機械が大量に繰り返す支払いです。AIエージェントが外部APIを1回呼び出すたびに課金したり、推論処理を5セントや5ドル単位で逐次購入したりする用途が想定されています。従来のカード決済や銀行送金では手数料負担が重く、少額すぎて成立しにくかった取引を、オンチェーンでそのまま流せるようにする設計です。
送金基盤にはCircle Gatewayも組み合わせます。これにより、クロスチェーンのUSDC決済を1秒未満で処理できるとしており、AIエージェントが利用するサービスごとに異なるチェーンへ接続していても、支払い体験を分断しにくい構造です。決済のたびにブリッジやガス残高を意識する必要が薄れれば、機械が自律的にサービスを買う仕組みは現実味を増します。
Circleは、X42プロトコル上で行われるAI決済の99%がUSDC建てだと説明しているとみられます。採用サービスは数千規模に広がっているとされており、Nano Paymentsはその流れをさらに細かい単位の支払いへ押し広げる位置付けです。
参考元:fintechwrapup
画像:shutterstock
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