記事の概要

  • 北朝鮮で初のブロックチェーンイベントの開催が決定。来年4月から8日間平壌で開かれる。
  • 国籍の制限や国の尊厳を失う印刷物の禁止など、参加には厳しい制限が設けられており、イベント当日には組み込まれたスケジュールの遵守が求められる。
  • 北朝鮮の目的は不明瞭であるが、観光業や自国経済の発達のために今回のイベントが開かれている可能性がある。

 北朝鮮で初の国際ブロックチェーンイベント開催へ

北朝鮮は20194月に初の国際ブロックチェーンカンファレンスを開催するようです。北朝鮮はすでに世界中から​暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに関する知識の提供を行なってくれる登壇者を探しており、「平壌ブロックチェーンカンファレンス」と名付けた一週間のイベントの開催を主催しようとしています。Indeendent UKの報道によるとイベント関係者は北朝鮮へのツアー客として扱われるようです。同イベントの公式サイトには「ブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)専門家が初めて平壌に集って自分たちの知識や考えを共有し、コミュニティの形成やビジネスの場について話し合う機会を提供します。」

しかし、参加の条件に関して厳しい制限がついている点に注意しなければなりません。日本韓国イスラエル国籍の市民やジャーナリストは参加権が与えられません。また、参加するためにはパスポートの顔写真に加えて住所、メールアドレス、簡易CV(Curriculum Vitae)をメールにて送信する必要があります。

そして北朝鮮への入国に際しては「観光客」という扱いですが、綿密に組まれた旅程を守らなければなりません。暗号資産(仮想通貨)イベントに参加する他にも博物館への見学やツアーなども組み込まれていますが、基本的には既に決められた予定に沿って動くことが絶対的に求められます。さらには参加に当たって「国の尊厳を損なうようなマスメディアのプロパガンダや印刷物を持ち込むことができない」と注意書きするなど、国を公開には慎重な姿勢を見せています。

国が主導となって国際的な暗号資産(仮想通貨)イベントを開催する初の事例であり、北朝鮮が暗号資産(仮想通貨)事業に積極的に動いている様子が垣間見えます。具体的に「観光事業を発展させる」「国の経済状況を好転させる」という2点が今回の大きな動機になっているのではないかと考えられます。