記事の概要

  • イタリアの名門サッカークラブであるユベントスがファン向けの公式トークンの発行を発表。来年の第一四半期を目標に。
  • ファンはトークン保有量に応じて投票権が付与され、クラブとの交流を深めることができる。
  • このシステムの背景にはブロックチェーンがあり、今後「投票システムへのブロックチェーン技術導入」の流れはさらに加速するだろう

 ユベントスが公式ファントークンを発行

イタリアセリエAの名門サッカークラブ​であるユベントスは9月24日、ファン向けの仮想通貨トークンを発行することを公式に発表しました。クラブはブロックチェーンをベースにしたプラットフォームを提供するSocios.comと提携を結び、来年第一四半期を目標として独自の公式ファントークンの発行を検討しているようです。ユーザーはSocios.comのトークンであるChills Tokenと交換することによってファントークンを購入することが出来るようになると公式サイトで発表されています。

また、二週間前にはフランスの名門サッカークラブであるパリ・サンジェルマンが仮想通貨のトークンを発行することを発表しており、両チーム共にファンの投票システムを構築するためにブロックチェーン技術を使用するようです。世界に6000万人を超えるファンを抱えているユベントスはファンサービスの充実を常に画策しており、最高売上責任者であるGiorgio Ricci氏は以下のようなコメントを残しています。

私たちは新しい技術に対して常に注意を払っており、​今回Socios.comと提携することで世界中のファンが最先端の技術を用いてクラブと交流する機会を得ることが出来ます。​

サッカー業界は今年に入って仮想通貨技術に積極的な姿勢を見せており、イギリスでは仮想通貨やブロックチェーン技術を将来的に活用しようと業務提携を画策するクラブが続々と現れています。

一方でSocios.comのCEOであるAlexandre Dreyfus​氏はユベントスに限らずスポーツ界全体へのブロックチェーン技術の普及を目指しており、以下のような発言をしています。

我々の長期的な目標は50以上のサッカークラブと契約を結ぶことであり、今後数年間でも3億ドルの資金をスポーツエコノミー全体に投下したいと考えている。特にサッカー業界においてはブロックチェーンと仮想通貨技術が主流の技術に値することを実証し、ファンのためのグローバルなコミュニティーを構築することが目標だ。

​投票システムへのブロックチェーン活用が背景に

クラブがこのような事業展開を画策する背景には投票システムへのブロックチェーン技術の活用という点が挙げられます。例えば大統領選挙での不正が発覚した過去のあるウクライナでは国政選挙にブロックチェーンの導入を検討しており、中央選挙管理委員会のOleksandr Stelmakh​氏は「ブロックチェーンの有用な特性の一つは情報を改ざん出来ない所にある。そして我々はこの特性を選挙の投票システムに導入しようとしているのだ。」と述べています。

このようにブロックチェーン技術の改ざん不可能性は従来の投票システムを飛躍的に向上させることが出来る可能性を秘めており、そういった意味では今回のニュースも全く予想外といったものではありません。日本国内においてもつくば市でブロックチェーンを活用したインターネット投票の実証実験が今年8月に行われています。この結果を受けてつくば市はさらなる実装研究を進めており、将来的なコストの削減やシステム簡易化による投票率の向上も実現するかもしれません。

今年に入って下げ相場の仮想通貨市場ですが、ブロックチェーン技術の応用という意味では大きな発展の最中にあるようです。