CBDCのモデルとして最も優れているのは——「BTC・ETHではなくてXRPだ」
オーストラリア準備銀行(RBA)が、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)に関する調査レポートを公表。このレポートでは、「いかなる仮想通貨がCBDCネットワークに最も適していると考えられるか」について確認された。
今回の報告にてRBAは、ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)についてその分散性を指摘した上で、CBDCとの適合性が最も高い通貨として「XRP」を掲げている。
「リップル・XRPは信頼を享受」オーストラリア中央銀行が「CBDCと仮想通貨の適合性」に関するレポートを公表
オーストラリア準備銀行(=Reserve Bank of Australia/以下.RBA)が、CBDCと主要仮想通貨の適合性に関する調査レポートを公表。今回の44ページにもわたる大規模なレポートでは、CBDCをホストするために実行可能なブロックチェーン候補を探りつつ、世界各国各地域でのデジタル通貨の開発状況について詳細な調査結果が報告された。
RBAとはオーストラリアにおける「中央銀行」であり、“オーストラリア・ドル”のポリマー紙幣唯一の発券銀行。それゆえ、今回のレポートは仮想通貨に対する中央銀行側の見解を詳しく示したものとして世界中から大きな注目を集めている。
そんなRBAは、CBDCネットワークと既存仮想通貨の適合性に関して、「ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・XRP」の3つ通貨を分析。
RBAは結論として、「CBDCモデルとしては、BTC・ETHよりもXRPが適している」と説明した。各通貨に関する詳しい見解について、以下でみていく。
1. ビットコイン(BTC)とCBDCの適合性「価格変動による信頼欠如、分散性に懸念」
まず第一に、RBAは仮想通貨時価総額ランキング絶対的トップを誇るビットコイン(BTC)について言及。
レポート内では、「ビットコインネットワークの分散性という特性及び銀行・政府による監視の欠如により、ビットコインは一般的に全国のCBDCネットワークでの使用には不適切である」との旨を報告し、以下のように説明した。
「“法定通貨”というポジションではないにも関わらずビットコインは絶大な人気を誇っており、多くの場所で“取引の媒体”としてすでに受け入れられています。(中略) 近年ビットコインの価格は目覚ましい変動を記録しており、この大規模な価格変動は“取引の媒体”または“価値の貯蔵手段”としてのビットコインに対して信頼の欠如をもたらしています。CBDCモデルとしての「Cryptocurrencies」の実行可能性に関して中央銀行の間で大きな懸念を引き起こしました。」
加えてRBAは、変化のさなかにあるビットコインの法的地位についても触れた。同行は、「ビットコインは法定不換紙幣に相当する交換価値のある無形資産である」との2020年フランスナンテール商事裁判所による判決文をレポート内で引用している。
2. イーサリアム・ETHとCBDCの適合性「スマートコントラクトが重要な特徴も…州の制御が効かない点を懸念」
次に、RBAはビットコインとともに仮想通貨市場を牽引してきたイーサリアム・ETHについて言及。レポートによると、「イーサリアムはCBDCのホスティングに関してビットコインと同じ落とし穴に苦しんでおり…、分散化にともない州による制御ができないためCBDCをホストする候補にはなりそうにない」という。
「ETHはビットコインに似ています。純粋な“デジタル”であるとともに州の管理外で完全に分散化されています。ビットコインブロックチェーンと比較した上でのイーサリアムプラットフォームの重要な特徴は、“スマートコントラクト”の運用を可能にし、プログラム可能な“マネー”と“決済”を実現することです。」
なお、RBAは2020年11月、トークン化されたCBDCの概念実証(PoC)を開発しようとした際、イーサリアムベースのテクノロジーを活用している。それでもやはり、州の管理外での完全なる分散性がネックとなり、今回RBAは「CBDCとの適合性は低い」との判断を下したようだ。
3. リップル・XRPとCBDCの適合性「銀行や政府から好意的な見解を享受、ネットワーク集中化は中央銀行に類似」
そして最後に、リップル(Ripple) 及びXRPについての見解に言及。レポート内では、「リップルネットワーク及びXRPは、その集中化された性質により銀行・政府から好意的に見られている」と語られ、詳細について以下のように分析。
「リップル及びXRPは高度に集中化されており、分散性が強くパーミッションレスなシステムを採用するビットコインやイーサとはこの点で異なります。(中略) XRPは特定のネットワークノードのみがトランザクションを検証できる“パーミッション型”のネットワークに基づいているため、CBDCのモデルとして多くの銀行から信頼を享受しています。」
「(リップルネットワークは) 開発者がトークンについて「供給量と(供給の)タイミング」を制御する方法を採り入れているため、このようにリップルによる集中化された性質が現在の中央銀行に類似しています。」
さらにRBAのレポートでは、「フランスの中央銀行の該当するフランス銀行(=Banque de France)が、ヨーロッパ全域におけるCBDCをホストするためのプラットフォームとしてリップルを調査することに高い関心を示している」と報告された。
各国中央銀行が無視できない“仮想通貨”の存在「金融テクノロジーセクター全体の加速が現実に」
さまざまな仮想通貨の台頭やCBDC開発など、昨今の金融領域は目まぐるしい変化を遂げている。この点について、RBAはレポートにて以下のようにまとめた。
「新型コロナウイルスの感染拡大により、デジタル変革の勢いは増しています。(中略) また現実として、デジタル決済システム・ブロックチェーンプロジェクト・金融テクノロジーセクター全体の開発は加速しています。」
2019年の「Facebookによるリブラ(Libra)」のような企業主導の金融インフラストラクチャの出現やビットコインなど仮想通貨市場の急成長にともない、各国中央銀行はブロックチェーン及び仮想通貨分野に注意を払うことを余儀なくされている。
特に今回のRBAによるレポートがリップル及びXRPをCBDCモデルとして、(あくまで主要通貨間での比較にとどまるものの) 肯定的な見解を発表したという事実は大いに注目に値するだろう。XRPの証券性についてSEC(米証券取引委員会)との訴訟問題に揺れるリップル社や、これらを取り巻く業界にとっては明るい材料のひとつであることは間違いない。
今後各国各地域中央銀行がCBDCについていかなる対応を公にするのか、そしてビットコインやイーサリアム・XRPやブロックチェーンテクノロジーに対していかなる見方を示すのか――引き続き、中央銀行の動向及び仮想通貨市場の成長から一瞬たりとも目が離せない。
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この記事は、cointelegraph.comの「Hosting a CBDC? Only one of Bitcoin, Ethereum or XRP can do it, says report.」を参考にして作成されています。