日本政府はNFTをどうみるか
本日5月18日、財政金融委員会にてNFTについての答弁が行われた。本記事ではその答弁内容について分かりやすくまとめている。
ブロックチェーン技術はアート市場の活性化に有用
”日本維新の会”参議院議員、音喜多議員は、「アートや音楽などのデジタルデータを唯一無二の本物と証明できるNFTマーケットは急速に発展しており国際的に注目されています。日本のアニメ、漫画のキャラクター、あるいはそのコンテンツは国際的に大変人気があり、NFTを用いた取引を発展させることは日本の文化の理解と関心を高めるのにも役立つのではないかと考えています。」と日本の文化とNFTの相性が良いと主張。
そのうえで、文化庁にNFTがデジタルアートの世界で注目を集めており、ブロックチェーンの活用は、文化芸術振興の観点からも重要であり後押ししていくべきではないかと質問を投げた。
音喜多議員の質問に対し、文化庁出倉審議官はアート市場の活性化に有用だと認めている。
「文化庁では、本年2月より文化審議会文化政策部会のアート市場活性化ワーキンググループにて議論を重ねています。ブロックチェーン技術など最新技術の活用は、作品の真贋の見極めや作品のアーティストへの収益の還元などが可能になることから、アート市場の活性化に有用だと認識しています。文化庁としては、文化と経済の好循環のためにアート市場の活性化の取り組みを引き続き進めていきたいと考えています。(一部略)」
音喜多議員は出倉審議官の答弁に対し、「有用であると前向きな答弁をいただいた。ぜひとも研究して民間の取り組みの後押しをして普及をしていただきたい。」と日本の将来を見据えたコメントを残した。
NFTでイノベーションに取り組むことは喜ばしい
次に、音喜多議員はNFTをどう評価しているのか麻生財務相に質問。
「一昨年、NFTについて伺った際、資金決済法上の暗号資産には該当しないと麻生大臣からお答えをいただきました。ブロックチェーン技術の発展そのものについては大臣からも重要性をいつも前向きにご答弁をいただいています。NFTをどのように評価されているのか、麻生大臣の見解をお聞かせください。(一部略)」
上記の質問に対し、麻生財務相はNFTでイノベーションに取り組むことは喜ばしいとした一方で投機マネーについて警鐘を鳴らした。
「NFTに関しては、その管理とか取引に有用でインチキがしにくいなどといろいろな理由がありますが、一般論として安全性の確保とか利用者の保護を十分に考える必要があります。新たな技術をもってしてイノベーションに挑戦していくことは喜ばしいと思います。一方で、NFTのコンテンツが極めて高額で取引されているため下手したら投機マネーになってくる可能性があることも知っておかなければならなりません。(一部略)」
麻生財務相の答弁に対し、音喜多議員は「NFTは日本社会にとって有益になる可能性が非常に高いものであるからイノベーションの方をぜひ促進する形で取り組んでいきたいと思う。」とコメントを残し締めている。
NFT事業開発者の意欲を阻害する可能性がある
一方で、保護の面についても音喜多議員は言及。
「マネーロンダリングに関する金融活動作業部会FATFは先日、マネーロンダリング対策の一環として、NFTなど革新的な分野についても監視対象となる可能性があると暗号資産ガイダンスの修正を行っています。これに対し、日本暗号ビジネス協会がパブリックコメントを行ったうえでFATFに意見書を提出するなどたくさんの規制を懸念する声も上がっています。なかでも暗号資産のサービスプロバイダーVASPの定義が曖昧であるとの声があり、VASPに該当するのであれば事業開発者の意欲を阻害することになりかねません。事業開発者はVASPに該当するかどうか、金融庁の意見をお聞かせください。(一部略)」
金融庁の白川総括審議官は上記に対して、個別のケースを見て判断していくと答弁している。
「FATFにおいて、暗号資産のサービスプロバイダーについて顧客のため又はその代理として、暗号資産の転移、交換業を業として行うことだと定義しています。FATFの考え方では、NFTの事業開発者が暗号資産サービスプロバイダーにあたるかどうかについては、マネーロンダリングやテロ資金対策の観点から支払いなどに用いられるかというNFTの性質や移転・交換等を行うかという当該事業者の行為に従って個別具体的に判断すると認識しています。定義の曖昧さについては、不明確であると意見をもらっていることも理解しています。(一部略)」
音喜多議員は白川総括審議官の答弁に対して、今のままではいけないと危機感を持っている。
「個別に判断していくということで、FATFの規制内容を現段階でそのまま受け止めると極めて曖昧かつ際限なく拡大していく恐れがあります。産業育成を促成しつつFATFの要件を満たす形での落としどころは適正時を模索すべきであり、このままでは文化庁からも前向きの答弁があったNFTの育成についてFATFが阻害の要因ともなってしまいかねません。(一部略)」
暗号資産には肯定的な面がある
最後に、音喜多議員は麻生財務相に対し、FATFの曖昧な定義の是正を促して革新的技術、産業を育てる観点から金融庁として主体的にFATFに働きかけ適切なルール作りを導く必要性についてどう考えるか質問。
麻生財務相は、音喜多議員の質問に対し、肯定的な面と否定的な面の両方を考えなければいけないと主張した。
「暗号資産、名前からして怪しい名前に聞こえますが、低いコストでの金融取引といった極めて安く上手くいくという肯定的な面がある一方で、テロの資金の供給になったりマネーロンダリングに使われたりと実施していくためには両方の面を考えなければいけないことが事実です。それを踏まえてFATFの議論に我々も積極的に参加しており、定義の明確化は必要だと考えています。また、マネーロンダリングやテロ資金供給対策をやりながらイノベーションを促進させることをFATFと1年以上話し合いを続けています。(一部略)」
音喜多議員は、麻生財務相の答弁に対し「世界各国には様々な事情や思惑があると思いますが、ルールを指導していくことやイノベーションを促進していくことは非常に重要だと思うためぜひ麻生大臣のお力で更なる後押しをよろしくお願いしたいと申し上げます。」と述べたうえでNFTに関する答弁を締めた。
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