ビットコイン(BTC)は8月21日午前8時時点で7万2985ドルと、前日から5.23%上昇しました。前日の急騰に続く2日連続高で、この2日間の上昇率は約13%に達しています。24時間では6万8902ドルを安値に7万3111ドルまで上値を伸ばし、押し目らしい押し目を作らずに水準を切り上げました。
特徴的なのは、上昇局面にもかかわらず先物市場で売り持ちが解消しきっていない点です。Binance先物の口座ベースのロング・ショート比率は0.944と1を下回り、買い持ちより売り持ちの口座が多い状態にあります。建玉の総量もほぼ横ばいで、今回の上昇が先物の買い建てではなく、現物とETFを中心とした買いに支えられている可能性を示しています。米現物BTC ETFは8月19日に5億1720万ドルの純流入を記録したと報じられ、3営業日連続の流入となりました。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
BTCは24時間安値6万8902ドルから切り返し、7万ドル台を固めたうえで24時間高値7万3111ドルまで上昇しました。安値の6万8902ドルは日足200日移動平均線6万9015ドルのすぐ下にあたり、前日に上抜けたこの水準が押し目で支えとして機能しました。上値は4時間足のボリンジャーバンド上限7万3793ドルの手前で抑えられています。
出来高は3万5588BTC(約25.4億ドル)と、前日の2万8564BTCからさらに増加しました。恐怖・貪欲指数は62「Greed」と、前日の46「Fear」から1日で貪欲圏へ転じています。BTCドミナンスは58.69%へ上昇し、前日のアルトコイン主導からBTC主導へ戻りました。
相場を動かした背景
売り持ちが解消しきらないまま進む上昇
今回の続伸を特徴づけているのは、先物市場のポジション構成です。Binance先物の口座ベースのロング・ショート比率は、8月20日午前の1.137から24時間かけて一貫して低下し、21日未明に1を割り込みました。直近6時間は0.944〜0.992で1割れが定着しており、価格が上昇しているにもかかわらず、口座数では売り持ちが買い持ちを上回る状態が続いています。
建玉は一時10万9117BTCまで増えたものの、足元は10万7070BTCへ戻し、24時間ではほぼ横ばいです。資金調達率も直近の確定値で0.0094〜0.0100%と小幅なプラスにとどまり、ロングの過熱を示す水準ではありません。これらを総合すると、上昇は先物の買い建てが牽引したものではなく、ショートの解消と現物・ETF由来の買いが支えているとみられます。一方、上位トレーダーの建玉比は1.726倍とネットロングに傾いており、参加者の層によって方向感が分かれています。
ETF流入の加速と市場心理の転換
需給を裏づけているのが、ETFへの資金流入です。米現物BTC ETFは8月19日に5億1720万ドルの純流入を記録し、5月上旬以来の規模だったと報じられました。8月17日の約1億4000万ドル、18日の約1億9000万ドルに続く3営業日連続の流入で、流入額は日を追って拡大しています。ブラックロックのIBITが約2億8500万ドルと大半を占め、週の累計は約10億ドルに達したと伝えられています。
市場心理も1日で切り替わりました。恐怖・貪欲指数は46「Fear」から62「Greed」へ移り、8月中旬まで続いた慎重な地合いが後退しています。ただし心理の急変は反動も伴いやすく、流入の持続性が確認されるかが次の焦点となります。
強い米指標と金利上昇を跳ね返した続伸
マクロ面では逆風が強まりました。8月20日発表の米新規失業保険申請件数は20万6000件と予想の約21万件を下回り、8月のフィラデルフィア連銀景況指数は+47.4と予想の約25を大きく上回りました。いずれも米景気の底堅さを示す内容で、米10年債利回りは約4.69%へ上昇したと報じられています。
金利上昇とドル堅調は通常、暗号資産の上値を抑える材料です。それでもBTCは5.23%の続伸となり、暗号資産に固有の需給がマクロ要因を上回りました。同じ日にXRPが14.87%高となり、XRP現物ETFに1億700万〜1億2200万ドルの記録的な単日流入があったと報じられており、規制の明確化を織り込む買いが市場全体に広がっています。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
まず中長期の位置づけを確認します。週足では価格7万2985ドルが200週移動平均線6万4266ドルを約13.6%上回り、20週線6万9303ドルも2週連続で回復しました。週足MACDのヒストグラムは+1082.9とプラス幅を拡大しています。ただし50週線8万1728ドル、100週線8万8828ドルはなお大きく上方にあり、下降トレンドからの戻り局面という位置づけは変わりません。次の中期的な関門は50週線の8万1728ドルで、そこに向かえるかが焦点です。この大局を前提に、短中期の各時間軸を見ていきます。
日足チャート

日足では、価格が20日線6万4647ドル、50日線6万4286ドル、100日線6万6222ドル、200日線6万9015ドルをすべて上回り、強気の並びが続いています。MACDのヒストグラムは+799.7と、前日の+372.9からプラス幅を拡大しました。
一方、ボリンジャーバンド上限6万9342ドルを約5%上抜けた状態が2営業日続いており、過熱は前日より強まっています。上値メドは7万5000ドル、下値メドは200日線6万9015ドル、その下が100日線6万6222ドルです。バンド上限からの乖離をどう解消するかが目先の課題となります。
4時間足チャート

4時間足は、価格が20・50・100・200の主要移動平均線をいずれも上回り、上昇トレンドが継続しています。MACDのヒストグラムは+715.5とプラス圏を維持しています。
もっとも、ボリンジャーバンド上限7万3793ドルに接近しており、目先はこの水準が上値の目安となります。押し目の初期メドは20期間移動平均の6万7217ドルで、現在値からは離れています。
1時間足チャート

1時間足では、価格が全ての主要移動平均線を上回り、一目均衡表の雲6万8638〜7万1728ドルの上に位置しています。転換線7万2450ドル、基準線7万1006ドルが下値の支持に転じています。
ただしMACDのヒストグラムは-106.6とマイナスに転じており、上昇は一服しています。当日の下値サポートは20時間平均の7万1779ドル、次いで基準線7万1006ドル、その下がバンド下限6万9485ドルです。上値レジスタンスは24時間高値7万3111ドル、その上はバンド上限7万4074ドルとなります。
デリバティブ動向
OI清算
先物の建玉は、Binanceで約10万7070BTCです。8月20日昼に10万9117BTCまで増えた後に押し戻され、24時間では約420BTCの減少とほぼ横ばいでした。価格が5.23%上昇するなかで建玉が積み上がっていない点は、上昇がレバレッジの拡大を伴っていないことを示しています。
清算については、今回の上昇局面を通じて20億〜35億ドル規模が発生し、大半がショートポジションだったと報じられています。ショートの解消が上昇を加速させた一方、その燃料は消費されつつあり、追随する買いが細れば上値も重くなりやすい点に注意が必要です。
清算ライン

ロング・ショート比率は口座ベースで0.944と1を下回り、売り持ちが優勢な状態が続いています。この構成が維持されたまま上昇が続けば、7万3111ドルを超えた水準でショートの買い戻しが再び上昇を加速させる可能性があります。
一方、上位トレーダーの建玉比は1.726倍とネットロングに傾いており、下方向では7万1000ドル、さらに6万9000ドル付近にロングの清算が意識されます。1時間足のMACDがマイナスに転じたタイミングと重なるため、7万1000ドルを割り込む展開では調整が速く進みやすい点に警戒が必要です。
ETF
米現物BTC ETFは、8月19日に5億1720万ドルの純流入と3営業日連続の流入を記録したと報じられています。流入額が17日、18日、19日と日を追って拡大しており、機関投資家の需要が続伸を裏づけました。先物の建玉が横ばいであることと合わせると、今回の上昇の買い手は現物とETF側に寄っていたとみられます。
なお、8月20日分のフローは翌営業日の報告となるため、本稿執筆時点では未取得です。大口保有者や長期保有者の売買動向についても、今回は数値を取得できていません。
本日のデイトレ注目材料
本日は、日本時間21日22時45分に米PMI速報が発表されます。前日のフィラデルフィア連銀景況指数が大幅に上振れした直後だけに、製造業・サービス業ともに強い数字が続けば、米金利のさらなる上昇を通じてBTCの上値を抑える可能性があります。逆に景況感の減速が示されれば、金利低下が支援材料となる可能性もあります。来週は8月27〜29日にジャクソンホール会議が開催され、ウォーシュFRB議長の基調講演が28日23時(日本時間)に予定されていると報じられており、テーマに金融イノベーションや決済が含まれる点が注目されています。
上抜けシナリオとしては、24時間高値7万3111ドルを明確に上抜ければ、4時間足バンド上限7万3793ドル、その上の7万5000ドルが視野に入ります。口座ベースで売り持ちが残っているため、この方向では買い戻しが上昇を加速させやすい地合いです。下抜けシナリオでは、1時間足基準線7万1006ドルを含む7万1000ドルを割り込むと、バンド下限6万9485ドル、さらに日足200日線6万9015ドルを試す展開が想定されます。短期トレーダーが当日見るべきラインは、上値の7万3111ドルと下値の7万1000ドルです。
まとめ
21日のBTCは、押し目を作らないまま7万3111ドルまで上値を伸ばし、日足200日線を上回る強気の並びを維持しました。ETFへの流入が3営業日連続で拡大する一方、先物の建玉は横ばいで、口座ベースでは売り持ちが優勢なまま上昇が進んでいます。
短期の焦点は、7万3111ドルを上抜けて残るショートの買い戻しを誘えるか、それとも7万1000ドルを割り込んで過熱の解消に向かうかの分岐です。日足はバンド上限からの乖離が2営業日続き、1時間足のMACDは既にマイナスへ転じています。買い手が現物とETF側に寄っている現状では、本日のETFフローの数字が需給の持続性を測る手がかりとなります。
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