ビットコイン(BTC)は8月20日午後0時40分時点で6万9080ドルと、24時間で7.38%上昇しています。19日深夜からの急伸で6月2日以来78日ぶりに7万ドルを回復し、日足の200日移動平均線(6万9035ドル)を14営業日ぶりに上抜けました。
起点は、米財務省が19日に発表した長期債バイバックの上限倍増です。金利低下を受けた買いにショートの買い戻しが重なり、24時間の清算約29.8億ドルのうち27.4億ドルがショート側となりました。同日夜のホワイトハウス暗号資産サミットでは、トランプ大統領が政府によるBTC購入について「確かに議論されてきた」と述べています。
トランプ氏、米政府のビットコイン大規模購入「議論されてきた」
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
BTCは19日20時ごろまで6万4200〜6万4500ドルで軟調に推移し、15時台に24時間安値の6万4166ドルをつけました。21時台からじり高に転じ、20日午前0時25分の5分足で6万7206ドルから6万9500ドルへ急伸します。この5分間の出来高は2974BTCと、直前の4〜7倍に膨らみました。
その後は6万8000〜6万8900ドルで滞留し、午前6時45分に24時間高値の7万ドルへ到達しました。アジア時間は6万8902〜6万9894ドルのレンジで、7万ドルには届いていません。当面は6万9800〜7万ドルが上値、6万8900〜6万9000ドルが下値として意識されます。出来高はBinanceの現物で約3万1627BTCと、前日から大きく膨らみました。
相場を動かした背景
米財務省の長期債買い戻しを倍増
米財務省は19日午前(米国時間)、10〜20年ゾーンと20〜30年ゾーンの流動性支援バイバックの上限を、1回あたり20億ドルから最低40億ドルへ倍増すると発表しました。18日に30年債利回りが5.34%と2007年以来の高水準をつけたことへの対応で、発表後は10年債、30年債とも利回りが低下しています。
ドル流動性の改善観測がリスク資産を押し上げたとの見方が優勢です。ただし同日の米株はS&P500が0.2%高にとどまり、BTCの7%台とは反応幅が大きく異なります。マクロ材料だけでは説明がつかず、後述するデリバティブの持ち高整理が上昇を増幅させたとみられます。
サミットでのトランプ氏のBTC購入発言
19日午後(米国時間)、トランプ大統領がSECのアトキンス委員長、CFTCのセリグ委員長と、コインベースやリップル、ナスダックなどの幹部を集めた会合を開きました。政府が「相当な規模」でBTCを購入する計画があるか問われ、トランプ氏は「確かに議論されてきた。ドルへの圧力をかなり和らげる」と回答し、勧告があれば耳を傾けると続けています。
ただし購入計画を表明したものではありません。戦略的ビットコイン準備は押収分の約20万BTCを保有する枠組みにとどまり、財務省は市場での買い付けを否定した方針を変えていません。BTCが7万ドルへ到達した20日午前6時前後は、この発言が伝わった時間帯と重なります。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
まず中長期の位置づけを確認します。週足では20週線が6万9105ドル、50週線が8万2491ドル、200週線が6万4246ドルにあります。前週割り込んだ200週線を回復し、さらに7週ぶりに20週線へ到達しました。50週線は依然として大きく上方にあり、下降トレンドは崩れていません。今週足を20週線の上で引けられるかが、戻りで終わるか中期の流れが変わるかの分岐点となります。
日足チャート

日足では、現在値が20日線(6万4142ドル)、50日線(6万4026ドル)、100日線(6万6297ドル)をまとめて上抜け、200日線(6万9035ドル)も上回りました。ただし200日線はこの2週間で7万412ドルから低下しており、線が下りてきた寄与も小さくありません。
MACDはヒストグラムが369.7から552.4へ拡大した一方、現在値はボリンジャーバンド上限(6万7914ドル)を超えており、上値追いには過熱感があります。上値メドは7万ドル、次いで7万1408ドル、下値メドは100日線の6万6297ドルとなります。
4時間足チャート

4時間足は、20・50・100・200の主要移動平均線がいずれも6万3900〜6万4800ドルに密集し、現在値はその大きく上方にあります。
ただし押し目を作らずにバンド上限(6万8983ドル)へ張り付いており、中心線の6万5102ドルまで引き戻される調整には注意が必要です。上値メドは7万ドル、下値メドは6万8000ドル、次いで6万6500ドルとなります。
1時間足チャート

1時間足では、現在値が主要移動平均線をすべて上回り、短期は買い優勢です。ただしMACDのヒストグラムは155.4から78.4へ縮小しており、急伸後の小休止を示しています。
当日の下値サポートは6万8900〜6万9000ドル、次いで6万8000ドルです。上値レジスタンスは24時間高値の7万ドルとなります。
デリバティブ動向
OI清算
先物の建玉(オープンインタレスト)は、Binanceで約10万9290BTCです。19日21時の10万4746BTCから増加し、金額ベースでは67.5億ドルから75.7億ドルへ約12%膨らみました。踏み上げによる建玉の消滅ではなく、新規の持ち高を伴って増えています。
清算は直近24時間で約29.8億ドル、うちショートが27.4億ドルです。ロング・ショート比率は約1.05倍と急伸前の1.10倍から低下し、資金調達率はBinance、Bybit、OKXとも0.01%前後にとどまります。基準値へ戻っただけで、過熱感はありません。
清算ライン

清算ヒートマップの具体的な数値は取得できていません。確認できる範囲では、建玉が金額ベースで12%増えたまま7万ドル手前で滞留しており、新規の持ち高がこの水準に積み上がっています。7万ドルを抜けずに時間が経過するほど買い持ちの偏りが強まり、6万8900ドル割れでの巻き戻しが起きやすくなります。
ETF
米現物BTC ETFは、8月17日に約2億9755万ドル、18日に約1億8930万ドルの純流入を記録し、3日続いた流出から反転しました。18日はブラックロックのIBITが1億4360万ドル、フィデリティのFBTCが2390万ドルです。
ただし急伸当日にあたる19日分は、20日午後0時30分時点で未公表です。17日と18日の流入はいずれも6万2900〜6万4700ドルの安値圏での買いで、今回の急伸の裏づけにはなっていません。需給面では、大口保有者が直近60日で約4万3000BTCを積み増したとCryptoQuantが報告しています。
本日のデイトレ注目材料
本日は日本時間21時30分に米新規失業保険申請件数と8月フィラデルフィア連銀景況指数が発表されます。長期金利が落ち着いた直後だけに、数字が弱ければ金利低下が続きBTCの支えとなり、強ければ上値を抑える要因となります。加えて21日未明にはCFTCのイノベーション諮問委員会の初会合が開かれ、暗号資産の市場構造が議題に上ります。19日分のETFフローも日中に公表される見通しです。
上抜けシナリオとしては、7万ドルを1時間足の終値で上抜け、6万9800ドル台を支えに変えれば、6月2日高値の7万1408ドルが視野に入ります。下抜けシナリオでは、6万8900ドルを割り込み6万8000ドルを下回ると、日足100日線の6万6297ドル、さらに6万5102ドルを試す展開が想定されます。短期トレーダーが当日見るべきラインは、上値の7万ドルと下値の6万9000ドルです。
まとめ
20日のBTCは、財務省の長期債バイバック倍増をきっかけに78日ぶりの7万ドルまで急伸し、日足200日線の上で高値を保ち合う展開となりました。清算の9割超がショート側という数字が示すように、上昇の主動力は買い戻しです。
トランプ氏のBTC購入発言は検討段階の言及にとどまります。資金調達率も0.01%と基準値へ戻っただけで買い持ちの偏りはまだ生じておらず、19日分のETFが公表されるまで実需の裏づけは確認できません。
方向を決めるのは7万ドルの攻防です。上抜ければ7万1408ドル、6万8000ドル割れなら6万6297ドルが次の目安となります。まずは、14営業日ぶりに回復した日足200日線6万9035ドルを維持できるかどうかが、最初の試金石となります。
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