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ビットコイン、6万5000ドルを回復|弱い米雇用統計で利下げ観測強まる、今週はCPIが焦点

2026年8月10日 08:46  Arai Yu

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ビットコイン(BTC)は8月10日午前8時時点で6万5050ドルと、前日からほぼ横ばいで週明けを迎えました。先週末にかけて6万5000ドルの節目を回復し、週末も6万4700〜6万5474ドルでその上を維持しています。

流れを変えたのは、8月7日に発表された米雇用統計です。市場予想を大きく下回る弱い内容となり、9月の利上げが見送られるとの観測が強まりました。これがリスク資産の追い風となり、BTCは節目の6万5000ドルを上抜けています。米現物ビットコインETFへの資金流入が続いていることも、下値を支えています。

値動きの振り返り|雇用統計後に6万5000ドルを突破

BTC/USDT 30分足チャート

8月7日のBTCは、日本時間21時30分の米雇用統計の発表直後に出来高を伴って買われ、6万5391ドルまで急伸しました。予想を下回る弱い雇用データが利下げ観測を強め、上値の関門だった6万5000ドルを突破しています。

週末の8日から9日にかけては、6万4700〜6万5474ドルの狭いレンジで底堅く推移しました。出来高は6756BTCと薄いながらも、節目の6万5000ドルを割り込まずに維持しています。10日朝は6万5050ドルで、これまで上値を抑えてきた水準が下値の支えへと転じつつあります。

相場を動かした背景

米雇用統計の大幅な下振れ

8月7日発表の7月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が2万3000人の減少となりました。8万3000人増という市場予想を大きく下回る弱い結果です。政府部門が5万3000人減となったほか、5月・6月分も合計で10万3000人下方修正され、労働市場の減速が鮮明になりました。失業率は4.1%です。

強まる9月の利下げ・据え置き観測

弱い雇用データは、利上げを続ける根拠を弱めます。CMEフェドウォッチによると、発表後に9月会合で金利を据え置く確率は約56%まで上昇したと報じられました。金利の先高観が後退したことで、金利を生まないビットコインなどのリスク資産に買いが戻りました。平均時給の伸びが前年比3.2%に鈍化した点も、インフレ圧力の緩和を示しています。

ETF資金の流入が5営業日連続

需給面では、米現物ビットコインETFへの流入が続いています。8月3日から7日まで5営業日連続で買いが入り、この間の合計は約7億6500万ドルに達しました。7日単日でも1億170万ドルの流入です。7月末の大幅な流出から一転し、機関投資家の資金が一貫して戻っていることが、6万5000ドルの回復と維持を支えています。

ビットコイン(BTC)テクニカル分析

まず中長期の位置づけを確認すると、週足では20週線が6万9268ドル、50週線が8万3401ドルといずれも大きく上方にあり、下降トレンドの途上にあります。もっとも、長期の支持線である200週移動平均線は約6万3781ドルにあり、現在値6万5050ドルはこれを約2.0%上回る水準まで距離を広げました。先週割り込んだ長期支持線からの回復が定着しています。この位置関係を前提に、短中期の各時間軸をみていきます。

日足チャート

日足では、現在値が20日線(6万4448ドル)と50日線(6万3377ドル)の上に浮上し、短期の地合いが改善しました。100日線(6万7920ドル)と200日線(7万173ドル)は上方にあり、戻り売りの壁として意識されます。

MACDはヒストグラムがプラス幅を広げ、改善が加速しています。上値メドはボリンジャーバンド上限の6万6317ドル、その先は100日線の6万7920ドルです。下値メドは20日線の6万4448ドルとなります。

4時間足チャート

4時間足は、現在値が20・50・100・200の主要移動平均線をすべて上回り、短期トレンドは上向きです。ただしMACDのヒストグラムはわずかにマイナスへ転じており、週末の小動きで勢いは一服しています。

移動平均線が6万4200〜6万4900ドルに集まっており、この帯が下値の支えとなります。上値メドはバンド上限の6万5425ドル、下値メドは6万4306ドルです。

1時間足チャート

1時間足では、現在値が主要移動平均線と一目均衡表の雲の上にあり、短期は買い優勢です。ただし各移動平均線が6万5000ドル前後に収れんし、MACDのヒストグラムもほぼゼロで、週末の薄商いを反映して方向感を欠いています。

当日の下値サポートは6万5000ドルの節目、その下が雲の上限にあたる6万4778ドルです。上値レジスタンスは週末高値の6万5474ドルとなります。

デリバティブ動向

OI清算

先物の建玉(オープンインタレスト)は、Binanceで約10万7400BTC、想定元本にして約70億ドルです。雇用統計後にやや戻したものの急拡大はしておらず、過度なレバレッジは積み上がっていません。

ロング・ショート比率は約1.10〜1.14倍と低水準を維持し、個人の買い持ちの偏りは小さいままです。資金調達率もBinanceで0.0071%、OKXで0.0096%と小幅なプラスで、過熱感はありません。清算総額の実数は未取得です。

清算ライン

下値では6万4730ドルの24時間安値、次いで日足20日線の6万4448ドルが支えとなります。買い持ちの偏りが小さいため、下押ししても連鎖的な損切りは限定的とみられます。

上方では週末高値の6万5474ドルが最初の関門です。ここを上抜ければ、6万6000ドルにかけて売り持ちの買い戻しを誘いやすくなります。

ETF

米現物ビットコインETFは、8月3日から7日まで5営業日連続で流入しました。4日に2億1150万ドル、5日に2億4440万ドル、6日に1億3760万ドル、7日に1億170万ドルと、この5営業日で合計約7億6500万ドルに達しています。7日はブラックロックのIBITが8670万ドル、フィデリティのFBTCが4100万ドルでした。

7月末の大幅な流出から明確な流入トレンドへ転換したことが、今回の戻りを支える中心的な要因です。大口保有者や長期保有者の具体的な売買数量は未取得です。

本日のデイトレ注目材料

今週最大の焦点は、日本時間8月12日午後9時30分に発表される7月分の米消費者物価指数(CPI)です。翌13日には卸売物価指数(PPI)も控えています。雇用統計の弱さで利下げ・据え置き観測が強まったなか、CPIが低ければインフレ鈍化を裏づけて一段の追い風となり、高ければ観測が後退して重しとなります。

短期では、これまで上値を抑えてきた6万5000ドルが、下値の支えへ転じるかどうかが試されます。週明けは板が薄い時間帯があり、値が飛びやすい点にも注意が必要です。

上抜けシナリオとしては、週末高値の6万5474ドルを上抜ければ、6万6317ドルの日足バンド上限、さらに6万7920ドルの100日線が視野に入ります。下抜けシナリオでは、6万5000ドルを明確に割り込むと6万4448ドルの日足20日線、さらに6万3781ドルの200週線が下支えとなります。短期トレーダーが当日見るべきラインは、下値の6万5000ドルと、上値の6万5474ドルです。

まとめ

10日のBTCは、8月7日の弱い米雇用統計をきっかけに6万5000ドルを回復し、週末もその上を維持して週明けを迎えました。9月の利下げ・据え置き観測の高まりとETFの継続的な流入が、前週までの「買われても上がらない」局面を転換させています。

もっとも、恐怖・貪欲指数はなお「恐怖」の領域にとどまり、週末の出来高も薄いままです。上昇の勢いを確かめるには、12日のCPIが鍵を握ります。まずは6万5000ドルを支えに変えられるかどうかが、戻りを伸ばせるかの試金石となります。

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