ビットコイン(BTC)は7月14日8時時点で6万2138ドルと、前日比-2.62%で取引されています。
直近24時間は、トランプ大統領によるイランへの空爆再開と、韓国株を中心としたAI半導体株の暴落が重なり、リスク回避の売りが強まりました。BTCは6万4000ドルを挟んだもみ合いを明確に下放れ、一時6万1824ドルまで下落しています。市場が最も意識しているのは、地政学と株安が同時に押し寄せる「ダブルのリスクオフ」です。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間のBTCは、13日9時に24時間高値の6万4425ドルをつけたあと、終日にわたって上値を切り下げました。
トランプ大統領のイラン空爆再開が伝わり、さらに韓国株の急落を受けたリスクオフが強まると、13日夜にかけて6万2000ドル台へ下落。14日3時には24時間安値の6万1824ドルをつけています。その後は6万2000〜6万2600ドルで下げ渋り、8時時点では6万2138ドルとなっています。
先週末まで続いていた6万4000ドル前後の狭いレンジを明確に下放れており、地合いが悪化しました。上値では6万4400ドル付近、下値では6万1800ドル付近が、それぞれ短期的に意識された格好です。
相場を動かした背景
イラン空爆再開と地政学リスクの再燃
今回の下落の一つ目の要因は、中東情勢の再びのエスカレートです。
トランプ大統領は7月13日にイランへの空爆を再開し、議会に対して停戦の終了を通知しました。米中央軍(CENTCOM)はホルムズ海峡付近で複数回にわたる攻撃を実施し、イランの革命防衛隊(IRGC)の艦艇を攻撃したと伝わっています。これを受けて原油価格は3〜4.5%上昇し、リスク回避の流れが強まりました。
原油の要衝であるホルムズ海峡をめぐる緊張は、エネルギー高とインフレ懸念を通じてリスク資産の重しとなりやすく、BTCも6万3000ドルを割り込む下押しにつながりました。
AI半導体株の世界的ラウトとリスクオフの波及
二つ目の、そしてより大きな要因が、AI半導体株の世界的な急落です。
韓国の総合株価指数(KOSPI)は13日に8.95%急落して7000を割り込み、年内7回目となるサーキットブレーカー(取引の一時停止措置)が発動されました。これは記録的な頻度で、けん引役のSK Hynixは15.37%下落しています。日本株でもAI半導体関連の調整が続いており、株式市場全体でリスク回避が強まりました。
この株安が暗号資産市場にも波及し、隣接市場では2.5億ドルを超える資金が失われたとされ、BTCは6万2000ドルを割り込みました。市場では「今回の売りは暗号資産発ではなく、AIインフラ株発の連れ安だ」との指摘も出ており、株式市場の動向がBTCの上値を強く抑える構図となっています。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート

日足では、現在値6万2228ドルがMA20(6万1867ドル)をかろうじて上回るものの、MA50(6万4645ドル)、MA100(7万0715ドル)、MA200(7万3785ドル)は下回っています。もみ合いを下放れ、日足MA20の攻防に近づきました。
中長期目線での上値メドはMA50が位置する6万4645ドル、下値メドはMA20の6万1867ドル、さらに24時間安値の6万1824ドルです。この6万1800ドル前後のMA20を終値で維持できるかどうかが、6月末からの反発基調を保てるかの分かれ目となります。
4時間足チャート

4時間足では、現在値がMA20(6万3651ドル)、MA50(6万3362ドル)、MA200(6万2755ドル)を下回り、MA100(6万2081ドル)のみ上回っています。短中期の支持線を相次いで割り込み、地合いが悪化しました。
戻り売りの目安としては、MA200の6万2755ドルやMA50の6万3362ドルが意識されます。下値では6万2100ドル前後のMA100を割り込むと、下値模索が強まりやすくなります。
1時間足チャート

1時間足では、現在値がMA20(6万2530ドル)、MA50(6万3377ドル)、MA100(6万3714ドル)、MA200(6万3342ドル)のすべてを下回り、戻りの鈍い展開です。
短期トレーダーが当日見るべきラインは、まず6万2500ドル前後のMA20を回復できるかどうかです。回復できれば戻りを試しやすい一方、6万1824ドルの24時間安値を割り込むと、日足MA20の6万1867ドルも下回り、一段安の余地が出てきます。
サポートは6万1824ドルと6万1500ドル、レジスタンスは6万2530ドルのMA20と6万3342〜6万3377ドルのMA50・MA200となります。
デリバティブ動向
OI・清算動向
未決済建玉(OI)は大きく増加しました。Binance先物では約24時間前の64.3億ドルから66.3億ドルへと、契約数が急増しています。価格が下落するなかでの建玉増加であり、新規のショートに加え、下落局面での逆張りのロングが積み増された可能性がうかがえます。
実際、小口投資家のロング/ショート比率は前日の1.35から1.82へ上昇し、上位トレーダーの比率も1.43から1.70へ上昇しました。資金調達率は+0.0096%とプラス幅が広がっています。本日はCPIとイラン情勢という二つのイベントを前にポジションが積み上がっており、結果次第では清算を巻き込んだ急変動が起きやすい状況です。
注目清算ライン

注目すべき清算ラインは、下方向が6万1824ドル割れから6万1500ドルにかけて、上方向が6万3400ドルから6万4400ドルにかけてです。ロング/ショート比率はグローバル口座ベースで1.8185、上位トレーダーの建玉ベースで1.6973となっています。
下値の6万1824ドルを割り込むと、積み上がったロングの清算が誘発され、下げが加速しやすい水準です。逆に戻りを試す場合も、6万3400〜6万4400ドルでは戻り売りに押されやすくなります。とくに本日21時30分のCPI公表とイラン情勢のヘッドラインが重なるため、上下どちらにも振れやすい点に厳重な警戒が必要です。
ETF動向
米現物BTC ETFのフローは、8週連続の流出が7月11日を終える週で止まり、約2.82億ドルの純流入へ転換しました。7月10日には約9040万ドルの純流入となり、BlackRockのIBITがけん引しました。
もっとも、直近では流入の勢いがやや鈍化しており、7月13日は横ばい圏にとどまっています。需給の改善は下値を支える要因ですが、今回のような株安と地政学ショックが重なる局面では、機関の買いも手控えられやすくなります。フローが再び流入基調を強められるかが、下げ止まりを見極める手掛かりになります。
本日のデイトレ材料
本日の最大の材料は、21時30分に発表される6月のCPIです。市場予想では、ヘッドラインがガソリン安を背景に前月比-0.1%となる一方、FRBが重視するコアは前月比+0.2〜0.3%、前年比2.8〜2.9%と高止まりが見込まれています。コアの粘着性が確認されれば、7月末のFOMCでのタカ派姿勢が意識され、リスク資産の重しになりやすい状況です。
短期の市場テーマは、イランの空爆再開がどこまでエスカレートするか、AI半導体株を起点とした株安が続くか、そしてCPIのコアがどう出るか、という三つの重なりです。株式市場とイラン情勢のヘッドラインに、これまで以上に神経質な展開が続きそうです。上方向の焦点は6万2500〜6万3400ドルで、移動平均線が集中する戻り売りの目安です。下方向の焦点は6万1824ドルで、これと日足MA20の6万1867ドルを割り込むと、6万1500ドル、さらに一段の下値模索が意識されます。
短期トレーダーがまず見るべきは、6万2500ドルの回復可否と、6万1824ドル〜日足MA20(6万1867ドル)の攻防、そして21時30分のCPI公表前後の急変動です。
まとめ
本日のBTCは、トランプ大統領のイラン空爆再開と、韓国株を中心としたAI半導体株の暴落という二つのリスクオフが重なり、6万2000ドル台まで下落しました。日足では辛うじてMA20を維持しているものの、もみ合いを下放れて地合いは悪化しています。
短期的には、6万1824ドルと日足MA20の6万1867ドルを維持できるかが下値の分岐点となり、本日夜のCPIとイラン情勢の続報が相場の次の方向を決めることになりそうです。地政学と株安が同時に進むなか、CPIの結果も重なる一日だけに、急変動への警戒を続けておきたい局面です。
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