Bitmine会長のトム・リー氏は7月13日、東京で開かれたWebX 2026の特別基調講演で、イーサリアムの長期回復シナリオを示しました。講演では「ETH 2.0」の4つの柱として、新たな財団体制やAI需要、金融決済インフラとしての役割、価値保存手段としての側面を挙げました。Bitmineの保有実績として、供給量比4.8%にあたる574万ETHを保有し、その大半をステーキングしている状況も示しました。講演時点のETH価格は約1700ドル台でした。
リー氏は、イーサリアムが「第2章」に入る段階にあるとの見方を示しました。AmazonやNvidia、JPモルガンのように、事業の基盤が市場に十分評価されるまで時間差が生じる例を引き合いに出し、ETHも同様の再評価局面にあると位置付けました。
講演で示した4つの柱は、それぞれ市場の見方を変える要素として整理されました。新財団体制は運営面の転換点、エージェンティックAIはブロックチェーン上で自律的に動くソフトウエア需要、金融の決済レイヤーは送金や資産移転の基盤としての利用拡大、ETHはマネーという考え方は担保や準備資産としての位置付けを指します。
ビットマイン、イーサリアム保有5742237枚に拡大|供給量の4.8%に到達
ウォール街の採用拡大とBitmineのステーキング戦略
この見方を補強する材料として、リー氏はウォール街での採用事例に触れました。BlackRockのBUIDL、JPモルガンのMONY、RobinhoodのArbitrum L2などを挙げ、イーサリアム関連のネットワークや技術が、実際の金融サービスに組み込まれ始めている状況を示しました。
投資家にとって重要なのは、価格の議論だけではなく、ネットワーク利用が資産価値の支えになる構造です。決済やトークン化、機関投資家向けの資産管理が増えれば、ETHは手数料支払い、担保、ステーキング収益の源泉として使われる場面が広がります。講演は、イーサリアムを単なる暗号資産(仮想通貨)ではなく、金融インフラと準備資産の両面から捉える内容でした。
Bitmineの戦略も、その考え方を具体化する事例として示されました。同社は2025年6月30日のETH treasury strategy開始から12カ月で、供給量の5%取得目標に対して95%まで到達したと説明しました。保有する574万ETHのうち487万ETHをステーキングしており、比率では85%に達します。関連するMAVANは約88億ドル相当のETHを管理するステーキング基盤とされました。
一方で、保有拡大には上限への配慮もにじみました。リー氏は、5%達成を急いではいないと述べ、ヴィタリック・ブテリン氏が単一の主体による5%超の保有を望んでいないとの理解を示しました。分散性を重視するイーサリアムの設計思想と、大口保有戦略のバランスを意識した発言とみられます。
相場面では、テクニカル分析としてTom DeMark氏の見方も紹介されました。ETH相場は1987年のS&P500と89.81%の相関を示しているとされ、8月にかけた反発シナリオが示されました。講演全体では短期的な値動きよりも、保有・ステーキング・金融利用の積み上がりがイーサリアム再評価の土台になるという構図が前面に出ました。
参考元:Coinpost
画像:Shutterstock
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