ロシアで7月1日、ビットコインとステーブルコインを使った対外貿易決済が正式に合法化されました。対象は海外との商取引に限られ、利用は認可を受けた8つのプラットフォーム経由に限定されます。欧米の金融制裁で国際決済網の利用が制約されるなか、貿易を継続するための代替手段を制度として整えました。
今回の制度では、暗号資産(仮想通貨)を使った支払いが全面自由化されたわけではありません。ロシア国内の決済は引き続きルーブル専用とされ、暗号資産は国外との取引に限って認められます。
対象となるのは、主に中国、インド、トルコなどとの貿易です。輸出入の代金決済でビットコインや米ドル連動型のステーブルコインを使えるようにすることで、銀行送金や既存の決済インフラに依存しにくい経路を確保する狙いがあります。
欧米の制裁下では、ロシア企業が国際送金や外貨決済で制約を受けやすくなっています。暗号資産を使った対外決済の制度化は、こうした制約を受けにくい支払い手段を公的な枠組みに組み込み、貿易実務を維持する動きです。
8社経由に限定、10万ルーブル超は届出義務
運用面では、利用経路を絞り込む管理色の強い設計が採られました。対外貿易での暗号資産決済は、当局の認可を受けた8社のプラットフォームを通じてのみ実施できます。自由な相対取引を広く認める形ではなく、監督可能な窓口に集約する仕組みです。
取引の透明性を確保するため、10万ルーブルを超える取引には当局への届出義務も課されます。制裁回避のために利用範囲を広げつつ、資金移動の把握や監視は維持する構図です。
この制度は、暗号資産を自国通貨の代替として国内に浸透させるものではありません。ロシアはルーブルの法定通貨としての地位を守りながら、対外決済だけに限定して暗号資産を使い分ける線引きを明確にしました。
暗号資産市場にとっては、国家レベルでビットコインとステーブルコインが貿易決済手段として法的に位置付けられた事例として映ります。一方で、利用対象、経路、報告義務を細かく定めた今回の枠組みは、分散型資産をそのまま自由化するのではなく、国家管理の下で実務利用する方向を示しています。
参考元:Beincrypto
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