米Robinhoodは7月1日、イーサリアムのレイヤー2ネットワーク「Robinhood Chain」のパブリックメインネットをローンチしたと発表しました。Arbitrum Dedicated Blockchainsを基盤にしたpermissionless型のL2で、ETHをネイティブガスとして採用し、現実資産(RWA)のオンチェーン取引に最適化した設計です。Robinhoodウォレットを通じて、120カ国以上の利用者がトークン化株式を24時間取引できる環境を整え、伝統金融と分散型金融の接続を前面に打ち出しました。
Robinhood Chainは、株式のような既存金融資産をブロックチェーン上で扱うための専用インフラとして位置付けられます。暗号資産(仮想通貨)の送金や売買にとどまらず、証券に近い性格を持つ資産を、ウォレット上で保有し、売買し、担保として活用する流れを一つの基盤に載せる狙いです。
今回の発表では、Uniswapが主要な自動マーケットメイカーとして流動性を担います。加えて、Alchemy、BitGo、Chainlinkも統合先に並びました。取引の場、開発基盤、カストディ、データ連携といった機能を外部パートナーで補完する構図で、単独チェーンの立ち上げというより、既存のDeFiインフラを束ねてRWA向けの流通網を組み立てた形に近いです。
技術面では、100ミリ秒のブロックタイムを掲げ、イーサリアムのセキュリティを継承するとしています。L2は、取引処理を本体チェーンの外側でまとめて実行し、結果をイーサリアムに記録することで、処理速度とコスト効率を高める仕組みです。株式のように価格更新が頻繁で、取引時間の制約を受けやすかった資産を24時間動かすには、こうした高速処理の基盤が欠かせません。
24時間売買と担保利用で広がる証券取引の再設計
Robinhoodは、Robinhoodウォレット経由でトークン化株式の取引を120カ国以上に広げるとしました。売買は24時間可能で、保有資産をレンディングや担保にも使える設計です。株式を単にデジタル表示するだけでなく、DeFi上で再利用できる資産に変える点に特徴があります。
これは、証券口座の中で完結していた株式保有を、ウォレットベースの金融へ移し替える試みでもあります。日中の取引時間に縛られ、担保活用にも仲介業者ごとの制約があった資産が、ブロックチェーン上では売買、移転、借入の土台として連続的に扱えるようになります。Robinhoodが掲げる『TradFiとDeFiの融合』は、取引画面の追加ではなく、資産の使い道そのものを広げる設計変更です。
発表はロンドンで開いたイベント「The World is Flat」で行われました。暗号資産・国際部門統括のJohann Kerbrat氏は、伝統的な金融とDeFiの最良の要素を組み合わせ、金融資産の所有権を世界に広げる考えを示しました。
トークン化資産を巡っては、米大手金融機関や暗号資産業界各社が国債、ファンド、株式のオンチェーン化を競っています。Robinhoodは今回、自社ウォレット、L2基盤、流動性パートナーを一体で打ち出し、個人向け証券サービスからオンチェーン金融インフラへ踏み込む姿勢を鮮明にしました。
参考元:robinhood
画像:Shutterstock
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