ビットコイン(BTC)は7月3日朝にかけて、6万1430ドル前後で推移しています。直近24時間では+1.91%と続伸しました。前日に発表された米6月雇用統計が弱い内容となり、利上げ警戒の後退から利下げ観測が復活したことを受け、BTCは前日の抵抗だった6万1000ドル台を上抜けて、一時6万2200ドルまで上昇しています。
市場でこの上昇を主導したのは、弱い雇用統計を起点とする金利低下とリスクオンの流れです。恐怖・貪欲指数は前日の11から19へ改善しましたが、依然として「極度の恐怖」の水準にとどまっています。
【米6月雇用統計】本日21:30発表|21カ月ぶり安値のビットコイン、6万ドル攻防の分岐点に
値動きの振り返り

直近24時間の高値は6万2200ドル、安値は5万9588ドルでした。7月2日21時30分の米雇用統計発表前は5万9588ドルまで下押しする場面がありましたが、発表後に一段high。前日まで上値を抑えていた6万0800〜6万1100ドルの抵抗を上抜け、6万2200ドルまで値を伸ばしました。その後も6万1000ドル台で高値圏を維持し、反発は2日続いています。
下値では5万9588〜6万ドルの節目が維持され、この価格帯での買い需要が確認されました。一方、上値は6万1600〜6万2000ドルで抑えられており、この価格帯には出来高が集中する抵抗帯があります。ここを明確に上抜けられるかが、反発の勢いを測るうえでの目先の焦点です。
相場を動かした背景
弱い米6月雇用統計と利下げ観測の復活
今回の上昇を主導したのは、米6月雇用統計の弱い内容と、それに伴う利下げ観測の復活です。非農業部門雇用者数は+5.7万人と、5月の改定値12.9万人や市場予想の11.5万人を大きく下回り、4カ月ぶりの低い伸びとなりました。失業率は4.2%へ低下したものの、これは労働参加率が61.5%(2021年3月以来の低水準)まで下がったことが主因で、労働市場の減速が意識される結果となりました。
この結果を受けて、前日まで意識されていた利上げ警戒が後退し、利下げ観測が息を吹き返しました。米10年債利回りは4.472%へ、政策金利に敏感な2年債利回りは4.13%近辺まで低下し、ドル指数は100.65へ約0.5%下落しました。金は2%超上昇しています。低金利観測は利回りを生まない投機的資産の支援材料となりやすく、BTCは一時6万2000ドルを回復しました。イーサリアム(ETH)は約5%高、ビットコイン関連株のStrategyは+7.9%と、リスク資産全般に買い戻しが広がりました。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート

現在価格6万1430ドルは、MA20(6万2425ドル)、MA50(6万7800ドル)、MA100(7万1183ドル)、MA200(7万5114ドル)のすべてを下回っていますが、2日続伸でMA20に接近してきました。移動平均線は依然として下落配列のままで、中長期トレンドは下向きが続いています。
まずはMA20の6万2425ドルを回復できるかが、反発が中長期の流れを変える一歩になるかの試金石です。下値のメドは6万ドル、割り込んだ場合は5万8500ドルが意識されます。
4時間足チャート

4時間足では、価格はMA20(5万9937ドル)とMA50(6万0090ドル)を上回り、MA100(6万1974ドル)を試す位置まで戻しました。MA200(6万3524ドル)は依然として下回っています。一目均衡表の雲を上抜けたあとの戻り高値圏にあり、6万1600〜6万2000ドルを4時間足の終値で上抜けできるかどうかが分かれ目です。
上値のメドは6万1974〜6万2000ドル、上抜けた場合は6万2816ドル、下値のメドは6万ドル、割れた場合は5万9588ドルとなります。
1時間足チャート

短期は上昇基調です。価格はMA20(6万1274ドル)、MA50(6万0209ドル)、MA100(5万9890ドル)、MA200(6万0045ドル)をいずれも上回っています。サポートは6万1000ドル、6万0209ドル(1時間足MA50)、そして6万ドルです。
レジスタンスは出来高が集中する6万1600〜6万2000ドル、続いて24時間高値の6万2200ドルとなります。当日見るべきラインは、6万1600〜6万2000ドルを上抜けできるか、そして6万ドルを維持できるかの2点です。
デリバティブ動向
OI・清算動向
未決済建玉(OI)は直近24時間で、約10万4046BTC(約62.9億ドル)から約10万6997BTC(約65.7億ドル)へと増加しました。前日はOIが減少するショートの買い戻し主導の反発でしたが、今回は価格上昇とともにOIが増えており、新規のロング(買い建て)が入ってきていることを示しています。反発の中身が一歩進んだ形といえます。
資金調達率はBinanceで+0.01%と小幅プラスで、過度な過熱はないものの、前日よりロング寄りに傾き始めています。なお本日は米国が休場で商いが薄くなりやすく、値動きが振れやすい点には注意が必要です。
注目清算ライン

ポジションの偏りをみると、全体の建玉口座比率は1.67(ロング62.6%/ショート37.4%)、上位トレーダーのポジション比率は1.16(ロング53.6%/ショート46.4%)です。
上値では6万1600〜6万2000ドルを終値で上抜けると、ショートの買い戻しが加速しやすく、その先は6万2816ドルが視野に入ります。逆に下値では、6万ドルを4時間足の終値で割り込むと反発が一服しやすく、強気シナリオの否定ラインは5万9577ドル付近とされています。
ETF動向
前日時点では9営業日連続の流出となっており、6月は上場来最大の月間流出を記録して純資産は709億ドルへ減少しています。機関投資家による売りが続いていることは、反発局面でも需給・心理面の重しとして残ります。
本日のデイトレ材料
本日は、米国が独立記念日の振替休場となるため、米国市場は休場で、主要な米経済指標の発表もありません。海外では17時にECBのラガルド総裁の発言が予定されているほか、ユーロ圏サービスPMIなどが確認されていますが、全体の商いは薄くなりやすい一日です。
したがって短期的には、雇用統計を受けた反発の続きをテクニカルで見極める展開になりやすいとみられます。ただし、薄商いは値動きを増幅させやすいため、上下いずれの方向にも振れやすい点には注意が必要です。
上方向の焦点は、出来高が集中する6万1600〜6万2000ドル、続いて24時間高値の6万2200ドル、さらに日足MA20の6万2425ドルです。下方向では6万ドル、その下の24時間安値5万9588ドル(強気シナリオの否定は5万9577ドル)、さらに5万8500ドルが焦点となります。当日は、6万1600〜6万2000ドルを上抜けできるか、そして6万ドルを維持できるかを軸に値動きを追うのが分かりやすいでしょう。次の大きな材料は、来週予定される米ISMやインフレ指標となります。
まとめ
足元のビットコインは、弱い米6月雇用統計を受けて利下げ観測が復活し、金利とドルの低下を追い風に2日続伸して一時6万2000ドルを回復しました。
もっとも、日足では依然として移動平均線を下回る下落配列が続いており、現物ETFの流出や機関需要の鈍化といった上値を抑える要因も残っています。
短期的には、6万ドルを維持できるか、それとも6万1600〜6万2000ドルの抵抗を上抜けて反発を続けられるかが当面の分岐点です。本日は米国が休場で薄商いとなりやすいため、テクニカルの節目を軸に、値動きの振れに注意しながら確認していきたいところです。
