bitFlyer Holdingsは6月30日、ルクセンブルク子会社のbitFlyer EUROPE S.A.が、EUの暗号資産規制「MiCA」に基づくCASP認可を取得したと発表しました。認可は6月26日付で、同日から有効です。これにより、同社はEU加盟27カ国全域で暗号資産(仮想通貨)サービスを提供できる体制を整えました。日本発の暗号資産取引所がMiCA下でCASP認可を得るのは初めてです。
認可を出したのは、ルクセンブルクの金融監督当局CSSFです。bitFlyer EUROPEはこれまで同国のVASP制度のもとで事業を行ってきましたが、MiCAの導入に合わせてCASPへ移行しました。機関投資家と個人投資家の双方に対し、暗号資産の売買や保管サービスを提供できる枠組みになります。
今回の意味は、1カ国ごとの登録ではなく、EU共通ルールの下で域内全体に展開できる点にあります。MiCAでは、1つの加盟国で認可を受けた事業者が「パスポート制度」を使って他の加盟国でもサービスを提供できます。取引所にとっては、国ごとに異なる規制へ個別対応する負担が軽くなり、利用者にとっては監督基準がそろった事業者を選びやすくなる構図です。
EU共通ライセンスが示す規制対応力
MiCAは、暗号資産市場向けのEU統一ルールとして2024年12月30日に全面適用されました。投資家保護、マネーロンダリング対策、ガバナンスの整備を求める内容で、移行期間の終了日は2026年7月1日です。期限直前の6月26日に認可を得たことで、bitFlyer EUROPEは新制度への切り替えを完了した形です。
bitFlyerは欧州での規制対応を段階的に積み上げてきました。2018年にはルクセンブルクでPayment Institutionライセンスを取得し、CSSFの監督下に入りました。その後、同国で初のVASP登録事業者となり、今回のCASP認可でMiCA体制へ接続しました。単発の認可取得ではなく、既存の金融ライセンスと暗号資産規制対応を重ねてきた経緯がうかがえます。
bitFlyer公式Xでも、EU規制下でのサービス提供が可能になったと告知しました。加納裕三CEOは「世界でも厳格な規制の一つとされるMiCAのもとで正式な認可を取得できたことを誇りに思う。日本で培ってきた規制遵守とセキュリティへの姿勢が欧州の規制当局にも通用することを示すもの」とコメントしています。自身のX投稿でも、「規制と正面から向き合う」姿勢が欧州でも認められたと記しました。
日本の交換業者にとって、海外展開は技術力だけでは進みにくい局面が続いてきました。各地域で求められる法令順守や内部管理の水準が高く、認可の有無が事業継続そのものを左右するためです。日本、米国、欧州という主要規制市場で拠点を持つbitFlyerにとって、今回のCASP認可は、サービス拡大のニュースであると同時に、規制対応力そのものを示す材料になりました。
参考元:bitflyer
