ロシア国家院(下院)は4月21日、暗号資産(仮想通貨)市場を包括的に規制する法案を第1読会で可決しました。賛成は340票中327票に達しました。法案は暗号資産を「財産」と位置付けたうえで、国内の商品・サービス決済を禁止し、対外貿易での利用は認める内容です。
暗号資産を「財産」と定義し、国内決済と対外取引を分ける
今回の法案で最も大きいのは、暗号資産を法的に「財産」と定義した点です。これにより、裁判や資産算定の場面で権利保護の対象として扱いやすくなります。
一方で、使い道には明確な線引きが設けられました。ロシア国内では、暗号資産を商品やサービスの支払いに使うことを禁じます。その半面、対外貿易の決済手段としては利用を認めます。
この設計は、暗号資産を日常の決済インフラとして広げるのではなく、国境をまたぐ取引に限って制度の中に取り込む内容です。制裁下で国際決済の選択肢が狭まるなか、対外取引向けの代替手段として法的な位置付けを与える動きです。
予算税制委員会の副委員長は、暗号資産を財産と定めたことで裁判での権利保護が可能になると説明したとみられます。同時に、匿名の両替所や無認可のブローカーを排除し、中央銀行の監督下に置かれた取引所、ブローカー、保管機関だけが市場に残る仕組みになるとしている。
中央銀行の監督を強め、個人取引に年間30万ルーブルの上限
法案は、市場参加者に中央銀行のライセンス取得を義務付けます。対象には取引所やブローカーなどが含まれ、無認可事業者の活動余地は大きく狭まります。
個人投資家にも制限がかかります。一般投資家の取引上限は年間30万ルーブルに設定され、足元の為替水準では約63万円に相当します。暗号資産市場への参加を全面的に禁じるのではなく、監督可能な範囲に収める内容です。
保管の仕組みも変わります。法案はデジタル保管機関の導入を盛り込み、個人ウォレットへの直接出金を制限します。利用者が自ら秘密鍵を管理する形よりも、認可を受けた保管機関を経由する形を広げる内容で、当局が資産移動を把握しやすい構造になります。
ロシアでは暗号資産をめぐり、利用を全面解禁するのではなく、国家の管理下に置いたうえで必要な用途に限って認める方向が鮮明になっています。今回の第1読会可決は、その線引きを法案の形で示したものです。
参考元:digitaltoday
