みずほフィナンシャルグループ、野村ホールディングス、日本証券クリアリング機構(JSCC)、Digital Asset Holdingsの4社は4月20日、日本国債(JGB)を活用したデジタル担保管理の実証実験を始めたと発表しました。
実験では、プライバシー保護型ブロックチェーン「Canton Network」を使い、24時間365日のリアルタイム担保取引を検証します。対象は日本の金融市場で中核的な担保資産である国債で、伝統金融の実務にブロックチェーンを組み込む国内事例として位置付けられます。
国債担保の常時処理を検証
今回の実証実験で扱うのは、金融商品売買に伴って差し入れる担保の管理です。日本国債は信用力が高く、市場参加者のあいだで広く担保として使われていますが、管理や受け渡しは既存の市場インフラや業務時間に依存する部分が大きく、即時性や越境対応には制約がありました。
4社は、みずほと野村が金融機関として参加し、JSCCが清算機関として実務面を担い、Digital AssetがCanton Networkを提供する構図です。国債の法的性質を維持したまま、既存インフラとブロックチェーンを組み合わせることで、リアルタイムでの担保取引が可能かを確かめます。
担保管理は、売買そのものより目立ちにくい一方で、市場の安定性を支える基盤です。ここが即時化されれば、取引成立後の資金や証券の手当てにかかる時間を短縮しやすくなり、海外市場との時差をまたぐ取引でも運用の柔軟性が増します。
JPXとJSCCは、今回の取り組みを担保管理の高度化に向けた実証と位置付けています。クロスボーダーの担保取引への対応も検証項目に含まれており、国内完結の業務フローを前提としてきた国債担保の扱いを、より広い市場接続へ拡張できるかが試されます。
RWAの文脈で進む金融インフラ接続
Canton Networkは、参加者ごとに必要な情報だけを共有できる設計を持つブロックチェーン基盤です。金融機関同士の取引では、透明性だけでなく秘匿性や権限管理も欠かせません。誰でも同じ情報を閲覧するパブリックチェーンとは異なり、実務で求められる情報管理に寄せた構造が採用されています。
そのため今回の実証は、暗号資産(仮想通貨)そのものの売買を広げる話というより、ブロックチェーンを金融市場の裏側にある台帳や担保管理へ持ち込む試みです。対象資産が日本国債である点も重要です。価格変動の大きい暗号資産ではなく、制度と流動性が確立した国債を使うことで、実市場インフラとの接続可能性を測りやすくなります。
参考元:日本経済新聞
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