4月1日から2日にかけての暗号資産(仮想通貨)市場は、地政学的な期待と失望が交錯する激しい値動きとなりました。1日はイラン戦争の早期終結観測を背景にリスク資産全般が買われ、ビットコインをはじめとする主要銘柄が上昇しました。
しかし、日本時間2日午前にトランプ米大統領が行ったテレビ演説で、市場が期待した早期終戦やホルムズ海峡の再開への言及がなく、軍事行動の継続が示唆されたことで市場心理は急転しました。
この事実売りの動きにより、暗号資産市場は上げ幅を打ち消す下落に転じています。
BTC・ETH・XRP上昇|トランプ氏の撤退発言で仮想通貨反発
ビットコイン、6万6800ドル付近へ急落

ビットコインは4月1日の始値付近である6万8200ドル台からスタートし、日中は終戦への期待感からじりじりと上昇しました。一時6万8800ドル付近まで上値を伸ばし、底堅い値動きを見せていました。
しかし、日本時間2日午前10時のトランプ大統領の演説直後から売り圧力が強まり、価格は急落しました。現在は6万6800ドル付近で推移しており、前日比で約2%の下落となっています。
市場は演説前の期待先行の買いから一転してリスクオフの姿勢を強めており、6万6000ドル台のサポートラインを維持できるかが当面の焦点です。
イーサリアム、2070ドル付近まで反落

イーサリアムもビットコインと同様に、1日は強い動きを見せました。
3月末の2000ドル付近から上昇基調となり、一時2140ドル台まで急伸しました。しかし、トランプ演説後の市場全体の急落に巻き込まれ、現在は2070ドル付近まで押し戻されています。
前日比では約3.2%の下落となっており、ビットコインよりもやや下げ幅が大きい状況です。
リップル、OCC最終規則発効も1.32ドル付近まで下落

リップルは1日、日足の長期移動平均線付近まで下落した後に反発し、1.35ドルから1.36ドル付近で推移していました。
4月1日にOCC(通貨監督庁)の最終規則が発効し、規制面でのクリアが意識されたことも支えとなりました。しかし、やはり演説後の全体相場の下落に引きずられ、現在は1.32ドル付近まで下落しています。
前日比で約1.9%のマイナスとなっており、現在は下降トレンドのチャネル内で推移しています。
トランプ氏の対イラン演説受け、仮想通貨市場が下落
今回の価格変動の最大の要因は、トランプ大統領のイランに関するテレビ演説です。
市場は演説前に「紛争は数週間以内に終結する」との観測を織り込んで買いを進めていましたが、実際の演説では「今後2〜3週間はイランを攻撃し続ける」と強硬な姿勢が示されました。
さらに、原油供給の要衝であるホルムズ海峡の再開についても明確な見通しが示されなかったことで、原油価格が再び105ドルを超えて急騰しました。
この結果、インフレの高止まりと景気減速が同時進行する「スタグフレーション」への懸念が再燃し、株安・ドル高・原油高のトリプルパンチが暗号資産市場の重しとなっています。
BTC6万6000ドル維持が焦点、地政学リスクを警戒
今後の市場は、地政学リスクの行方とインフレ動向に神経を尖らせる展開が予想されます。
ビットコインは直近のサポートである6万6000ドルを維持できるかが焦点です。上方向では、いったん失速した6万8000ドル台を回復できるかが戻りの強さを測るポイントになります。
イーサリアムは、足元で2070ドル前後まで押し戻されており、まずは2050ドル近辺を維持できるかが重要です。一方で、反発局面では2100ドル台を回復し、2140ドル付近まで戻せるかが上値の目安となります。
リップルは、現在の1.32ドル前後から下げ止まれるかが焦点です。反対に、1.35ドル台を回復できれば、地合い悪化前の水準へ戻す流れが意識されそうです。
また、マクロ経済指標やホルムズ海峡を巡る新たな動きは、株式市場や原油、ドル相場を通じて暗号資産市場にも影響を与える可能性があります。
引き続き、地政学関連のヘッドラインと原油価格の動向を注視する必要があります。
