Visaは7月16日、金融機関やフィンテック、決済事業者向けの企業用基盤「Visa Stablecoin Platform(VSP)」を発表しました。ステーブルコインの発行、償却、移動、管理をVisaの管理環境内で一元化する仕組みで、まずはOpen USDに対応します。
ベータ版は一部顧客向けに提供を始めており、既存の決済ネットワークと接続できる点が特徴です。暗号資産(仮想通貨)関連の機能を個別開発せずに業務システムへ組み込みやすくする動きとして位置付けられます。
VSPは、いわゆるウォレット機能も含めて提供する設計です。Wallet-as-a-Serviceを通じて、オンチェーンのウォレット基盤をパッケージ化し、利用企業はステーブルコインの保管や送金のための土台を自前で構築せずに使えます。
対応する主な機能は、Open USDの発行、償却、管理、送転です。Visaは先月公表されたOpen USDの枠組みに参加しており、この標準に沿ったステーブルコイン運用を最初の対応対象に据えました。Open USDには140社超が参画しており、複数の事業者が共通仕様で接続しやすくする狙いがあります。
VSPの機能と既存決済システムへの組み込み
VSPの特徴は、単にブロックチェーン上の操作をまとめるだけではない点にあります。Visaの既存ネットワークやリスク管理、不正対策機能と統合でき、企業がすでに使っている決済や財務システムに滑らかに組み込めるようにしたことが実務面での焦点です。
ステーブルコイン活用では、トークンを発行できるかどうか以上に、誰が承認し、どの操作が記録され、どの宛先に送れるのかといった運用管理が導入の障壁になりやすいです。VSPはこの部分に対し、複数人承認、詳細な監査ログ、パスキー、送付先の許可リストを備えます。資金移動を扱う企業が求める内部統制やセキュリティ要件を、ブロックチェーン対応と一体で提供する構成です。
Visaの最高製品・戦略責任者ジャック・フォレステル氏は、ステーブルコインが新たなプログラム可能なマネーの層を開きつつある一方、多くの機関にとって難しいのは概念ではなく運用の現実だとしたうえで、VSPによって顧客はVisaに期待してきた統制、セキュリティ、ネットワークの到達範囲を備えた単一の場所で、ステーブルコイン業務を発行、移動、管理できると述べました。
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