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米ニューハンプシャー州のビットコイン担保付き地方債|世界初のムーディーズ格付けを取得

2026年4月1日 13:35  Arai Yu

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米ニューハンプシャー州事業金融庁が発行を進める最大1億ドルのビットコイン担保付き収益債に対し、ムーディーズが3月31日付で暫定Ba2格付けを付与しました。ビットコインを担保とする地方債が、主要格付け機関の評価対象となった初の事例で、公的債券と暗号資産(仮想通貨)が伝統的な信用評価の枠組みで交差した形です。

対象となるのは、課税対象の収益債『Series 2026A-1』と『Series 2026A-2』の2本で、いずれも2029年満期の固定クーポン債です。2025年11月18日にNH BFAの理事会が債券構造を承認しており、今回の格付け取得で発行準備が一段進みました。

州の信用ではなく、ビットコイン担保で返済する限定責任型の地方債

今回の債券で特徴的なのは、州の一般財源や課税権が返済原資に含まれていない点です。
債務は『限定責任』の扱いで、投資家への元利払いは、あくまで担保として差し入れられたビットコインの売却代金に依存します。州の公的資金で穴埋めする設計ではなく、地方債の形を取りながら、信用の土台はビットコイン担保そのものに置かれています。

発行体はNH BFAですが、借り手は『NH Cleanspark Borrower Trust 2026-1』です。つまり、自治体のフルフェイスの信用力を前面に出す一般的な地方債とは異なり、資金の返済可能性は担保管理と価格変動への備えで測られる構造です。

ムーディーズのBa2は投資適格級を2段階下回る水準ですが、評価の対象が州の税収ではなく、値動きの大きい暗号資産を組み込んだ限定責任型の証券であることを踏まえると、この案件が既存の格付け手法に取り込まれた意味は小さくありません。

BitGoによる保管体制とLTV基準が信用力の土台

ビットコインはBitGo Bank & Trust, National Associationが分離管理されたコールドストレージで保管し、清算代理人はBitGo Prime, LLCが務めます。暗号資産を担保にした金融商品では、価格変動に加え、保管体制や処分手続きの確実性も信用力を左右します。今回の案件では、担保資産を発行体や借り手の他資産と切り離して管理し、必要時に売却へ移せる体制があらかじめ組み込まれています。

担保設計も具体的です。初期の担保倍率は1.60倍で、LTVが1.40倍に達した場合には強制償還が発動します。ムーディーズは分析上のアドバンスレートとして72.06%を採用しました。ビットコイン価格が下落しても一定の余裕を持たせ、担保価値が返済額に近づきすぎる前に売却や償還へ移る安全装置を設けた形です。

この債券は、自治体が最終的に支える一般的な地方債とは性格が異なります。投資家が見るべきなのは州の財政ではなく、担保管理の厳格さと清算ルールの明確さです。NH BFAは2025年11月の承認時点で、この案件を世界初のビットコイン担保付き地方債と位置付けていました。今回のムーディーズによる暫定格付け付与で、その構想は暗号資産業界内の話題にとどまらず、格付け機関が評価可能な公的債券スキームとして整理されたといえます。

参考元:bitcoin.com
画像:shutterstock

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