金融審議会が第3回暗号資産制度WGを開催、上場審査プロセスにも言及
会合の概要と目的
2025年9月29日、金融庁は金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ(WG)」の第3回会合を開催しました。
会合では、暗号資産を巡る制度のあり方について議論が行われ、特に上場審査プロセスや情報開示、技術監査の義務化といった具体的な規制案が提示されました。
この会合の目的は、既存の資金決済法を超えて、暗号資産を投資商品として位置づける方向性のもと、より厳格かつ実効性のある規制枠組みの設計を検討することにあります。
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議論の主な論点
暗号資産の投資商品としての規制
会合では、暗号資産を単なる支払手段としてではなく、投資商品としての性質を踏まえた規制が必要との認識が共有されました。
そのため、インサイダー取引規制や情報開示義務、違反時の罰則や調査権限の整備が議論されました。中央集権型と非中央集権型の区別
暗号資産を中央集権型と非中央集権型に分類し、それぞれに異なる開示義務を課す案も議題に上がりました。
中央集権型は発行体に対して、非中央集権型では取り扱う交換業者に対して情報提供を義務付ける方向です。
上場審査プロセスの見直し
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が自らの上場審査実務について説明を行い、2020年以降105銘柄が上場承認を受けた一方、20%以上が審査見送りとなった実績が示されました。
また、IEO(Initial Exchange Offering)の実績と課題にも触れられ、価格が初期販売価格を上回ることがなかった点や、価格下落のリスクがある点が指摘されました。
技術的監査とセキュリティ対策
暗号資産交換業者に対する第三者によるコード監査の義務化、及びセキュリティ体制の整備も議論されました。
過去のハッキング事例やサプライチェーン攻撃を教訓に、安全性の確保を制度的に担保する必要性が強調されました。
今後の制度化に向けた課題
制度導入と誤認リスク
規制導入により、ユーザーが「国のお墨付き」と誤解するリスクが指摘されています。そのため、制度は投資の安全性を保証するものではないことを明示する必要があります。
情報開示の難しさ
暗号資産特有の匿名性や分散性により、従来の金融商品と同様の情報開示や規制の適用が困難なケースが多く、制度設計には柔軟性が求められます。
技術基準とガイドラインのバランス
技術的な監査基準を法律で固定化することの硬直性を避けるため、ガイドライン形式で柔軟に対応する案も検討されています。
審査の透明性と信頼性
JVCEAの審査基準の明文化、審査結果の透明性、拒否理由の説明責任などが、制度化において不可欠とされています。これにより、事業者や投資家の信頼を高めることが期待されます。
国際制度との整合性
EUのMiCA規制など、国際的な規制との整合性を保つことも重要です。国内制度が過度に独自色を強めすぎると、国際的プロジェクトの参入障壁となる可能性があります。
まとめ
第3回WG会合は、暗号資産をより広範な金融制度の中に組み込むための第一歩といえる内容でした。特に、上場審査や情報開示、技術監査といった具体的な制度設計が議論されたことは、実効性のあるルール形成に向けた前進です。
ただし、暗号資産の分野は変化が速く、制度の形骸化を防ぐためには、法制度と運用の両面で柔軟性を持つ必要があります。規制がイノベーションの妨げとならないよう、段階的な導入やパイロット制度の活用が有効ではないかと考えます。
また、制度そのものよりも、それをどのように運用し、どのように透明性と説明責任を果たすかが、投資家保護と市場育成の鍵となるでしょう。今後の制度設計においては、形式よりも実効性を重視したアプローチが望まれます。
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