Weiss Ratings社がTetherの危険性を報告


暗号資産(仮想通貨)の格付けを行うWeiss Ratings社は12日、「Alert:The Danger of Tether」という題名でTether(USDT)の危険性を報告する記事を公開しました。

Weiss社が指摘したのは以下の3点です。

・Tetherの価値の証明に必要な資金が存在することへの裏付けが無い

・Tetherに対する監査ができていない

・Tetherの疑念に対し、Tether社は証拠による弁解ができていない

この結果、仮にTether(USDT)の価値が証明できなくなった場合、Weiss社は、市場に非常に大きな影響が出るだろうとしており、中でもTether(USDT)を基軸通貨として採用している取引所は危険だとしています。

Tether(USDT)とは?こちらでその仕組みをチェック↓

*2018年1月追記:1月31日現在、Tetherを発行するTether Limited社は米国商品先物取引委員会(CFTC)から招集を受けています。詳しくは「Tetherの仕組み」の章をお読みください。情報が入り次第更新いたします。目次Tether(USDT)とはUSDTのチャート!USDとなぜ差が出る?Tetherの問題点と将来性 Tetherの仕組みTetherのメリットTetherのデメリットTetherの購入方法!取引所紹介Tetherの保管方法!ウォレット紹介Tetherに関するQ&ATetherまとめ Tether(USDT)とは Tether(テザー)とは、Tether Limitedが運営する、ドルに固定されたペッグ通貨です。略号はUSDTで、1USDがほぼ1USDTになるように固定されています。 Tetherの問題点と将来性【コインパートナーの見解】 非常に強い中央集権と破綻リスク 他の暗号資産(仮想通貨)と違って、USDTは価格を固定するためにTether Limited社によって非常に強い中央集権体制で管理されています。 ですから、Tether Limited社が万が一不正を働いたり、破綻してしまうと一気に無価値になってしまいます。 このカウンターパーティー・リスクが他の通貨に比べてUSDTでは大きいので注意が必要です。 暗号資産(仮想通貨)市場で一番安定した利確先 Tetherは先ほど述べたように、1USDTがほぼ1USDとなるように固定されています。ですから、ビットコインやイーサリアムのようなメジャーな暗号資産(仮想通貨)でさえ大きく価格が変動するような荒れた相場でも、価値が安定しているのです。 そのため、安定した利確先として注目されています。 USDTはTether Limited社にUSDを納金することでのみ新規発行されるのですが、総発行量がこの半年で6000万USDTから6億USDTと、10倍になっていることからもその注目のされ方が伺えますね。 暗号資産(仮想通貨)市場における基軸通貨の一つとして扱われることもあります。 Tetherの仕組み Tetherの概要 Tetherは1USDTがほぼ1USDとなるように固定されており、Tether Limited社によって運営されています。 通貨名:USD Tether 通貨単位:USDT 公開日:2015年2月

 

Tether危機を乗り切る対応策は


Weiss社はTetherを基軸通貨として使っている取引所の例としてBinance、OKEx、Bitfinexを挙げています。その他にも、BittrexPoloniexといった海外の大手取引所もTetherを基軸通貨に採用しています。中でもBitfinexは、以前からTetherとの関係について報道されているため、注意するべきという旨が記事内に挙げられています。

Weiss社は、仮にTetherが成り立たなくなった場合、その取引量を踏まえると市場への影響は必至であるため、対応策を取ることが望ましいとしています。

具体的には4つの事柄を挙げており、

・Weiss社の格付けで高評価だった通貨を保有すること

・暗号資産(仮想通貨)を(特にTetherを使用している)取引所に置いたままにしない

・USDTとの取引を避ける

・今回のような混乱はこれまでも起こっており、これからも起きるであろうことを理解する

こうした上で、このような事態は実態に即していない通貨やプロジェクトを洗い出す良い機会となり、長期的に見れば暗号資産(仮想通貨)市場にとってはプラスの方向に働くものである、と結論付けています。


コインパートナーの見解


Tether(USDT)問題は1月頃から疑念が明るみに出始め、「監査法人フリードマン社との契約解除」「ウェルズファーゴなど米銀と提携解消」「米商品先物取引委員会による強制捜査」など、立て続けに悪材料が噴出しています。

今回のWeiss社の報告は、一連の流れの中では追い打ちとなり、暗号資産(仮想通貨)市場に再度冷え込みをもたらす可能性があると言えるでしょう。

Tether問題は未だ進行中であり、今後のTether社の動きに大きく左右されるため、今の段階では、最悪の状況を想定した上で必要な対応をとるのが妥当な形だと思われます。


 参考:Weiss Cryptocurrency Ratings cryptocurrency news



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