ビットコインの開発意義の1つに「少額決済・安い手数料・高速決済・高い安全性」を実現する次世代のデジタル決済手段を確立することが挙げられていた。
しかし、現実は違った。
ビットコインは投機の対象としてその興隆と衰退を辿り、社会に次世代の決済手段としての地位を確立することは叶わなかった。
その理由に、承認速度の遅さと処理速度の低さによる流動性の低さの問題(スケーラビリティ問題)が挙げられるが、その問題を解決する技術の1つに「ライトニングネットワーク」がある。
今、そのライトニングネットワークが急成長を遂げ、その利用数は半年で20倍以上になっている。
今回は、ビットコイン決済を実現するために必要な技術:ライトニングネットワークについて深掘りしていく。
ライトニングネットワークとは?ビットコインにsegwitが導入されたことで最近話題になっているライトニングネットワークですが、決済が早い!って情報しか知らない人も多いですよね。詳しい仕組みや問題点はないのか解説します!!!
ライトニングネットワークを通じて送信されたビットコイン(BTC)の総取引量は、2108年6月の25BTC未満から578BTCに急上昇していると、ブロックチェーン分析サイトP2SH.infoが報告している。
以下はbitcoin mainnet上のライトニングネットワークの数の推移を表す画像である。
(急増するLNでのBTC取引 出典:www.p2sh.info)
取引量増加の要因としては、日ごとにライトニングネットワークが成長していることが挙げられている。
現在のライトニングネットワーク内のチャネル数は22,000以上となっていると、ブロックチェーンスタートアップ会社の1MLが報告した。
さらにライトニングチャネルのチャネル数は、過去30日間だけで約36%増加しているほど活発に急成長を遂げている。
実際に活動している数を表すアクティブライトニングノードも同様に急上昇中である。
k(ライトニングネットワークの可視化したモデル 出典:https://1ml.com/visual/network)
2019年ライトニングネットワークの拡大と改善を促進させる秘訣は、「将来の支払い方法を変える」という信念を継続させていくことにあると、ビットコイン開発者であるDecker氏は述べている。
ライトニングネットワークが発展することで、1円以下の非常に少額の決済をスムーズに行うことができている。
実用性も日々向上しており、机上の空論ではなくなってきている。
ライトニングはキャパシティが足りずに送金できないという話なんだけど、本来用途の毎日コーヒーをかう3ドル程度の送金はもうほとんど失敗しないレベルに来ていて、ほぼ完全実用化したと言っていい。
— ビッグストーン Bigstone (@bigstonebtc) January 28, 2019
そしたら今度は大金をおくれないとかいう批判がきていて、批判するひとはなんでも批判するんだなと
開発者たちは、今後数ヶ月内にはネットワーク容量拡大を目的とした機能の開発を進めていく方針を明らかにしており、さらにビットコインの利便性が高まることが予想される。
ライトニングネットワークのチャネル・ノードの数は着実に増加していき、ネットワークは強化されているものの、活発化しているのは世界を見ても一部の地域のみだ。
世界地図上にノードを図示すると、ライトニングネットワークのノードは、北米とヨーロッパに集中していることが分かる。
理由としては考えられるのは、ビットコインの開発コミュニティーが活発化している地域にアクティブノードが集中していると考えられる。
実際、ライトニングネットワークのノードの分布とビットコインのノードマップは非常に似ている。
この状況を見る限り、まだ世界中に広がっているという印象は受けない。
(アクティブノードの分布 出典:https://explorer.acinq.co/)
ライトニングネットワークの開発をリードする、Decker氏とOsuntokun氏は、暗号資産(仮想通貨)メディアCoindeskのインタビューに答えている。
Decker氏は「独自の優先順位に従って、またそれらの機能に最適な範囲で、機能を並行して実装している。」と答えた。
今後の開発を語る中でOsuntokun氏は、「エンドユーザー(一般ユーザー)への最大の影響」を持っていると考えている5つ優先事項について言及した。
これらの機能の実装は、ビットコイン決済システムをよりスムーズ・快適にする。
ライトニングネットワークによって、ビットコインは悲願であった次世代の決済手段への階段を着々と登り進めている。
このまま、「少額決済・安い手数料・高速決済・高い安全性」を実現するデジタル決済手段として普及・定着することができれば、その需要も大きく拡大することだろう。
ライトニングネットワークの進展は、暗号資産(仮想通貨)が息を吹き返すための大きな一歩になりそうだ。
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著者: CoinPartner 編集部 yosuke_kida