フランス上院は10月27日、暗号資産(仮想通貨)の税務報告枠組み「CARF」に基づく多国間協定の批准法案921号を第1読会で修正なく可決した。2026年の取引データを対象に2027年から国際的な税務情報の自動交換が始まる手続きが進んだ形だ。
法案は次に国民議会で審議される。CARFは経済協力開発機構(OECD)が2022年に策定した国際基準で、暗号資産サービスプロバイダーが利用者の身元情報や税務上の居住地、取引数量、総額などを自国の税務当局に報告し、その情報を利用者の居住地国の当局と自動的に共有する仕組みだ。
フランスは2024年11月26日、パラグアイのアスンシオンでこの協定に署名していた。参加予定は77管轄区域で、このうちフランスを含む46管轄区域が2027年に第1陣として交換を始め、27管轄区域が2028年、4管轄区域が2029年に続く。
対象には、EUの暗号資産規制MiCAで定義されるトークンのほか、ステーブルコイン、一部の中央銀行デジタル通貨、デリバティブやファンドを通じた間接的な暗号資産エクスポージャーが含まれる。EU域内ではDAC8ですでに報告義務の枠組みがあるが、CARFによりEU域外のプラットフォームを通じた取引情報も共有対象に入る。
今回の法案は新たな税を設けるものではない。フランスで既存の30%一律課税や、国外に保有する暗号資産関連の口座・アカウントの申告に使う3916-bisフォームなどの申告義務は維持され、その執行を国際的な情報交換で補強する位置付けとなる。
日本でもCARF関連制度は2026年1月1日に施行済みだ。フランスの法案は上院通過段階で、法的効力の確定には国民議会での審議を経る必要がある。
参考元:Senat
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