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ビットコイン、6万3000ドル台へ上昇|米イラン緊張を織り込み続伸、ETF流出も底打ちの可能性

2026年7月10日 09:29  Arai Yu

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ビットコイン(BTC)は7月10日8時時点で6万3170ドルと、前日比+1.58%で取引されています。

直近24時間は、9日午前につけた6万1705ドルを安値に反発し、6万3000ドル台を回復しました。米国とイランの空爆をめぐる緊張が続くなかでも、市場はこれをほぼ織り込む形で底堅く推移しており、6月末の安値からは9営業日で約9%高となっています。市場が最も意識しているのは、地政学リスクに対する相場の耐性の強さです。

値動きの振り返り

直近24時間のBTCは、9日11時に24時間安値の6万1705ドルをつけたあと反発し、日中から夜にかけて6万2600〜6万3000ドルで底堅く推移しました。

夜間も買いが続き、10日3時に24時間高値の6万3500ドルをつけています。その後は6万3100〜6万3300ドルでの高値もみ合いとなり、8時時点では6万3170ドルとなっています。

6月30日に5万8000ドルを割り込む安値をつけて以降、相場は右肩上がりの回復基調が続いており、下値を切り上げる展開となっています。上値では6万3500ドル付近、下値では6万1700ドル付近が、それぞれ短期的に意識された格好です。

相場を動かした背景

米イラン緊張の一時緩和と市場の耐性

今回の上昇の背景にあるのは、地政学リスクに対する市場の織り込みと、直近の緊張緩和の兆しです。

米イラン情勢は、7月7日にトランプ大統領が「停戦は終了した」と発言し、8日には米軍がイランへの新たな空爆を実施するなど、緊張が再びエスカレートしました。この局面ではBTCも一時6万2000ドルを割り込む場面がありました。しかし直近では、トランプ氏が米イランの協議を「生産的だ」と述べて空爆を一時停止したと伝わり、原油価格は8〜11%急落しています。

BTCはこうした地政学ヘッドラインをほぼ無視する形で6万3000ドル台を維持し、上昇を続けました。一時的なリスクオフを経ても下値が堅く、緊張緩和の兆しで買いが優勢となっており、地政学リスクへの相場の耐性が強まっていることがうかがえます。

ビットコイン(BTC)テクニカル分析

日足チャート

日足では、現在値6万3171ドルがMA20(6万1883ドル)を明確に上回った一方、MA50(6万5704ドル)、MA100(7万0867ドル)、MA200(7万4270ドル)はまだ下回っています。6月末の安値からの回復で日足MA20を奪回しており、地合いは大きく改善しました。

中長期目線での上値メドはMA50が位置する6万5704ドル、下値メドはMA20の6万1883ドルです。次の関門は6万5700ドル前後のMA50で、ここを回復できれば戻りが本格化しやすい状況です。

4時間足チャート

4時間足では、現在値がMA20(6万2992ドル)、MA50(6万2523ドル)、MA100(6万1422ドル)、MA200(6万2587ドル)のすべてを上回っています。短中期の移動平均線をすべて上抜けており、地合いは強い形です。

押し目の支えとしては6万3000ドル前後のMA20が意識され、この水準を維持できるかが上昇継続のカギになります。上値の目安は6万3500ドル、その先は7月6日の高値6万4700ドルです。

1時間足チャート

1時間足でも、現在値がMA20(6万2962ドル)、MA50(6万2620ドル)、MA100(6万2992ドル)、MA200(6万2489ドル)のすべてを上回り、高値圏でのもみ合いが続いています。

短期トレーダーが当日見るべきラインは、6万3000ドル前後の移動平均線集中帯を維持できるかどうかです。維持できれば6万3500ドルの上抜けを試しやすく、割り込むと6万2500ドル付近までの調整が意識されます。

サポートは6万2900〜6万3000ドルと6万2489〜6万2620ドル、レジスタンスは6万3500ドルの24時間高値となります。

デリバティブ動向

OI・清算動向

未決済建玉(OI)はほぼ横ばいです。Binance先物では約24時間前の62.7億ドルから63.4億ドルへと、価格上昇でドル評価額はやや増えたものの、契約数はほとんど変わっていません。

注目したいのは需給の健全化です。小口投資家のロング/ショート比率は、7月1日時点の2.88から1.47へと大きく正常化し、過熱していた逆張りのロングが解消されました。一方、上位トレーダーの比率は1.40へ上昇し、ロング優勢を維持しています。資金調達率も+0.0096%とプラス幅が広がり、買い優勢が定着しつつあります。7月1日時点の極端な偏りは解消され、落ち着いた地合いでの上昇が続いています。

注目清算ライン

注目すべき清算ラインは、上方向が6万3500ドルから6万4700ドルにかけて、下方向が6万1705ドル割れから6万1000ドルにかけてです。ロング/ショート比率はグローバル口座ベースで1.4667、上位トレーダーの建玉ベースで1.3985となっています。

上値の6万3500〜6万4700ドルにはショートの清算が溜まりやすく、上抜け時には踏み上げで上昇が加速しやすい水準です。逆に6万1705ドルを割り込むと、戻りを試したロングの清算が意識されます。本日はデリバティブ取引所デリビットのオプション週次満期があり、短期的な値動きの振れには注意が必要です。

ETF動向

米現物BTC ETFのフローは、底打ちから流入と流出が交錯する局面にあります。6月下旬からの10営業日・約27億ドルの連続流出は7月2日に終了し、7月7日にはIBITも11営業日ぶりに流入へ転じました。直近3営業日の累計では約5.1億ドルの流入となっています。

ただし、7月8日は約8490万ドルの純流出、9日も小幅の流出に転じるなど、流入が完全に定着したとはいえません。フローが安定して流入へ向かうかどうかが、6月末からの反発が続くかを見極めるうえでの重要な手掛かりになります。

本日のデイトレ材料

本日は、米国の大型経済指標の確定した予定は確認できていません。イベントとしては、デリビットのBTCオプション週次満期が予定されており、満期の前後で短期的な値動きが振れやすい点に注意が必要です。今週すでに公表されたFOMC議事録はタカ派的な内容で、18人中9人の当局者が年内の利上げを見込んでいることが確認されており、市場はこれを消化しつつあります。

短期の市場テーマは、米イランの空爆一時停止がどこまで続くか、ETFのフローとクジラの買いが反発を支え続けられるか、という点です。米イラン情勢の続報には引き続き最大の注意を払いたいところです。来週は6月のCPIやPPI、主要銀行の決算が予定されており、相場の次の材料となります。次回のFOMCは7月28〜29日です。

上方向の焦点は6万3500ドルで、これを上抜ければ7月6日の高値6万4700ドル、その先はMA50が位置する6万5700ドルが視野に入ります。下方向の焦点は6万2900〜6万3000ドルの移動平均線集中帯で、ここを割り込むと6万2500ドル、さらに6万1705ドルが意識されます。短期トレーダーがまず見るべきは、6万3000ドルの維持と6万3500ドルの上抜け可否です。

まとめ

本日のBTCは、米イランの空爆をめぐる緊張が続くなかでも、これをほぼ織り込む形で6万3000ドル台へ続伸し、6月末の安値からの回復基調を維持しています。日足ではMA20を回復し、ETFフローの底打ちとクジラの買いが下値を支えるなど、地合いは改善しつつあります。

短期的には、6万3000ドルの維持と6万3500ドルの上抜けが上昇継続の条件となり、米イラン情勢の続報と、来週のCPIをはじめとする経済指標が相場の次の方向を決める分岐点となりそうです。地政学リスクへの耐性が確認されつつあるなかで、緊張緩和の流れが続くかに注目したい一日です。

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