
大阪府警は2026年3月、投資詐欺グループに代わって犯罪収益を資金洗浄したとして、男3人を組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕しました。3人は6都県の10人から集めた約1,400万円をステーブルコインなどに換え、資金の出所を隠した疑いが持たれています。
個人間で暗号資産(仮想通貨)を売買する「相対屋」として動いていたとされ、十数億円規模の資金洗浄に関与した疑いも浮上しています。
相対取引が資金の流れを見えにくくする
今回の事件では、取引所を通さない個人間取引が使われた点が特徴です。
3人は、投資詐欺で得た資金を受け取り、価格が法定通貨に連動するステーブルコインなどへ交換することで、資金の流れを見えにくくした疑いがあります。取引所を介す売買であれば、本人確認や取引記録が捜査の手がかりになりやすい一方、相対取引は当事者間で完結しやすく、追跡の難度が上がります。
ステーブルコインは、ブロックチェーン上で管理されるデジタル資産です。ビットコインのように価格変動が大きい資産と比べて価値が安定しやすく、送金も速いです。この性質は決済や送金の利便性を高める半面、犯罪収益を短時間で移し替える手段としても使われやすい構造を持ちます。
京都大学の岩下直行名誉教授は、「一度犯罪に使われると、捜査が非常に困難になる」と指摘しています。資金の移動自体はブロックチェーン上に記録されても、取引の前後で誰が現金を渡し、誰が受け取ったのかが分断されると、実体の解明は一気に難しくなります。
今回のように詐欺収益の交換先としてステーブルコインが使われれば、利便性の高さがそのまま匿名的な資金移動の補助線になりかねません。国内で実用化が広がるほど、発行体や交換業者、関連サービスにどこまで本人確認や取引監視を組み込めるかが、制度運用の重みを増していることを示した事件といえます。
参考元:news.jp
画像:shutterstock
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