5月18日から19日午前にかけての暗号資産(仮想通貨)市場は、地政学リスクの再燃を受けて全面安となりました。
トランプ大統領が日本時間18日朝にSNSで「clock is ticking」と発信しイランへの強硬姿勢を示すと、CME先物の取引開始にかけて売りが急速に膨らみ、暗号資産市場全体で約6.6億ドル超のロング清算が発生。BTC・ETH・XRPはそろって下落し、その後の対イラン軍事行動一時停止の表明でも戻りは限定的でした。
ビットコイン、価格7万7000ドル前後で軟調|トランプ氏の対イラン強硬発言で下落
ビットコイン、7万6000ドル台まで下落

BTC/USDT 4時間足チャート
ビットコインは期間序盤の7万8500ドル付近から水準を切り下げ、トランプ氏のSNS発信を受けて売りが加速しました。
米CME先物の取引開始にかけて数時間で約2.4%下げ、7万7000ドル付近まで急落。対イラン軍事行動の一時停止表明で下げ止まりを試す場面もありましたが戻りは限定的で、19日早朝に7万6487ドルまで下押し、11時30分時点では7万6655ドル前後で推移しています。4月30日以来の安値圏での取引が続いています。
イーサリアム、2100ドル割れで下落

ETH/USDT 4時間足チャート
イーサリアムは期間序盤に2192ドル付近で取引されていましたが、BTCの下落と歩調を合わせて軟化し、24h変化率では約-3.6%と3銘柄のなかで最も大きな下落率となりました。
CME先物時間以降の売りで2100ドルの節目を割り込み、19日午前時点では2107ドル前後と、24h安値2096ドル付近からの戻りは小幅にとどまっています。
リップル、1.43ドル付近から1.39ドル台へ下落

XRP/USDT 4時間足チャート
XRPも全面安の流れに巻き込まれ、期間序盤の1.43ドル付近から5月19日にかけて1.39ドル台まで下落しました。
24h変化率は約-1.5%、過去7日では-5.7%とBTC・ETHほどの急変ではないものの上値の重さが目立ち、1.40ドルの節目を割り込んだ後の戻りも限定的です。19日午前時点でも1.39ドル前後で推移しています。
トランプ氏「clock is ticking」発言で中東情勢が再燃、原油急騰がリスクオフを加速
期間入りまでの市場では、湾岸諸国を中心とした外交努力により中東情勢の沈静化が織り込まれていました。
しかしトランプ大統領が「時計の針は進んでいる」とイランを牽制し、「速やかに動かなければ何も残らない」と軍事行動を示唆したことで流れが一変。ブレント原油は一時1バレル112ドル超まで急騰し、暗号資産市場では約6.6億ドル超のロング清算が発生しました。
直後にサウジアラビア等の要請で軍事行動の一時停止が表明され売り一巡となったものの、警戒感は残ったままで戻りの鈍さに反映されています。
次の焦点は中東情勢の続報と米議会の戦争権限投票
今後1週間は中東情勢の続報が引き続き最大の材料となります。米議会では大統領の戦争権限を巡る投票が予定されており、結果次第ではボラティリティが再び高まる可能性があります。
原油価格の動向はインフレ期待を通じてFRBの利下げ判断にも影響し得るため、当面はマクロ環境とのリンクを意識した値動きが続きそうです。
価格面ではBTCが7万5000ドルの地政学防衛ラインを維持できるか、ETHが2000ドル割れを回避できるか、XRPが1.40ドル奪回を試せるかが当面の焦点となります。
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