ビットコイン(BTC)は5月19日朝の時点で、7万7000ドル前後の軟調な水準で推移しています。直近24時間は、米日曜夜に飛び込んだトランプ米大統領の対イラン強硬発言を引き金に、7万8000ドル台から7万6000ドル台へと急落する展開となりました。
市場で特に意識されたのは、中東情勢の緊張再燃という即時のリスクオフ材料であり、テクニカルやマクロよりも地政学が短期相場の主役に立った1日でした。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間の高値は7万8000ドル台、安値は7万6000ドル台前半にあたります。日本時間18日朝までは7万8000ドル台で堅調に推移していましたが、米日曜夜にトランプ大統領がSNSでイランに対して「彼らが急がなければ何も残らない」とする強い警告を投稿。これを受けて日本時間18日昼以降にリスク資産売りが波及し、米国時間月曜午前には7万7000ドルを明確に割り込み、一時7万6000ドル台前半まで下押ししました。
戻りの動きは鈍く、その後も7万7000ドル前後でのもみ合いが続いています。短期的には7万6000ドル付近で買い戻しが入りやすかった一方、戻り局面では7万8000ドル前後が上値を抑えるラインとして意識されました。
相場を動かした背景
トランプ大統領の対イラン強硬発言
今回の下落のトリガーは、トランプ大統領による対イラン強硬発言です。米メディアの整理によれば、ワシントンでは政権内で対イラン軍事オプションの検討が進んでいるとの観測も並行して伝わっており、市場はこれを単発のレトリックではなく、実際の軍事行動リスクとして織り込み始めた可能性があります。
ホルムズ海峡情勢への懸念からブレント原油は一時1バレル112ドルを超え、株式先物も上値の重い展開となりました。BTCはこの「リスクオフ+原油高」の組み合わせの中で、ヘッジ資産というよりはリスク資産としての側面が強く意識され、7万8000ドル台から7万6000ドル台への急落につながったとみられます。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足では、200日移動平均線が集中する8万2000〜8万2500ドル付近の上値抵抗を抜けられなかったことが、今回の下押しに先行する重要なポイントです。価格は依然として200日線の下に位置しており、中長期では戻り売り優勢の構造が続いています。
上値メドはまず8万1500ドル、その上の8万2000〜8万2500ドルの200日線ゾーンです。下値メドは7万5000ドル、これを割り込めば6万5000ドルが視野に入ります。RSIは低下しており短期的な反発の余地はあるものの、トレンド転換のためにはまず200日線奪回が前提条件となります。
4時間足チャート分析

4時間足では、地政学リスクの再燃を受けて大陰線で7万7000ドルを割り込み、その後の戻りも弱い展開です。短中期は下目線が優勢で、直近の戻り高値である7万8000ドル前後を回復できるかが、戻り売りの継続かショートカバー反発かを分ける分岐点になります。
上値メドは7万8000ドル、その上に8万1500ドル。下値メドは7万5000ドル、その下に7万4200ドルです。戻り売りの目線では、7万8000ドル接近で売り圧力が強まりやすい水準とみられます。
1時間足チャート分析

1時間足では、レンジ下放れ後に7万6000〜7万7500ドルの狭いレンジでの推移が中心となっています。短期トレーダーが当日見るべきラインは、上は7万8000ドル、下は7万5000ドル、軸は7万7000ドルです。
サポートは7万6000ドル、その下7万5000ドル。レジスタンスは7万7500ドル、その上7万8000ドルです。7万8000ドル回復で買い戻し優勢、7万5000ドル割れで地政学リスクの再評価による下値拡大が意識されやすい局面です。
デリバティブ動向
OI・清算動向
直近24時間でのクリプト全体の清算規模は約6.6億〜7.2億ドル規模に達し、その大半がロング清算でした。一部の整理では清算規模が前日比で5倍程度に急増しており、ヘッドラインを契機にロングが大幅に整理されたとみられます。
OIはレバレッジ縮小方向に動いた可能性が高く、ロングの強制決済が下落そのものをさらに加速させた、いわゆる下方向の流動性スイープの色合いが強い1日でした。ヘッドラインドリブンの局面が続く間は、突発的な戻し・突っ込みの両方に注意が必要で、薄商いの時間帯にスプレッドが広がりやすい点にも留意したい場面です。
注目清算ライン

注目すべき清算ラインの集中ゾーンは、上方向では7万8000ドルから上のショート、下方向では7万5000ドル割れに残るロングです。
価格が7万8000ドルへ接近する場合はショートカバー主導の上振れ、7万5000ドル割れの場合はロングの連鎖清算による下値拡大が起こりやすく、いずれの方向に振れても短時間でのボラティリティ拡大が想定されます。逆指値の設定はこれらのライン付近を明確に避ける配置が望ましい局面です。
ETF動向
米現物BTC ETFの5月18日分の単日フローは基準時刻時点で未開示ですが、足元では流出基調に転じる動きが目立っています。5月7日には約2.7億ドルの単日流出が確認されており、6週連続で続いていた純流入トレンドはいったん反転している格好です。
機関による短期的なエクスポージャー縮小がスポット需要を弱め、地政学売りに対するクッション役を限定的にしたとみられます。中期的にも、ETFフローが再び安定的な流入に戻るかどうかが、200日線奪回シナリオの実現性を測るうえで重要なポイントです。
本日のデイトレ注目材料
本日5月19日(火)に予定されている主要な米経済指標は、20日(水)に4月FOMC議事要旨の公表を控えており、火曜セッション全般はそのポジション調整がテーマになりやすい1日です。短期市場テーマとしては、中東情勢(トランプ・イラン)の続報と原油・株式のリスクオン/オフが最優先で、議事要旨待ちの様子見ムードと併存する流れが見込まれます。
上方向の焦点は7万8000ドルで、ここを奪回できればショートカバー主導で8万1500ドル試しが視野に入ります。下方向の焦点は7万5000ドルで、割れた場合はロング清算連鎖から7万4200ドル、その下に6万5000ドルが意識される構図です。
短期トレーダーが本日見るべきラインは、軸の7万7000ドル、上限の7万8000ドル、下限の7万5000ドルの3本です。
まとめ
本日のBTC相場で短期的に注目すべきポイントは、トランプ・イラン情勢の続報と、7万5000ドル〜7万8000ドルのレンジ攻防の行方です。
地政学リスクが主役である以上、テクニカルや指標よりもヘッドラインに対する反応速度が問われやすい1日になりそうです。
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