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サム・アルトマン氏のWorld、東京大学と国内初提携|AI時代のなりすまし対策を強化へ

2026年4月20日 16:43  4月20日 16:44  Arai Yu

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サム・アルトマン氏が共同創業者兼会長を務めるWorldを展開するTools for Humanity(TFH)は4月20日、東京大学大学院工学系研究科の松尾・岩澤研究室と産学連携を始めると発表しました。国内で初めての学術提携で、匿名化マルチパーティ計算(AMPC)の領域でも日本初の連携となります。

AIの普及でオンライン上の相手が人間かAIか見分けにくくなるなか、人間であることを証明するデジタルID基盤の整備を進めます。東京大学はWorldネットワークの5番目のパートナーノードにも加わるとみられます。

AI時代に求められる人間証明

今回の提携は、暗号資産(仮想通貨)プロジェクトとして知られてきたWorldの位置付けを、日本では「人間証明」のインフラへと引き寄せる動きです。主眼はトークンや価格ではなく、AI時代の本人性確認にあります。

生成AIの性能向上で、文章、音声、画像のいずれも人間と見分けにくい水準に近づいています。オンラインサービスでは、相手が実在する個人なのか、自動化されたAIなのかを確かめる作業そのものが難しくなりつつあります。こうした状況に対し、Worldは「人間であること」だけを証明し、個人の詳細情報はできるだけ明かさない仕組みを広げようとしています。

松尾豊教授は、画面の向こうにいるのが人間かAIか判別できない状況が現実になっていると指摘しました。そのうえで、グローバルに通用する人間証明の仕組みが不可欠だとし、Worldの取り組みはAI時代に安心して技術を活用するための基盤となり得ると位置付けました。

提携先として東京大学が加わった意味も小さくありません。Worldネットワークのパートナーノードとしては5番目とみられ、海外大学に続く参加となります。民間サービスの導入にとどまらず、学術研究の文脈で検証や発展が進む余地が広がった形です。

虹彩認証とゼロ知識証明で本人確認を実現

Worldの人間証明は、専用デバイス「Orb」を使った虹彩認証を起点にしています。利用者は初回のみ設置場所を訪れ、虹彩情報をもとに「World ID」を取得します。ブロックチェーン技術とゼロ知識証明を組み合わせることで、本人であることを示しながら、氏名などの情報を相手側に渡さずに認証できる設計です。

この仕組みは、身分証のコピーを何度も提出する方式とは性格が異なります。サービス側が必要とするのは「この人が実在する一人の人間かどうか」という確認であり、住所や年齢などの広い個人情報ではありません。なりすまし対策を強めながら、情報の持ち過ぎを避ける発想が組み込まれています。

国内ではOrbの設置が東京や神奈川など約200カ所まで広がっています。直近のアップデートではゼロ知識証明を活用した本人確認機能を打ち出し、マッチングアプリ「Tinder」との連携も進めています。出会い系やSNSのように、相手の実在性が体験の質を左右するサービスでは、こうした認証基盤の有無が利用環境そのものを変える可能性があります。

TFH日本代表の牧野友衛氏は、今回の提携の出発点として、2024年にTFHのアレックス・ブラニアCEOが来日し、松尾氏を訪問したことを挙げました。日本ではすでに利用拠点の整備が進んでおり、研究連携が加わったことで、実装と検証の両面から展開が進む構図になっています。

参考元:松尾研究室公式資料

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