台湾金融監督委員会は暗号資産(仮想通貨)監視にあたって、従来のように過度の制限はかけない方針であるとの意向を示しています。規制当局は暗号資産(仮想通貨)関連技術の開発に対してオープンな姿勢を保ちながら、主にアンチマネーロンダリングポリシーの試行に焦点を当てているようです。

仮想通貨推進の鍵はマネーロンダリング対策

​台北の執行権力が依然として暗号資産(仮想通貨)とICOの新たな規制を検討していることから、台湾の金融監督当局の代表はフィンテック産業の進展を遅らせるつもりがないという意向を示しています。金融監督委員会(FSC)は主にマネーロンダリング対策の試行を監督するという大事な業務の1つに焦点を当てており、暗号資産(仮想通貨)に伴う革新を引き続き歓迎する姿勢です。木曜日に開かれた記者会見においてSherri Chuang銀行局副局長​は「金融監督委員会は開発状況を監視し、早期成長が妨げられないようにすることを望んでいます。」と述べました。タイペイ・タイムズに引用されたところによると、同氏は以下のような発言もしています。

委員会はオープンな姿勢を保ち、業界でのどんな革新でも歓迎します。

Chuang氏はまた、現段階で商品として分類されている暗号資産(仮想通貨)及びICOによって発行されたトークンは、現在委員会の管轄下にはないとも述べました。規制当局はデジタル資産によるマネーロンダリング防止にのみ関与しており、そのことはメディアの前でも公表されています。そしてChuang氏は規制当局の関与がマネーロンダリング防止のみに限定されているリース金融会社と当局とで状況を比較しました。

また、委員会の別の代表者である証券先物局のChien Hung-ming委員長​によると、ICOは台湾での規制の赤線を超えていないとのことです。同氏は規制当局がそれぞれのトークン販売の資金調達の見通しを検討することに主眼をおいていることを明記した上で、各々の資金調達についてはケースバイケースで評価されると説明しました。金融監督委員会はそれぞれの通貨発行を評価して、その暗号資産(仮想通貨)がセキュリティ商品かバーチャル商品のどちらであるかを判断すると同氏は付け加えています。このことに関して、金融監督委員会の関係者は「どのケースもそれぞれ異なるため、広い意味で定義することは非常に難しい。」と指摘しています。

中国とは異なった方針を持つ模様

行政院、すなわち台湾政府は未だに暗号資産(仮想通貨)とICOの包括的な規制を未だに採用していません。4月には台湾高官が2018年11月までに各立法の枠組みを画定して導入するべきであると述べたとBitcoin.comは報道しました。台湾の法務大臣であるQiu Taisan​氏の声明によると、政府は暗号資産(仮想通貨)の規制システムの開発を金融監督委員会に課そうとしているようで、内務省捜査局及び台湾中央銀行が支持することが期待されています。

主にマネーロンダリングの観点で以前からビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)が懸念の対象になっていますが、これまで見てきた通り台湾は暗号資産(仮想通貨)を厳重に制限するつもりはないようです。実際金融監督委員会のWellington Koo​会長は昨年、中国で実施されているような規制を台湾では行わないということを確認しています。そして今年4月の早い段階で台湾中央銀行は、現行のアンチマネーロンダリング法の下で暗号資産(仮想通貨)の規制に賛成することを通知しました。さらに新任理事であるであるYang Chin-long​氏は、法務省はROCのマネーロンダリング規制法の範囲にビットコインを含めるべきだと提案しました。​

コインパートナーの見解

​まず留意しておきたい点として、ここで言われている規制とは暗号資産(仮想通貨)利用の制限を意味するのではなく、むしろ利用するにあたってのルールという意味合いを持っているということです。そのように考えると台湾では金融界全体が暗号資産(仮想通貨)開発に対して否定的な姿勢ではないことが分かるでしょう。似たケースとして韓国ではキャッシュレス社会実現へ向けてのブロックチェーン技術開発が鍵になっていますが、台湾の今後の動きを考える上ではマネーロンダリング対策というのが第一の注目ポイントになっていきます。