Facebookは国際送金プラットフォーム用の仮想通貨を開発中

Facebookはクロスボーダー決済でRippleに競争を仕掛けるようです。クロスボーダー決済とは複数の国が国境を超えて取引を行うことであり、近年ではXRPを用いた高速の国際送金が注目を集めていました。ソーシャルメディアの大手企業はこれに対抗して、数十億人のユーザーが手間のかからない国境を超えた取引決済ができる暗号資産(仮想通貨)を創る研究を開始しました。

あるFacebook関係者(匿名希望)は「我々はこの件に関して非常に真剣である」と述べており、Ripple社をはじめとする国境を超えた送金オプションの開発をしている企業の脅威になるかもしれません。また、別のFacebook幹部らは「Facebookは独自の暗号資産(仮想通貨)を開発するためにブロックチェーン技術と暗号資産(仮想通貨)プラットフォームを買収する必要がある」と語っています。ことの発端は今年初めに起こったケンブリッジ・アナリティカ事件を受けてZuckerberg​ CEOが暗号資産(仮想通貨)を「中央集権システムの支配から人々を解放する」として重要性を認識したことでした。

しかし、同CEOは暗号資産(仮想通貨)の制御をするのが難しくなることへ懸念を抱いており「私はこれらの技術のプラスとマイナスの側面、そしてサービスに置いてどのように使うのがベストかを深く研究することに非常に興味があります。」と述べています。

そしてMessengerユニット長であるDavid Marcus​氏が会社内のブロックチェーン事業全てを担当しています。同氏はビットコインに初期から投資しており、2017年にはCoinbaseの役員に就任するなど暗号資産(仮想通貨)への精通度は企業内随一です。

Facebook広報担当者は今週初めに「他の多くの企業と同じようにFacebookはブロックチェーン技術の力を活用する方法を模索しています。新しく発足したチームは小さいですが様々なアプリケーションを試作する予定です。今の段階で言えるのはここまでですが。」と発言しています。

また、Zuckerberg​氏が決議を発表してから間も無く、Facebookは暗号資産(仮想通貨)関連の広告を取り除き始めましたがこれは暗号資産(仮想通貨)に反対しているからではなく、偽のICOによって詐欺に遭うユーザーが出ないようにする目的のためです。

コインパートナーの見解

今週水曜日に取り上げたFacebookのニュースと深い関連があります。以前の記事を発行する段階ではブロックチェーン研究チーム設立までしか判明していませんでしたが、今回は国際送金用の暗号資産(仮想通貨)の開発という、より具体的な事業計画が明らかになりました。CEOをはじめとして関係者からは暗号資産(仮想通貨)に対する肯定の声が多数上がっており、企業としての本気度は十分にあるようです。

Facebookの暗号資産(仮想通貨)ということもあって仮に発行された場合には時価総額は飛躍的に大きくなるでしょう。また、事業計画の内容からRippleとの関連性にも目が離せません。今後の動き方次第では暗号資産(仮想通貨)全体を動かすビッグニュースとなる可能性があるのではないでしょうか。以下のニュースと合わせてFacebookの今後の動きには注目していきましょう。

Messenger責任者がブロックチェーン研究チームを立ち上げる​​​今日、暗号資産(仮想通貨)に関して矛盾した意見が混在するにもかかわらず、多くの企業はDLT(分散型台帳技術)をインフラ改善のための手段として利用しようとしています。例えばテクノロジーによって新しい形の社会を作り上げる二大巨頭としてMicrosoftとFacebookが挙がりますが、両社共にブロックチェーン技術をベースとした開発に投資を行なっています。その中でも今回はFacebookがブロックチェーン研究部門を立ち上げたことが大きく話題になっています。ことの始まりは今年3月に、ケンブリッジ・アナリティカ社がFacebookユーザーデータを保持して政治的に利用している疑惑が立ったことでした。騒動後に行われた会社の運営方針に関する重役会議を受けて、Mark Zuckerberg​氏は現在の状況説明と何百万人ものユーザーの安全を保証する約束を行いました。IT系の記事を中心にまとめたニュースサイトのRecodeによると、同社は現在「アプリファミリー」グループ・中央製造サービスチーム・新プラットフォーム及びインフラ部門という三つのセクションを設置しているようです。そして同サイトは5月8日にFacebookが新しいブロックチェーン部門を作ったと報道しました。既にCoinbaseと提携をしており、責任者はDavid Marcus氏が務めています。Marcus氏はPaypalの元社長でZong、Echovox、GTN Telecom​などの今では有名な新興企業の創始者でもあります。現在はFacebook messengerのユニット長で技術開発に実績と定評があることから抜擢されました。このニュースに関して同氏は以下のようなツイートをしており、Facebookでは決意表明も行なってます。Time for a new challenge! After four amazing years leading Messenger, I'm going to setup a small group to explore how to best leverage Blockchain for Facebook. I will miss my fierce Messenger team, but I'm excited