​モネロがアフリカで取引が可能に​


​暗号資産(仮想通貨)市場においても高い地位にあり、取引高も12位の通貨モネロ(XMR)がアフリカでも取引可能になりました。​モネロはリング署名という技術を利用した匿名性に特化した暗号資産(仮想通貨)で、2014年に開発されました。

4月26日に南アフリカ共和国に拠点を置くiceCUBED-X​ (ICE³X)という取引所が、そのプラットフォームにモネロを追加することを決定しました。iceCUBED-X​ ​は南アフリカ共和国以外にもナイジェリアとイギリスにも拠点があり、モネロ以外にもビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)​、ダッシュ(DASH)、ドージコイン(DOGE)、イーサリアム(ETH)、​ライトコイン(LTC)、ジーキャッシュ(ZEC)の7種類14ペアを扱っています。モネロに関して、取引可能ペアはXMR/ZARとXMR/BTCです。ZARは南アフリカ共和国の通貨である「ランド(Rand)」を表します。

XMR/BTCの取引は4月27日から取引可能となっており、XMR/ZARは5月1日から可能となる予定です。またキャンペーンとして5月31日までは、XMR/BTCの取引においては手数料が無料になりますので、もの好きな方はiceCUBED-Xに登録して取引してみるのもいいかもしれません(笑)

iceCUBED-X​​のCEOは次のように述べています。

我々は、モネロをビットコインとは根本的に異なってはいるものの、実世界での使用にたえ、どういうわけかビットコインが作られた際の「元のアイディア」により近い通貨だと考えています。ユーザーニーズと安全安心な取引環境とのバランスは継続的に改善していて、今からしばらくの間は、モネロの追加はロードマップ上に存在し続けます。今後は市場の動向をうかがい、モネロの地位を盤石にしていきたいと考えています。

Source: https://ice3x.co.za/launch-monero-trading-south-africa/

モネロの実用性を認め、その取引環境を整備していくと述べています。

またスキャムであるとも言われているMoneroVについては、iceCUBED-X​側は

私たちは、MoneroVへのハードフォークに関する開発については注視していくつもりです。MoneroVは未来のiceCUBED-Xでサポートを儲けるということは可能性としてはありえないことではありません。ハードフォーク後にMoneroVを受け取るには、モネロの残高を秘密鍵を自分で管理しているウォレットに送金してください。​

Source: https://ice3x.co.za/launch-monero-trading-south-africa/

と述べているので対策は進んでいるようです。

コインパートナーの見解

まずなぜモネロのが南アの取引所で扱われるようになったのかについてですが、これは南アがアフリカの中で比較的先進的であること、イスラム教の影響が少ないことが要因でしょう。イスラム教では投機対象となる暗号資産(仮想通貨)に風当たりが強く、先日中東のイランでは中央銀行が暗号資産(仮想通貨)の使用を禁止しました。アフリカでの暗号資産(仮想通貨)の普及では①国家の先進性②イスラム教の影響を鑑みる必要があると思います。

しかしアフリカというと暗号資産(仮想通貨)を始めとしたテクノロジーとは疎遠な世界のように思われますが、意外と我々の抱くイメージほどのような状況ではないようです。基地局を建てるだけで通信環境を構築できる携帯電話は瞬く間に普及し、ケニアとタンザニア​では携帯一つで利用できるM-Pesaと呼ばれる送金サービスが低所得層でも利用されるようになり、都市の出稼ぎ労働者などが地方の家族に低額の手数料で送金できるようになったという事実もあります。また国際開発学の世界では、貧困層はテクノロジーに対して潜在的ニーズを持っているとも言われています。アフリカは12億人の人口を抱える一大市場なんです。

また、アフリカにはジンバブエのように政府への信頼の低さからインフレが進行するような国もあります。

このような状況の中で、暗号資産(仮想通貨)が①送金手段として、さらには②基軸通貨として、流通するようになる日も近いのかもしれません。

モネロのみならず、アフリカでの暗号資産(仮想通貨)をめぐる状況の変化、ひいてはフィンテックの進展には注目すべきでしょう。