中国の反仮想通貨体制を象徴する事件

中国の警察は電力を不正に使用したという報告に基づいて600のビットコインマイニング機械を押収したとの報道がありました。

中国の都市である天津ではかつて大量のマイニング作業が行われていましたが、同市は現在暗号資産(仮想通貨)市場の取り締まりを​行なっています。新華社通信は「マイニング機会に加えて八つの冷却器も押収された」と報道しており、さらにアメリカのニュース専門放送局であるCNBCは「この電力不正使用は近年最大の盗難事件だ。」と述べています。

ことの発端は昨年九月、中国当局は同国の暗号資産(仮想通貨)市場を排除するための決定的な措置をとったことにあります。その結果暗号資産(仮想通貨)取引やマイニング活動が禁止され、海外へ拠点を移したり倒産する企業が相次ぎました。今回の天津事件では5人が捜査中で一人は既に拘束されているとのことです。そもそもビットコインのマイニング機械の使用はここ数年で物議を醸し出しており、その理由としては莫大な電力を消費するからです。そのため多くのマイナーは安価に電気を使用できる場所を探すのに必死になっています。ところがそうすることによって市民のために使う用の電力までもマイニングで消費してしまうため問題になっています。

三月に行われた調査によるとマイニングのためにもっとも電気代がかかる国は韓国となっており、1BTCをマイニングするのに26,170$もの金額がかかってしまします。これに続いて高額な国は南太平洋の島国のニウエ(Nueue)バーレーンクック諸島が代表例であり、それぞれ17,566$、16,733$、15,861$と続きます。

逆にもっとも安い国はベネズエラで1BTCのマイニングにかかる費用はわずか531$です。以降にはトリニダード・トバゴウズベキスタンウクライナミャンマーと続きます。

このニュースで特筆すべきことは中国の暗号資産(仮想通貨)市場を国内から排除しようとする意思が依然として浮かび上がっていることにあります。一月のロイター通信の報道によると、中央銀行である中国人民銀行(PBoC)はインターネット金融グループに対して通貨当局は地方政府にビットコインの生産を抑えるためにマイニングでの電力消費量に制限をかける指示をしていることを伝えました。


コインパートナーの見解

​今回の事件では

・マイニングには膨大な電気代がかかる

・中国は暗号資産(仮想通貨)に対して否定的な立場をとっている

という暗号資産(仮想通貨)業界が抱える代表的なな問題点二つが浮き彫りとなりました。前者に関しては同様に電気の不正利用を行なっているユーザーが検挙される可能性があり、その結果マイニングが制限され暗号資産(仮想通貨)の流通量に大きな影響を与えるかもしれません

また、中国の暗号資産(仮想通貨)規制には業界全体が頭を悩ませています。中国が取引所を全面的に閉鎖したことによりBTCが大暴落を起こすなど同国の行動による影響力は計り知れません。今回のニュースが業界全体への向かい風とならないことを願うばかりです。