リップルが中央集権的ってどういうこと?」「中央集権的だと、何か悪いことでもあるの?」

そうお悩みではありませんか?

「とにかく分かりやすく説明して欲しい!」

そんな方のために、リップルの仕組みから分かる中央集権的である理由を解説します!そして、中央集権的だから悪いことばかりが起きるわけではありません。中央集権的だからこそ生じるメリット・デメリットまで、徹底的に解明します!

リップルをより深く理解して、その将来性について考えるために、この記事がお役に立てば幸いです。

リップル(XRP)が中央集権と言われる理由

リップルは暗号資産(仮想通貨)なのにどうして中央集権と言われるのでしょうか?

実は、リップルは暗号資産(仮想通貨)の中では珍しくRipple.inc(以下 リップル社)という会社によって管理されています。

結論から言うと、現状ではリップルはリップル社の中央集権的です!ここではその背景・理由を詳しく説明していきます。

説明の大まかな流れは下のようになります。

リップル(XRP)が中央集権的と言われる理由

  • リップル社が大量のXRPを保有する
  • サーバーの運営をリップル社が行う
  • リップル社が取引承認の大きな権利を握る

リップル社が大量のXRPを保有する

リップル社は、総発行枚数1000億枚のうち、630億枚を保有しています。これはもちろん、全ユーザーの中で最大の保有枚数です。

リップル社が大量に保有するリップルを、一気に売却してしまった場合、リップルは大暴落を起こします。

こうした売り逃げに対する、投資家からの不安を解消するために、リップル社はロックアップを行なっています。630億XRPのうち、90%にあたる550億XRPを第三者(エスクロー)に預けて、売却できなくしています。そして、2018年1月以降、毎月10億XRPずつロックアップを解除する、という計画です。

量を制限しているとはいえ、価格への大きな影響力をリップル社が持っているのは変わりません。

サーバーの運営をリップル社が行う

ビットコインの取引は「ブロックチェーン」によって管理されている、というのはご存知だと思います。

<ブロックチェーンについて詳しく知らないという方はコチラ>

ブロックチェーンの仕組みを知っていますか?ビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)で広く用いられているのに、きちんと知っている人は意外と少ないです。初心者向けの簡単な説明から始めて、他のサイトではなかなか教えてくれない細かい仕組みまで教えます!

ブロックチェーンの場合、全ノードは平等で、参加者全員でブロックチェーンを管理していました。特定のサーバー等ではなく、世界中のサーバーで分散的に管理されています。

リップルではブロックチェーンではなく、XRPレジャーという台帳システムを使用しています。そして、そのXRPレジャーなどのサーバー運営・管理しているのはリップル社なのです。

暗号資産(仮想通貨)はネットワーク上に存在するものです。その土台であるサーバーをリップル社が運営しているというのは"中央集権的"と言わざるを得ません。

リップル社が取引承認の大きな権利を握る

リップルは暗号資産(仮想通貨)でありながら、リップル社が取引承認の大きな権利を握っています。理由を、順を追って説明していきます。

ユニークノードリスト(UNL)だけが承認を行う

まず、リップルネットワーク参加者は、Validator=承認ノード(validating node)トラッキングノード(tacking node)に分類されます。

UNL(Validator)しかXRPレジャーを更新できない

トラッキングノードは、リップルネットワーク参加者全部が持つ肩書きです。XRPレジャーに登録する前の取引情報を、別のトラッキングノードに伝える役割を持ちます。

それに対して、Validatorは、リップルネットワークのほんの一部が持つ肩書きです。取引情報を承認しXRPレジャーに記録する役割を持ちます。そして、承認ノードの一覧を、ユニークノードリスト(UNL)といいます。

 

取引の承認・記録は、「リップルを誰がどれだけ持っているか」を決定する重要な役割です。ビットコインブロックチェーンでは、マイニングに成功さえすれば、全ノードに取引承認が認められていました。

しかし、リップルではユニークノードリストに登録されないとその役割を持つことができません。この点で、リップルでは、全ノードの機会が平等ではないということができます。

UNLの選定をリップル社が行う

次に、取引承認という重要な役割を持つUNLが、どのように決定されているのか、というのが極めて重要なポイントです。

実は、UNLを実質管理しているのもリップル社なのです。「ユーザ間で自由に選べる」と言ってはいますが、実際はリップル社が推奨ユーザのようなものを作成し、実際にそこに票が集まっています。

さらに、そのように選ぶノードの中には、リップル社が自社で管理しているノードも含まれます

承認ノードとユニークノードリストの関係

上の画像は、承認ノード中に占めるリップル社の自社ノードの割合を示したものです。ユニークノードリストのの39%は自社ノードになっています。つまり

このような背景から「リップル社がXRPの取引承認の特権を握っている!」と言われています。

<リップルの仕組みや目的など、もっと詳しく知りたい!と言う方はコチラ>

リップルを買ってみたはいいけど、どんな暗号資産(仮想通貨)なのかよく分かってないなんてことはありませんか?リップラーと呼ばれる方も数多くいるほどの人気を誇り、あのグーグルも出資されています。いま世界でもっとも注目されている暗号資産(仮想通貨)をあらゆる面から解説!

リップル(XRP)が中央集権的である3つのメリット

暗号資産(仮想通貨)の一般論では「中央集権」=「悪」と考えられています。しかし、リップルは"あえて中央集権的"なシステムを導入しました。そこには理由があるはずです。

ここでは、リップルが中央集権的であることによって得られた3つのメリットをご紹介します。

決済速度が4秒と極めて早い

リップル社公式ページによると、XRPではたった4秒で送金が決済されます。また、毎秒1500件の取引を処理することができます。

通貨名 決済速度 取引処理数
リップル(XRP) 4秒 1500件/秒
ビットコイン(BTC) 1時間以上 15件/秒
イーサリアム(ETH) 2分以上 3~6件/秒

代表的暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン・イーサリアムと比べて決済の処理能力でとても優れていることが分かります。

送金手数料が安い

2つ目のメリットは、送金手数料の安さです。XRPでは、平均0.16円で送金を行うことができます。

通貨名 送金手数料(2018/11/17)
リップル(XRP) 0.16円
ビットコイン(BTC) 52円
イーサリアム(ETH) 15円

ビットコインにおける送金手数料の高騰は、一時期大きな問題になりました。

それに対してリップルでは極めて少額手数料で送金を行えます。

マイニングによる環境負荷がない

決済速度、送金手数料の共通の理由でもあるのですが、リップルではマイニングを行いません。

<マイニングについてまとめた記事はこちら>

暗号資産(仮想通貨)にある程度興味のある方なら、マイニングという言葉を一度は聞いたことがあると思います。けど、その仕組みがどうなってるのかってちゃんと理解していますか?仕組みを知りたい方、実際にマイニングで稼いでみたい方は必見です!

ブロックチェーンを利用したビットコインでは、計算量の競争こそが取引承認(PoW)の実態でした。競争が激化するほど、消費する電力は大きくなります。ビットコインが拡大してきた今、マイニングによる環境負荷は大きな原因となっています。

それに対して、リップルでは、少数のValidatorだけが取引承認(PoC)を行なっています。電力を必要以上に消費することがありません。

リップル(XRP)が中央集権的である2つのデメリット

中央集権的なデメリット

リップルが中央集権的であるからこそ生じた2つのデメリットをご紹介します。

リップル社への信頼が必要になる

リップル社が、大量のXRPの所有権、サーバーの運営権、取引承認の特権を握っていることを説明しました。どれもが、リップルネットワークの信頼性に大きく影響するものです。

つまり、リップルへの信頼は、リップル社への信頼と切り離せません。

リップル社が価格操作や不正取引を行い信頼を失ったら、リップルの価値は一気に落ちます。

証券に登録される危険性がある

ビットコインやイーサリアムが、有価証券かどうか、というの大きな論争が起きています。

ビットコインはSECによって正式に「有価証券でない」と明言されましたが、イーサリアムについては未だ議論中です。

また、ICOに対しては、SECは未認可証券として違反判決を下しました。

SECはICOによって発行されたトークンを未認可証券とした、発行元への罰金及び返済保証の合意を締結しました。以前はプロジェクトに問題があったICOですが、発行したトークンに問題があると判決された初の事例となっています。

リップルも強い疑いに曝され続けています。ビットコインが疑いを逃れた一番の理由は、その非中央集権性だと言われています。

現在、疑いに対して、リップル社は反論していますが、そもそもSECはリップル社の中央集権性に注目しているので、反論は無意味でしょう。

証券に分類されると、SECの監視下に入り、米国内のほとんどの暗号資産(仮想通貨)取引所で扱えなくなるなどのデメリットがあります。

<証券(セキュリティトークン)に登録されることについてまとめた記事はコチラ!> 

 

リップル(XRP)と中央集権まとめ

リップルが中央集権と呼ばれる理由、そしてそのメリット・デメリットについてまとめてきました。いかがでしたでしょうか?

リップル(XRP)と中央集権まとめ

  • リップル(XRP)はリップル社の中央集権
  • メリットとして、決済の高速化・減額を実現
  • デメリットとして、信頼の面で不安が存在

リップルは現状、リップル社の中央集権的であることは確実です。しかし、デメリットばかりではありません。良い面・悪い面両方を知った上で、リップルの将来性について考えてみて下さい!