仮想通貨市場は着実な成長を遂げているものの、一部の市場内の人々のみが賑わう「内輪感」が拭えないのが現状だ。 将来的に仮想通貨が浸透していくためにはどうすれば良いのか。 2019年の第1四半期のファンダニュースを中心に現状分析と考察を行なった。

仮想通貨市場は着実に成長している

まず、2019年第1四半期の仮想通貨市場は断続的に成長し続けたことに疑いの余地はないだろう。 特に、リップルの躍進には目を見張るものがある。 国際送金の即時化・コスト削減というメリットがあるため、世界各国の金融機関がリップルネットワークの導入を画策している最中にある。 中には既にリップル製品を国際送金に使用しているケースもあり、仮想通貨市場において実用性という観点から一歩リードしていると言えるだろう。
仮想通貨リップルを決済手段として利用するためのインフラ整備が、今進んでいる。金融サービスアプリSpendを利用することで、180ヶ国4000万以上の場所でXRP支払いが可能になった。
世界的為替交換企業であるMercury FXは、リップルのxRapidを国際送金に使用するとDecrypt紙が発表。 リップルからしてみてもMercury FXに使用されることは、多くの顧客を獲得できるチャンスにつながるだろう
リップルの他にも、仮想通貨を支払い手段として実用化する動きも活発になってきている。 つい先日発表された、仮想通貨によるSuicaチャージや人気コンテンツ(NetflixAirbnb)でのビットコイン決済導入がその代表例だ。 いずれのサービスにおいても簡易性・即時性が大きな特徴となっていることから、大手機関の中での注目度が非常に高くなっている。

成長の一方で市場の盛り上がりは「内輪」に

大手の企業が仮想通貨技術や決済の導入を始めているものの、社会的に見るとその盛り上がりは閉鎖的なのが現実だ。 Googleで仮想通貨関連ワードの検索ボリュームは価格と強い相関を示しており、大暴落が起こった2018年以降は低空飛行が続いている。 金融業界の専門家の発言等を軸にして、盛り上がりにかける理由として以下の2点を列挙することができる。 ・一般金融市場からの信頼度の低さ ・既存の金融機関との折り合いの悪さ

金融市場からの不信感が拭えず

仮想通貨市場の盛り上がりにかける理由として、金融市場からの不信感が拭いきれていないことが第一に挙げられる。 特に、2018年1月に起こったCoinCheckのNEM流出事件が決定的だったと言えよう。 不信感を反映するかの如く2018年は仮想通貨価格が下落していった。 仮想通貨技術は従来の金融体系を根本から変える技術である上にオンライン管理が基本なので、セキュリティの不安が募るのは必然である。 また、仮想通貨の市場規模が小さいことも不信感を積もっている一因だろう。 イギリス中央銀行総裁であるMark Carney氏は仮想通貨のマーケット額がGDPの1%に満たないことを指摘。 「仮想通貨は金銭として機能しない」と辛辣なコメントを残している。 その他にも多くの経済専門家が素性の不透明性・セキュリティ脆弱性などを理由に仮想通貨に否定的な立場を取っている。

金融機関との相性が非常に悪い仮想通貨

仮想通貨はこれまでの金融体系を根本から変える技術であるが、裏を返すと従来の金融機関の存在価値を奪いとってしまうことになる。 特に、自国通貨の管理を担う中央銀行からの向かい風は非常に強い。 仮想通貨の台頭によるシームレスな金融環境が整備されると、極端な話各国が自国通貨を持つ意味はなくなってしまう。 そうなった場合の中央銀行の役割はどこにあるだろうか。 このような政治的な理由も仮想通貨に対してネガティブな要素となっている。

今後仮想通貨が浸透するためには

それでは、仮想通貨が一般社会に浸透するためにはどうすれば良いのだろうか。最優先は上記に挙げた2つの課題を解決することだ。 市場への信頼感に関しては、まずは安全性の保証が第一に取り組むべき課題だろう。 CoinCheck事件の影響の大きさが安全性が重要であることを示している。 仮想通貨知識が0に近い一般市民の警戒を解く意味でも、資産盗難や犯罪への悪用リスクはできる限り減らすべきだ。 金融機関との折り合いに関しては、法規制がこの先大きく貢献すると考えている。 日本において、現在の政府の指針は「規制のための環境整備だ。つまり、実用以前のルール作りの段階にあるという訳である。 今後仮想通貨事業が問題なく運用していくには、法による環境整備が必要不可欠だろう。 また、法律は信頼度の担保になるという意味でも非常に大きな役割となるはずだ。