トランプ米政権が設立を進める『戦略的ビットコイン準備金』が、省庁間の主導権争いと法的権限の不確実性で停滞していることが分かりました。2025年3月の大統領令では財務省内への設置が指示されていましたが、実際の運用段階では財務省と商務省の間で管轄を巡る対立が生じています。計画は、政府が押収したビットコインを基盤に据える構想で、新規取得も財政負担を増やさない条件付きとされていました。
大統領令『Establishment of the Strategic Bitcoin Reserve and United States Digital Asset Stockpile』は、財務長官に対し、財務省内に戦略的ビットコイン準備金のためのオフィスを設けるよう命じました。対象となるのは、刑事・民事の没収手続きで政府が取得したビットコインで、これを集約して保有する仕組みです。
同令は、そのビットコインを売却しない方針も明記しました。準備金は事実上、政府が保有する押収済みの暗号資産(仮想通貨)を長期保有する枠組みとして設計されていました。
一方で、追加取得については自由な買い増しを認めたわけではありません。財務長官と商務長官に対し、納税者に追加コストを生じさせない『budget neutral』な方法で取得戦略を検討するよう求めていました。
大統領令と実務のずれ
7月6日のBloomberg報道では、この構想が実務段階で行き詰まっている実態が伝えられました。争点になっているのは、準備金を誰が管理するのかという管轄の問題と、そもそも財務省にその法的管理権限があるのかという点です。
当初の設計では財務省が中心になるはずでしたが、実際には商務省も主導権を求めているとされます。政策の看板は大統領令で示されていても、押収資産の移管や管理には既存の法制度との整合が必要になり、命令文だけでは処理しきれない部分が表面化した格好です。
今回の停滞は、ビットコインを国家準備資産として扱う構想が、政治的な打ち出しだけでは進まないことを映しています。押収資産を集約して保有するだけでも、どの省庁が法的責任を負い、どの権限で管理するのかを明確にする必要があり、大統領令の文言と行政実務の間に隔たりが残っています。
参考元:whitehouse
画像:Shutterstock
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