中国人民銀行は6月29日、3000億元規模のオーバーナイト・リバースレポ操作を実施しました。翌日物の公開市場操作を導入するのは初めてで、銀行システムの短期資金需要に対応する措置です。ビットコインが6万ドル近辺で推移する局面と重なり、短期流動性の増加が暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産の資金環境を下支えするかが意識されています。
今回の措置は、中国の金融市場で資金需要が高まりやすい半期末、四半期末のタイミングに合わせたものです。人民銀行は従来の7日物リバースレポに加え、より短い翌日物を使うことで、日々の資金繰りに近い部分へ直接手当てする形をとりました。
リバースレポは、中央銀行が市場から証券を買い入れる代わりに資金を供給し、一定期間後に売り戻す仕組みです。銀行にとっては短期の資金調達手段が増えることになり、資金逼迫による金利上昇を抑えやすくなります。今回の規模は3000億元で、ドル換算では約441億ドルに相当します。市場では金利水準が1.25%程度と伝えられています。
こうした流動性供給が意識されるのは、余裕資金が増える局面では投資家のリスク許容度が改善しやすいためです。中央銀行が直接ビットコインを支えるわけではありませんが、金融システム全体の資金繰りが安定すると、株式やコモディティと同様に、暗号資産にも資金が向かいやすくなるという見方があります。
短期資金供給の拡大が示すもの
今回のオーバーナイト操作は、景気刺激策というより、短期市場のゆがみを抑えるための機動的な対応として位置付けられます。7日物だけでは吸収しきれないごく短い資金需要に対し、翌日物を新たに加えたことで、人民銀行が資金供給の刻みを細かくした格好です。
ビットコイン市場にとって重要なのは、価格を直接押し上げる材料かどうかより、世界の主要市場で流動性が引き締まるのか、緩むのかを測る物差しになる点です。足元でビットコインは6万ドル近辺を維持しており、こうした局面で中国の短期資金供給が確認されたことは、リスク資産全体の地合いを読むうえで無視しにくい材料になっています。
中国では暗号資産そのものへの規制と、金融システムへの流動性供給は別の話として扱う必要があります。今回の発表が示したのは、人民銀行が期末の資金需要に対し、公開市場操作を通じて短期資金を供給したという事実です。
参考元:pricepredictions
