ビットコイン(BTC)は2026年6月2日8時時点で7万1536ドル前後で推移しています。24時間の騰落率はマイナス2.73%で、節目とされてきた7万2000ドルを割り込みました。直近24時間で市場が最も強く意識したのは、ビットコイン保有で知られるStrategyが2022年12月以来初めてビットコインを売却したというニュースです。
売却額そのものは小さいものの、同社が掲げてきた「売らない」という前提が崩れたことがセンチメントを冷やし、レバレッジ取引の巻き戻しと重なって下げが加速しました。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
24時間の高値は7万4092ドル、安値は7万0687ドル(市場全体のアグリゲートでは7万0574ドルまで下押し)でした。6月1日の取引序盤は7万4000ドル台で堅調に始まりましたが、Strategyによる8-K開示が伝わると、アジア時間の後場から欧州・米国時間にかけて売りが強まり、7万2000ドルを明確に割り込みました。
下落の過程で7万0687ドル前後まで下げた後、現在は7万1000ドル台を回復して7万1500ドル前後でもみ合っています。7万1000ドルを割り込んだのは4月13日以来で、およそ7週間ぶりの安値水準となりました。短期的には7万2000ドル、7万1000ドル、7万0000ドルといった節目が意識される展開です。
相場を動かした背景
Strategyの2022年以来初のBTC売却
相場を動かしたメイン要因は、Strategyによる初のビットコイン売却です。同社は6月1日の8-K(臨時報告書)で、5月26日から31日にかけて32BTCを平均7万7135ドルで売却し、約250万ドルを調達したことを開示しました。
これは2022年12月以来、公表ベースでは初めての売却で、調達資金は優先株の配当原資に充てられるとされています。売却後の保有量は843,706BTCで、売却分は保有全体から見ればごくわずかであり、アナリストの間でも規模としては「重要性は乏しい」との見方で一致しています。
それでも市場が敏感に反応したのは、最高経営責任者のフォン・リー氏とマイケル・セイラー氏が第1四半期決算で「絶対に売らない」という従来の姿勢から、1株あたりのビットコイン価値を高めるための柔軟な資本配分へと方針を転換させる姿勢を示していた経緯があり、今回の売却がその象徴と受け止められたためです。
テクニカル分析
日足チャート分析

日足チャートでは、7万2000ドルを明確に割り込み、約7週間ぶりの安値水準へと弱含みました。アナリストは8万2000〜8万3000ドルの月間レジスタンスを既に拒否したと指摘しており、当面は戻り売りが優勢な地合いとみられます。
中長期では、上値メドとして日足終値で7万8000ドルを上抜けられるかが上昇加速の分岐点となり、下値メドとしては7万1000ドルの維持が焦点です。
4時間足チャート分析

4時間足チャートでは、高値・安値を切り下げる下降基調が続いています。アナリストは7万1000〜7万3000ドルを「死守すべきゾーン」と位置づけており、この帯域を維持できるかが押し目買いと戻り売りの判断材料になります。7万3000ドル付近の戻りが売りに押される一方、7万1000ドル前後では買い戻しが入りやすい状況です。
1時間足チャート分析

1時間足チャートでは、7万0687ドル前後(市場全体では7万0574ドル)で下げ止まり、その後7万1000ドル台を回復してもみ合う短期トレンドとなっています。短期トレーダーが当日見るべきラインとしては、上値で7万2000ドルの奪回可否、下値で7万1000ドルの維持可否が分岐点です。サポートは7万1000ドルと7万0000ドル、レジスタンスは7万2000ドルと7万3000ドルが意識されます。
デリバティブ動向
OI・清算動向
直近24時間の暗号資産全体の清算額は約6億2700万ドルに達しました。このうちビットコイン関連は約2億7500万ドルで、その約95%にあたる約2億6200万ドルがロングの清算でした。
全体でもロングの清算は約4億7800万ドルにのぼります。さらに下落が加速した局面では、1時間で約9300万ドルの先物ポジションが清算され、その95%がロングでした。24時間の清算額が5億ドルを超えたのは1週間で2例目で、レバレッジをかけたロングの投げ売りが下げを加速させた構図です。
なお、OIや資金調達率、ロング・ショート比率の具体的な数値は今回未取得ですが、ロングに偏った清算が続いた点は短期トレード上の注意点といえます。
注目清算ライン

注目すべき清算ラインとして、下値では7万0000〜7万1000ドルの節目割れでロング清算の連鎖が起きやすく、警戒が必要です。逆に上値で7万2000ドルを奪回する場面では、ショートの踏み上げによる急な戻りが入りやすくなります。節目前後ではボラティリティが高まりやすいため、当日は急変動に注意したい局面です。
ETF動向
米現物ビットコインETFは流出基調が続いています。5月は月間で約24.3億ドルの純流出となり、2026年で最大を記録しました。流入か流出かでいえば明確な流出で、この継続的な資金流出が機関需要の後退を示し、ビットコインの上値を重くする主因の一つとなっています。なお6月1日単日の確定フローは未取得です。
本日のデイトレ注目材料
米国の経済指標では、日本時間6月2日23時に4月分のJOLTS求人件数(市場予想は6.8M前後)が発表されます。労働需給の強弱が利下げ観測に影響し、ドルや金利を通じてビットコインにも波及し得るため、結果に注意が必要です。要人発言ではFRBのカシュカリ総裁、ハマック総裁の発言が同日に予定されており、利下げを巡るトーンが手掛かりになります。さらに週末の6月5日21時30分には5月の米雇用統計が控えており、今週後半に向けては雇用関連データが最大の焦点となります。
短期の市場テーマとしては、Strategyの売却が一過性で終わるのか今後の方針転換のシグナルなのかという思惑、ETF資金フローの流出継続か反転か、そして地政学リスクの緩和有無が挙げられます。上方向の焦点は7万2000ドルで、ここを回復できればショート買い戻しを巻き込んで7万3000ドルへ向かう余地があります。下方向の焦点は7万1000ドルで、アナリストが「今後数カ月の鍵」とする水準であり、ここを明確に割り込むと安心感が薄れ、7万0000ドルを試す展開に警戒が必要です。短期トレーダーが本日見るべきラインは、下値防衛の7万1000ドルと、上値回復の起点となる7万2000ドルです。
まとめ
本日のビットコイン相場で短期的に注目すべきは、Strategyの初売却で揺らいだセンチメントが落ち着くかどうかと、7万1000ドルの死守ラインを維持できるかという点です。ロングに偏った清算が一巡し、7万2000ドルを回復できるかが目先の分岐点となりそうです。今夜のJOLTSと週末の雇用統計を控え、節目前後では急な値動きに注意して臨みたいところです。
