ビットコインの採掘を主力としてきた上場マイニング企業が、AIや高性能計算向けのデータセンター事業へ軸足を移し始めています。業界ではAI/HPC関連の契約総額が700億ドル超に達し、Core ScientificやCipher Mining、IREN、Riot、TeraWulfなどが相次いでホスティング案件を打ち出しています。
ビットコイン1BTCの生産で約19,000ドルの損失が出る採算環境が続くなか、既存の電力契約や土地、冷却設備を生かせるAIインフラが新たな収益源として浮上しています。
採掘よりAIホスティングが稼げる構図
転換を後押ししているのは、収益性の差です。AIホスティングは1MWhあたり200〜500ドルの収益を見込める一方、ビットコインマイニングは57〜129ドルにとどまる水準が示されています。電力を大量に使うという点では似た事業でも、同じ1単位の電力から得られる売上は大きく異なります。
採掘専業モデルの厳しさは、上場マイナーの損益にも表れています。上場ビットコインマイナーは1BTC生産あたり約19,000ドルの損失を計上しており、保有するビットコインを売却して転換資金を確保する動きも出ています。
この変化は、単なる新規事業の追加ではありません。マイニング企業が持つ送電網への接続、広い用地、冷却設備、電力調達契約といった資産が、AIデータセンターの受け皿としてそのまま使いやすいことが大きいです。採掘設備は暗号資産向けの計算に特化していますが、施設インフラそのものはAI計算需要にも転用しやすく、事業モデルの組み替えが進みやすい構造にあります。
業界全体のAI/HPC契約は700億ドル超に積み上がっています。一部企業では、収益の中心が採掘からホスティングへ移る可能性も指摘されていますが、個社ごとの正確なAI収益比率はなお限定的です。
これまでマイニング企業の競争力は、どれだけ安い電力を確保し、効率よく採掘機を動かせるかで決まりました。足元では、その電力インフラをAI計算需要に振り向けられるかが企業価値を左右し始めています。採掘機を並べる施設が、GPUサーバーを収容するデータセンターへ姿を変えつつある格好です。
参考元:coindesk
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