ビットコイン(BTC)は5月13日朝の時点で8万0389ドル前後で推移しています。直近24時間では一時8万2000ドル付近を試したものの、米4月CPIが市場予想を上振れたことで年内の利下げ期待が後退し、米国時間にかけて7万9820ドルまで急落しました。
市場の主軸は「上振れたインフレ指標を受けた利下げ後退観測」に明確に移っており、本日21:30 JSTに発表される4月PPIで同じ流れが続くかが問われる局面です。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間のBTCは、アジア時間から欧州前半にかけて8万2000ドル付近を再トライしましたが上抜けに失敗しました。21:30 JSTの米4月CPI発表(前年比3.8%、市場予想3.7%、前月比0.6%)を受けて売りが加速し、米国時間後場には24時間安値となる7万9820ドルまで下げ幅を広げる展開となりました。
その後7万9800〜8万0000ドル帯で買い戻しが入り、現在は8万ドル前後で戻りを試しています。市場参加者の意識は、200日EMAが位置する上値の8万2000ドル前後と、心理的節目である8万ドル割れの攻防に集中しています。
相場を動かした背景
米4月CPIの上振れと利下げ期待の後退
今回の下落の主因は、米4月CPIが前年比3.8%(市場予想3.7%)、前月比0.6%と上振れたことです。エネルギー価格、特にガソリン価格の上昇が押し上げ要因とされ、年内の利下げ観測がさらに後退しました。CPI発表直後にBTCは8万2000ドル付近から一気に売り込まれ、ドル高・実質金利上昇を通じてリスク資産全般に売りが波及した形です。
イラン停戦危機を巡る地政学リスクの再燃
トランプ大統領が米イラン停戦について「massive life support(命の危機にある)」状態と発言したことも、CPI後の下げを加速させた一因とみられます。地政学リスクの再燃自体に加え、エネルギー価格上昇を通じてインフレ圧力にも繋がる構図であるため、CPI上振れと相互に補強し合う材料として機能しました。
パウエル議長の任期満了とウォーシュ氏の議長承認投票
中期的な背景としては、パウエルFRB議長の任期が5月15日(金)で満了することと、後任候補のケビン・ウォーシュ氏に対するFRB議長承認投票が水曜日中にも上院本会議で実施される見通しという報道があります。FRB体制変更を巡る不透明感が、金利見通しを通じてマクロ全体のリスク許容度を抑えた可能性があります。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足では200日EMA 約8万2130ドルに上値を抑えられて反落する動きが続いています。価格自体は50日EMA 約7万6248ドル、100日EMA 約7万6647ドルの上で推移しており、中期目線で完全な弱気とは言えませんが、200日EMAを上抜けない限り戻り売り優勢が続きやすい局面です。
RSIは約61、MACDは小幅にプラス圏で推移しています。中長期の上値メドは200日EMAの8万2000ドル、その先は61.8%フィボリトレースメントの8万3400ドル。下値メドは50%フィボの7万8900ドル、その下は50日・100日EMAが集まる7万6500ドル前後が意識されやすい水準です。
4時間足チャート分析

4時間足では8万2000ドルでの戻り売りが連続して入っており、CPI発表後に高値切り下げの形で下抜けたチャートが明確になっています。
直近では7万9800〜8万0000ドル帯で下げ止まり、押し目で買い戻しが入っている状況です。中期の戻りメドは8万1200ドル、その上が8万2000ドル。下値メドは7万9800ドルと7万8900ドルが意識されやすい水準です。
1時間足チャート分析

1時間足ではCPI発表後の下落で下降チャネルが形成され、その内側での戻りが続いています。短期サポートは7万9800ドルと7万9000ドル、短期レジスタンスは8万0500ドルと8万1200ドルです。短期トレーダーが本日特に見るべきラインは、上方向の8万0500ドル突破か、下方向の7万9800ドル割れのいずれかになります。
デリバティブ動向
OIと清算動向
BTC先物の未決済建玉(OI)は約601億ドルと2026年高水準を更新しています。直近24時間ではBTC先物だけで約6550万ドル、暗号資産全体ではロング中心に約2億8000万ドル規模の清算が発生し、うちロング清算は約2億3200万ドルに達しました。
CPI発表直後にレバレッジロングが集中清算され、価格を8万2000ドルから8万ドル割れまで一気に押し下げた構図です。OIが膨らむ一方で資金調達率はマイナス圏に沈むケースも観測されており、強気ポジションの揺らぎが指摘されています。短期トレード上は、レバレッジを控えた運用が無難な水準と言えます。
注目清算ラインの集中ゾーン

注目すべき清算ラインは、上方向では8万2000〜8万3000ドル帯にショート清算が集中、下方向では7万9000〜7万8000ドル帯にロング清算が集中しています。
価格が8万ドルを明確に割り込んで加速する場合は、7万9000ドル付近で追加のロング清算カスケードが発生する可能性があり、警戒が必要です。逆に8万1200ドルを抜けて戻り基調に転じれば、8万2000ドル超のショート清算を巻き込む展開も視野に入ります。
ETF動向
米現物BTC ETFは5月11日(月)時点で全体として+2725万ドルの純流入となり、直前2営業日の流出を反転させました。ただし内訳を見ると、Morgan Stanley MSBTが+2630万ドルで全体を押し上げた一方、主力のBlackRock IBITは-745万ドル、Fidelity FBTCは-357万ドルと流出しています。
新規上場ETFが全体を支えている形であり、主力銘柄の流出継続はBTC上値の重さと整合的です。5月12日分のフローは本稿時点で未確定ですが、CPI上振れを受けたリスクオフの中で資金がどう動くかが注目されます。
本日のデイトレ注目材料
本日5月13日(水)の最大の注目材料は、21:30 JSTに発表される米4月PPI(生産者物価指数)です。前日のCPIが上振れた直後だけに、PPIも上振れとなれば利下げ期待のさらなる後退でBTCに追加の下押し圧力が掛かりやすく、逆に下振れなら戻り材料になり得ます。
加えて、上院本会議でケビン・ウォーシュ氏のFRB議長承認投票が水曜日中に行われる見通しで、可決されればFRB体制変更が現実化し、中期金利見通しを通じてBTCにも影響します。短期市場のテーマは、CPI後のリスクオフが継続するか、PPIで反応が薄まるか、そしてイラン停戦の継続性です。上方向の焦点は8万1200ドル、突破できれば200日EMAの8万2000ドル再トライへ。
下方向の焦点は7万9800ドル、割り込むと7万9000ドル、さらにその下は50%フィボの7万8900ドルが意識されます。短期トレーダーが本日見るべきラインは、心理ラインの8万ドル攻防を軸に、上限8万2000ドルと下限7万9000ドルのレンジです。
まとめ
本日のBTC相場は、CPI上振れで揺らいだ利下げ期待が、PPIの結果次第でさらに後退するか戻りを試すかの分水嶺にあります。200日EMA 8万2000ドルを上抜けるか、8万ドル割れで7万9000ドルまで下げ幅を広げるか、夜間の指標反応とウォーシュ氏の承認投票の行方を見極めながら、レバレッジを控えた慎重な対応が求められる一日になりそうです。
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