米国労働省は4月29日、AIスキルを登録見習い制度に組み込むための専用サイト「AI in Registered Apprenticeship Innovation Portal」を開設しました。教育、金融、ヘルスケア、先進製造業などを対象に、AIリテラシーの導入から職種別スキル設計までを一括で支援します。
米国の登録見習い制度は、働きながら技能を身につける仕組みです。今回のポータルは、その枠組みにAI教育を載せるための実務ツール集にあたります。
米労働省は、ポータルを通じて雇用主や教育機関がAI対応の訓練プログラムを設計しやすくなると説明しています。単にAIを学ぶ場を増やすのではなく、既存の職業訓練にAIを組み込み、現場で使える技能として定着させる狙いです。
労働省代理長官のKeith Sonderling氏は、AIが急速に労働市場を変える中で、全米の労働者が繁栄する機会を確保するための重要な一歩だと位置付けました。雇用訓練担当のHenry Mack氏も、AI主導の経済で米国が主導権を握るという政権方針を体現する施策だとし、雇用主と労働者の双方にAI対応プログラムを提供する考えを示しました。
AI教育を職業訓練に組み込む設計
ポータルの内容は大きく3つに整理されています。1つ目はAIリテラシーの統合です。AIの基本概念や活用上の注意点を、見習い制度の初期段階から学べるようにします。2つ目は業界別のAIスキル構築で、教育、金融、ヘルスケア、先進製造業といった分野ごとに必要な技能を設計します。3つ目は既存または新規の見習いプログラムへのAI統合で、雇用主が国家制度に参加したり、AIに特化した役割を新設したりする際の手引きを提供します。
この構成は、AIを一部の高度技術者だけのものにしないという政策意図を映しています。生成AIや自動化ツールの普及で、職場では「AIを開発する人材」だけでなく、「AIを使いこなす人材」の需要が広がっています。見習い制度にAIを組み込めば、大学院レベルの専門教育を経ずに、現場に近い形でスキルを身につける経路が増えます。
暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン業界にとっても、無関係な動きではありません。Web3企業でも、開発、コンプライアンス、顧客対応、データ分析などの業務でAI活用が進んでおり、採用市場ではソフトウェア技能とAI運用能力を併せ持つ人材の価値が高まりやすい構図です。今回のポータルはWeb3特化ではないものの、米国でAIスキルを標準的な職業能力として扱う流れが強まっていることを示しています。
参考元:decrypt
画像:shutterstock
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