2026年4月20日午前8時時点で、ビットコイン(BTC)は7万4000ドルを割り込む水準まで下落している。週末に繰り返しテストされていた7万5000ドルのサポートを月曜朝に明確に割り込んだ格好で、4月17日のホルムズ海峡開通で一時7万8337ドルまで急騰した分はほぼ帳消しとなった。
4月19日に米海軍がイラン船籍の貨物船を拿捕するなど地政学リスクが再燃するなか、トランプ大統領は本日月曜から米イラン和平交渉の第2ラウンドをパキスタンで行うと表明している。
4月22日の停戦期限を目前に、市場はヘッドライン次第で急変動する地合いが続いている。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間の高値は7万7000ドル付近、安値は7万4000ドルを割り込む水準まで拡大した。もっとも大きな動きがあったのは4月17日(木)の米国時間で、イラン外相アラグチがホルムズ海峡の全面開通を宣言し原油が急落、リスクオンの波でBTCは7万8337ドルの直近高値を記録した。
しかし翌4月18日(金)にイランが再閉鎖を発表すると一転して売りが強まり、週末にかけてBTCは7万5000ドルのサポートを3度テストした。さらに4月19日(日)に米海軍がイラン船籍の貨物船を銃撃・拿捕したとの報道が伝わり、リスクオフの圧力が増した。
月曜朝にかけて7万5000ドルを明確に割り込み、7万4000ドル割れまで下落した。短期的には7万3500ドル、さらに7万1200ドルが次の下値の焦点として意識されている。
相場を動かした背景
ビットコイン乱高下、ホルムズ海峡再閉鎖で地政学リスク再燃
今週の値動きを支配したのはホルムズ海峡を巡る地政学リスクの急変動だった。4月17日、イランのアラグチ外相はレバノン停戦に合わせてホルムズ海峡を全商業船舶に開放すると宣言し、原油価格は即座に急落した。世界の石油供給量の約20%が通過する同海峡の再開は戦争プレミアムの剥落を意味し、BTCは7万8337ドルまで上昇した。
しかし実態は「条件付き開通」だった。AP通信によれば、短い開放期間中に通過できたタンカーはわずか8隻にとどまった。4月18日、米国の海上封鎖が解除されないことを理由にイランが海峡を再閉鎖し、原油反発とともにBTCも下落に転じた。
一方でトランプ大統領は同日、「月曜にパキスタンで和平交渉の第2ラウンドを行う」と表明した。バンス副大統領が再び代表団を率いる予定で、イラン側は公式確認していないものの、首席交渉官のガリバフ議長は「外交の場から撤退しない」と発言している。
CNNによればイラン代表団は火曜にパキスタン入りする見通しとされている。4月22日(水)の停戦期限までに何らかの合意が見られるかが今週最大の焦点であり、交渉の進展次第でBTCは急反発する可能性と、さらに下落する可能性の両方がある。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足では、BTCは200日移動平均線(約8万7500ドル)を大きく下回る水準で推移しており、中長期的な弱気構造が継続している。短期の20日・50日EMAの上に浮上しつつあったが、7万5000ドル割れにより100日MA付近のサポートが崩れた形となった。
上値メドとしてはまず7万5000ドルの回復が前提条件となり、次いで7万6000ドル、8万〜8万600ドル帯が意識される。下値メドは7万3500ドル、7万〜7万2000ドル、さらに深い調整では6万8000ドルが焦点となる。
4時間足チャート分析

4時間足では7万4000ドルからの上昇トレンドラインを割り込みつつあり、短期の地合いは悪化している。
7万6000〜7万8000ドルの上値抵抗帯は依然として重く、戻り売りが入りやすい構造が続いている。当面の上値メドは7万5000ドルの回復、7万6800ドルの順。下値メドは7万3500ドル、7万1200ドルとなる。
1時間足チャート分析

1時間足では7万5000ドルのサポートが崩れたことで短期トレンドは下向きに転換しつつある。7万4000ドルを割り込んだ状態では7万3500ドルが次のサポートとなり、同水準を維持できなければ7万1200ドルまでの下落余地が生まれる。
逆に7万5000ドルを早期に回復した場合はフォルスブレイクと判断され、ショートカバーで7万6800ドルまで急反発する可能性もある。本日の米イラン交渉ヘッドライン次第で、どちらのシナリオも起こりうる。
デリバティブ動向
OI・清算動向
BTC先物のOI(未決済建玉)は約545億ドルと高水準を維持している。ファンディングレートは30日平均で46日連続マイナスが続いており、ショートが積み上がった構造に変化はない。ただし今回は7万5000ドルのサポート割れが発生しており、7万3000〜7万4000ドル付近に集中しているロング清算が連鎖するリスクが高まっている。この価格帯で清算が進めば一時的に下押し圧力が強まるが、清算完了後はレバレッジが解消されて次の反発の土台になる可能性もある。
注目清算ライン

7万3000〜7万4000ドル付近がロング清算の集中帯であり、現在の価格はまさにこのゾーンに差し掛かっている。下方向では7万1000〜7万2000ドル付近に追加の清算クラスターが存在するとみられる。
逆に上方向では7万7000〜7万8000ドル付近のショート清算集中帯は健在であり、地政学材料で急反発した場合のショートスクイーズリスクは依然として残っている。
ETF動向
4月17日(金)の米現物BTC ETFは合計6億6390万ドルの純流入を記録し、約3カ月ぶりの高水準となった。BlackRockのIBITが2億8400万ドル、FidelityのFBTCが1億6340万ドル、ARK 21SharesのARKBが1億1790万ドルと続いた。
週間では約10億ドルの流入を達成しており、機関投資家の構造的な買い需要は継続している。ただし週末の価格下落に対してETFの資金流入がどこまで下支えとなるかは、本日月曜の米国市場オープン後のフローを確認する必要がある。
本日のデイトレ注目材料
本日4月20日(月)の最大の材料は、トランプ大統領が表明した米イラン和平交渉の第2ラウンドである。バンス副大統領が代表団を率いてパキスタンに向かう予定で、ホワイトハウスが交渉を確認している。イランは公式に参加を確認していないが、CNNによればイラン代表団は火曜到着の見通しとされている。4月22日(水)の停戦期限までに合意に至るかが今週の方向感を決める。
交渉が前進すればホルムズ海峡の再開期待から原油急落・リスクオンが再燃し、BTCはまず7万5000ドルの回復、さらに7万6800ドル〜7万8000ドルを目指す展開が想定される。逆に交渉決裂、あるいは停戦が延長されない場合は原油急騰・リスクオフでBTCは7万3500ドル、7万1200ドルへの下落リスクが生じる。
米国の主要経済指標については本日は目立った発表がない見込みだが、地政学ヘッドラインが最大のボラティリティ要因となっているため、原油価格の動向とニュース速報への反応速度が短期トレードの鍵を握る。7万5000ドルの回復を確認してからロングを検討するか、7万3500ドルでの下げ止まりを見極めるか、いずれにしてもヘッドラインに対する柔軟な対応が求められる局面である。
まとめ
BTCは7万5000ドルのサポートを割り込み、7万4000ドル割れまで下落した。米海軍によるイラン船拿捕で地政学リスクが再燃した一方、本日から始まる米イラン第2ラウンド交渉の行方次第では急反発の余地も残る。4月22日の停戦期限まで残り2日、ヘッドライン主導のボラティリティが続くことを前提にポジション管理を徹底したい局面となっている。
