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【独自取材】StarPay-Xが目指すマルチチェーン決済──ネットスターズに聞くCircle「Gateway」活用の狙いとは

2026年4月16日 11:26  Arai Yu

※この記事には広告・PRが含まれます

決済ゲートウェイ企業のネットスターズは4月13日、Circleが提供するクロスチェーン基盤「Gateway」を活用し、複数のブロックチェーン上でステーブルコイン決済に対応するための技術開発を開始したと発表しました。

この取り組みは、同社が4月8日に発表した新構想「StarPay-X(スターペイエックス)」の実現に向けたものです。本稿では、StarPay-Xの全体像からGatewayの技術的な役割、実店舗での実証事例まで、ネットスターズへのインタビューを交えてお伝えします。

Web2とWeb3をつなぐ「StarPay-X」構想とは

StarPay-Xは、ネットスターズがこれまで構築してきたQRコード決済インフラを土台に、ステーブルコインやウォレット、ブロックチェーンなどWeb3の金融サービスと現実の商流を接続する構想です。

特徴的なのは、特定のコインやチェーン、ウォレットに依存しない「マルチチェーン・マルチウォレット・マルチコイン」という設計方針です。Web3の金融機能を限られたユーザー層にとどめず、実際の店舗やサービスで使われる決済手段として社会に定着させることを目標としています。

StarPay-X構想イメージ
StarPay-X構想のイメージ図(出典:ネットスターズ プレスリリース)

複数のブロックチェーンにまたがって精算・管理を行う運用利便性改善のため、「Gateway開発に着手しました。

💡 Circle「Gateway」とは

Circleが開発したクロスチェーン基盤で、USDCを複数のブロックチェーンネットワーク上で利用可能にするものです。チェーンごとの個別統合を不要にし、異なるネットワーク間でのステーブルコインのやり取りを効率化する設計となっています。

StarPay-Xの中でGatewayは具体的にどのような役割を担うのか。ネットスターズにお聞きしました。

──今回発表された、Circleのクロスチェーン基盤「Gateway」を活用したマルチチェーン対応の取り組みは、ネットスターズが進める「StarPay-X」において、どのような役割を担うものなのでしょうか。今後どのような決済の形を目指しているのか、教えてください。

今回の取り組みで「Gateway」は、StarPay-Xにおけるマルチチェーン前提の決済インフラ設計を実現するための基盤技術という位置づけです。

StarPay-Xでは、ステーブルコイン決済を特定のチェーンに依存させず、実際の決済・精算オペレーションとして成立させることを重視しています。Gatewayは、複数のブロックチェーンをクロスチェーン前提で扱える点に強みがあり、円転や加盟店精算を含む複雑な決済フローを、より柔軟に設計できる可能性があります。

ユーザーや加盟店に直接見える変化ではありませんが、決済インフラの下支えを強化することで、サービス全体の安定性や拡張性を高めることを目指しています。

円転や加盟店精算といった複雑な決済フローを、チェーンをまたいで柔軟に設計できる点が、今回の技術選定のポイントとなっています。

マルチチェーン対応で何が変わるのか

続いて、実際の運用面での課題と、Gatewayによる改善の見通しについて聞きました。

──ステーブルコイン決済を広げていくうえでは、チェーンごとの分断や運用面でのハードルもあるかと思います。そうしたなかで、今回「Gateway」を活用することで、どのような改善や前進を見込んでいるのでしょうか。また、検証を進めるうえで、特に重視している点があれば教えてください。

ステーブルコイン決済の普及においては、チェーンごとの分断や運用負荷が実務上の課題になりやすいと考えています。

Gatewayを活用することで、個別チェーンを前提とした設計ではなく、マルチチェーン環境を前提にした決済・精算フローを検証できる点が大きな前進です。これにより、運用の複雑さを抑えつつ、将来的なチェーン拡張にも対応しやすくなります。

検証で特に重視しているのは、実際の決済から加盟店への売上振込までの運用面で、どれだけ効率化に寄与するかという点です。Web3決済を現実の商流に載せるための実装可能性を丁寧に評価しています。

ユーザーがどのチェーンを使っているかを意識せず支払える環境は、Web3決済の社会実装において最も重要なUX課題の一つです。クレジットカード決済でVisaやMastercardの違いを意識しないのと同様に、ブロックチェーンの違いが利用者から見えない体験が求められています。

広がるパートナーシップとStarPay-Xのエコシステム

StarPay-X構想の実現に向けて、ネットスターズは複数のWeb3プレイヤーとの連携を進めています。4月8日のプレスリリースでは、以下の企業・団体との協議が進行中であることが公表されました。

StarPay-X パートナーエコシステム

Aptos
ブロックチェーン
Solana Foundation
ブロックチェーン
Canton Foundation
機関向けチェーン

StarPay-X
Web2 × Web3 ゲートウェイ

Bitget Wallet
ウォレット
Startale Group
ステーブルコイン
WEA Japan
Web3ソリューション

ブロックチェーン基盤にAptos・Solana Foundation・Canton Foundation、ウォレットにBitget Wallet、ステーブルコインにStartale Group、Web3ソリューションにWEA Japan。そして今回、Circle(サークル)がクロスチェーン基盤として新たに加わりました。

羽田空港・姫路での活用事例

StarPay-X構想の社会実装は、すでに実証実験として動き始めています。

2026年1月〜2月には、羽田空港第3ターミナルの一部店舗で、USDCによる店舗決済の概念実証(PoC)が実施されました。決済基盤にはSolanaネットワークを採用し、MetaMaskウォレットでQRコードを提示して支払う仕組みです。

羽田空港USDC決済の様子
羽田空港第3ターミナルでのUSDC決済の様子(出典:ネットスターズ)

このPoCでは、リテール決済の処理速度やUX設計、為替レートの自動表示など、実務面での知見が蓄積されました。インバウンド客を主なターゲットとしていましたが、日本人の顧客からの反応も想定以上だったといいます。

QRコード決済フロー
QRコード提示による決済フロー(出典:ネットスターズ)

さらに第2弾として、姫路のトレーディングカード店舗でもUSDC決済の実証が開始されています。空港から街なかの小売店舗へと、実証の範囲が着実に広がっている状況です。

羽田空港でのUSDC決済実証
羽田空港第3ターミナルでの実証風景(出典:ネットスターズ)

ステーブルコイン決済の社会実装に向けて

StarPay-X構想、Circleの「Gateway」を活用した技術開発、そして羽田空港・姫路での実証──ネットスターズは、Web2の決済現場で培ってきた加盟店ネットワークと運用ノウハウを土台に、ステーブルコイン決済の社会実装を段階的に進めています。

「特定のチェーンやウォレットに依存しないマルチチェーン決済」という方向性を打ち出したStarPay-Xの進展を引き続き追っていきます。