
米10年債利回りの推移(4.5〜4.6%は警戒水準)
ビットコイン(BTC)の価格変動を左右する要因として、原油価格よりも米10年国債利回りの動きが注目されています。地政学的緊張の高まりを背景に、米長期金利は紛争前の3.97%から4.4%前後へと約45ベーシスポイント上昇しました。
市場では、4.5〜4.6%の水準が「政治・財政的に敏感なゾーン」として意識されており、リスク資産全般に下押し圧力を与えるとの見方が強まっています。
債券市場が新たなリスク要因に、原油から焦点が移行
金融市場の分析レター「The Kobeissi Letter」は22日、X上で「原油価格はもはや最大の脅威ではない。10年債利回りが戦争開始以来45bp上昇した」と指摘しました。
かつてはエネルギー価格の高騰がインフレ懸念を通じてビットコイン相場を揺さぶっていましたが、現在は債券市場の動きがより直接的な影響を及ぼしています。
米10年債利回りが上昇すれば、国債など安全資産の利回りが相対的に魅力を増し、無利息資産であるビットコインや株式などリスク資産から資金が流出しやすくなります。
4.5%超は市場の「警戒ライン」 金利上昇が暗号資産を圧迫
米10年債利回りの4.5〜4.6%レンジは、財政運営や債務上限問題などの政治要因とも重なり、金融市場にとって警戒水準と位置づけられています。過去にもこの水準を超えた局面では、リスク資産全般に売り圧力が広がり、市場が調整色を強めた例があります。
暗号資産流(暗号資産)動性プロバイダーのKeyrockが2月に公表した調査によると、米財務省による短期証券の発行量とビットコイン価格には約80%の相関があるとしています。国債発行が増えれば市場金利が上昇し、結果的にビットコイン価格が圧迫される構図です。こうしたデータは、ビットコインが「デジタルゴールド」であると同時に、マクロ金融環境に敏感な資産であることを示しています。
米金利上昇の波が日本国債にも波及

日本10年国債利回り
米金利上昇の波は日本にも及んでいます。日本国債10年物利回りは3月20日の2.264%から2.30〜2.32%へ上昇し、世界的な債券売り圧力の一端を示しました。地政学リスクが高まる中で、安全資産とされる国債市場がむしろ変動要因となり、リスク資産全体に波及する構図が見えています。
今後、米10年債利回りが4.5%を明確に上抜けるかどうかが、暗号資産市場の短期的な方向感を決める分岐点となりそうです。地政学的な不安が続く中、債券市場を経由したリスク資産の変動は、ビットコインのボラティリティを一段と高める可能性があります。投資家にとっては、原油価格よりも「金利の天井」が次の相場の鍵を握る局面に入っています。
画像:shutterstock
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