2025年6月11日、シンガポールで開催された「APEX 2025」カンファレンスにおいて、RippleのCTOであるDavid Schwartz氏と、プロダクトマネージャーのJaazi Cooper氏が、XRP Ledger(XRPL)のEVM互換サイドチェーンを2025年第2四半期(Q2)に本稼働させること発表しました。
これは、XRPL本来の高速・低コストな決済機能を維持しつつ、イーサリアムのスマートコントラクトやDeFiアプリの実行を可能にするものです。
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テストネットの状況と開発体制
テストネットは2025年初頭にローンチされ、多くの開発者の参加を得ています。
Peersyst Technologiesの報告では、87の新規エンティティ(XRPL未経験)が参画し、インフラ整備やアプリ開発を進めています。
また、日間トランザクション数は約280,000件/日と高い利用が確認されています。
技術的特徴
構築にはevmOS(Cosmos SDKベース)が採用され、Proof‑of‑Authority(PoA)によるコンセンサスを採用しています。
公式に目指す性能は以下の通りです。
・1,000トランザクション/秒以上
・手数料:$0.01未満
・ガストークンにはwrapped XRP(wXRP)が利用され、資産移動のブリッジにはAxelarおよびSquid Routerが使用されます。
セキュリティと監査
2025年2月に、Informal Systems社によりCosmos SDKモジュールに関する監査が実施され、重要な問題点は解決済みと報告されています。
多様な参加者とエコシステム拡大
現在、Strobe Finance、Vertex Protocol、Secured Labs、Squid Routerなどの主要DeFiプロジェクトも既に展開を開始しています。
Peersystは「XRPL史上最大のオンボーディング」と評価し、APEX会場でも「Ethereumとの開発者間の架け橋」として紹介されています。
他資産とトークン化への拡張
同会議では、Guggenheimと共同開発するデジタル商業ペーパー(DCP)の発表もあり、RLUSDとの統合によるRWA(Real‑World Asset)化が進行中です。
Ondo Financeの米国債トークン(OUSG)やFlare Network経由での100 Mドル相当のXRP導入など、XRPLはDeFiやトークン化分野で複数案件が進行中です。
今後のロードマップ
・2025年第2四半期中のメインネット稼働が目標です。
・Launch後は、開発者向けドキュメント整備、テストネットの拡充、UX向上に向けたツール整備が順次進む見込みです。
・SECとの訴訟の行方(6月16日までの和解報告)も気になる要素です。
まとめ
| ポイント | 意義 |
|---|---|
| EVM互換性 | 既存Ethereum開発者のXRPL参入を容易にし、dAppエコシステムを拡大します。 |
| 低手数料・高速取引 | Ethereumよりも実用的なDeFi体験の提供が期待されます。 |
| 新規参入エンティティ | 初動で87組織関与、実用性と信頼性の裏付けとなります。 |
| セキュリティ確保 | PoAと監査済みモジュールで堅実な運用体制です。 |
| RWA領域との連携 | DeFiだけでなく商業紙幣や債券トークンと統合が進みます。 |
今回のEVM互換サイドチェーン稼働は、XRPLが単なる送金チェーンから総合的Web3基盤へ進化するターニングポイントと捉えられます。
Rippleの戦略は、低コスト・高パフォーマンス・高互換性を兼ね備えた“選択肢”の提供です。
重要なのは、単にEVM互換を実装することではなく、その後の開発者体験や実需者の受け入れ状況にあります。
DeFiやトークン化市場を巻き込む次フェーズでは、ユーザーの利便性と継続的なエコシステム成長を実現できるかが鍵となるでしょう。

