ビットコイン(BTC)は17日8時時点で6万4085ドル前後で推移しています。24時間騰落率はマイナス1.14%と続落し、24時間安値は6万3838ドルまで下落しました。16日21時30分に発表された米経済指標が軒並み市場予想を上回り、利下げ期待の後退から米長期金利が上昇したことが相場の重しとなっています。
同日にはナスダックが1.84%、金が1.77%下落したと報じられており、今回の値下がりはBTC固有の売り材料というより、金利上昇を受けた資産全般の調整とみられます。恐怖・貪欲指数は25の「Extreme Fear(極度の恐怖)」となり、3日連続で低い水準にとどまっています。
値動きの振り返り

直近24時間のBTCは、米経済指標の発表を挟んで上下に振れる展開となりました。16日8時から15時にかけては6万4400ドルから6万4998ドルの範囲で推移し、14時には24時間高値となる6万4998ドルを付けています。
流れが変わったのは16時台です。6万4777ドルから6万4086ドルまで1時間で約690ドル下落し、17時には6万3888ドルまで水準を切り下げました。この下落は米経済指標の発表より約5時間前に始まっているため、指標だけが直接の原因だったとは考えにくい状況です。
その後は6万4000ドル前後で下げ止まりましたが、指標発表を含む21時台には24時間安値となる6万3838ドルを記録しました。17日0時には6万4896ドルまで反発したものの、上昇は続かず、再び6万4000ドル付近まで押し戻されています。足元では、6万4000ドルを維持できるかが短期的な焦点となっています。
相場を動かした背景
米経済指標の上振れと金利上昇
16日21時30分に発表された米経済指標は、米国経済の底堅さを示す内容となりました。7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は41.4となり、市場予想の13.0、前月の10.3を大幅に上回りました。新規受注や出荷、平均週労働時間も改善しており、製造業の活動が広い範囲で持ち直していることが示されています。
7月11日までの1週間における新規失業保険申請件数は20万8000件と市場予想を下回り、前週分も21万6000件へ上方修正されました。6月の小売売上高は前月比0.2%増と5カ月連続で増加し、5月分も1.0%増へ上方修正されています。ガソリンスタンドの売上減少が全体を押し下げたものの、ガソリンを除く売上高や自動車販売は堅調で、消費の底堅さが確認されました。
こうした結果を受け、FRBが早期に利下げするとの見方が後退し、米10年債利回りは4.57%まで上昇したと報じられています。同日にはナスダックが1.84%、S&P500が0.82%、金が1.77%下落しており、暗号資産に限らず、金利上昇の影響を受けやすい資産全般に売りが広がりました。
BTCは指標発表後に6万3838ドルから6万4896ドルまで反発しましたが、上昇を維持できませんでした。金利上昇への警戒が続くなか、戻り売りが優勢となったとみられます。
テクニカル分析
日足チャート分析

日足では、現在値は20日移動平均線の6万2518ドルと、50日移動平均線の6万3971ドルを上回っています。ただし、50日移動平均線との差は小さく、すでに同水準を試す展開です。
MACDはプラス圏を維持しているものの、ヒストグラムは縮小しており、5万7800ドル付近から続いてきた反発の勢いは弱まりつつあります。6万3971ドルを明確に下回った場合は、戻り局面の終了が意識されやすくなります。一方、反発した場合は、直近30日間の高値である6万6446ドルが次の上値目標です。
4時間足チャート分析

4時間足では、価格が20期間移動平均線の6万4118ドルを下回り、前日まで続いていた短期的な上昇の勢いは弱まっています。MACDも売り方向へ傾いており、戻り売りが入りやすい状態です。
一方、50期間移動平均線は6万3778ドルに位置しており、現時点ではこの水準を上回っています。6万4118ドルを回復できれば再び上値を試す余地がありますが、6万3778ドルを下回ると、短期的な調整が一段と進む可能性があります。
1時間足チャート分析

1時間足では、価格が20期間移動平均線の6万4346ドルと、50期間移動平均線の6万4654ドルを下回っており、短期的には売りが優勢です。
上値では、まず6万4346ドルを回復できるかが焦点となります。この水準を上回れば、6万4654ドルや戻り高値の6万4896ドルが意識されます。下値では、6万3971ドルと24時間安値の6万3838ドルが重要で、ここを下回ると6万3778ドル、さらに200週移動平均線の6万3094ドルが次の下値候補となります。
デリバティブ動向
OI・清算動向

BTC先物の建玉(OI)は10万902 BTC、約64億7000万ドルとなり、24時間前の10万3128 BTC、約66億8000万ドルから3.16%減少しました。前日の2.13%減に続く2日連続の縮小となっており、相場の下落に伴ってレバレッジポジションの整理が進んでいます。
一方、価格が下落するなかで、ロング・ショート比率は1.17~1.19から1.3958~1.4050へ上昇しました。資金調達率も0.0075%まで上昇し、上位トレーダーのポジション比率も前日の1.4631から1.5749へ拡大しています。
市場のポジションはロング側へ傾いており、下落局面で買い向かう動きが強まっています。そのため、6万3838ドルを下回った場合は、ロングポジションの清算が下落を加速させる可能性があります。特に、200週移動平均線が位置する6万3094ドルまでの価格帯では、値動きが一方向に広がる展開に注意が必要です。
ETF・需給動向
米国の現物ビットコインETFは、7月15日に約1億800万ドルの純流入となったと報じられています。内訳は、ブラックロックのIBITが8080万ドル、フィデリティのFBTCが1690万ドル、その他のETFが合計1000万ドルの純流入です。
7月14日の約1億8100万ドルと合わせて2日連続の純流入となり、7月13日に記録した約4億3000万ドルの純流出からは資金が戻っています。ただし、流入額は前日の約1億8100万ドルから約4割減少しました。
ETFへの資金流入は下値を支える材料ですが、足元では長期金利の上昇による売り圧力が上回っています。2日連続で純流入となったにもかかわらずBTCが下落したことから、現在の流入規模ではマクロ経済の逆風を吸収しきれていないとみられます。
本日のデイトレ注目材料
本日17日は、日本時間21時30分に米6月住宅着工件数、建設許可件数、輸入物価指数、輸出物価指数が発表されます。22時15分には6月鉱工業生産と設備稼働率、23時には7月ミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が予定されています。
前日の経済指標によって、米国の利下げ時期が後ずれするとの見方が強まりました。本日の指標がその流れをさらに裏付けるかが焦点となります。特に、ミシガン大学調査の期待インフレ率が上振れした場合は、米長期金利の一段の上昇を通じてBTCの重しとなる可能性があります。
上昇する場合は、まず6万4346ドルを回復できるかが焦点です。その後は6万4654ドル、戻り高値の6万4896ドル、24時間高値の6万4998ドルが上値の目安となります。
下落する場合は、6万3971ドルと6万3838ドルが最初の支持帯です。これらを下回ると、6万3778ドルを経て、200週移動平均線の6万3094ドルが次の下値候補となります。200週移動平均線を割り込んだ場合は、日足の20日移動平均線が位置する6万2518ドル付近まで下値余地が広がる可能性があります。
まとめ
BTCは、米経済指標の上振れを受けた長期金利の上昇によって、一時6万3838ドルまで下落しました。ナスダックや金も同時に売られていることから、今回の下落はBTC固有の悪材料ではなく、金利上昇を警戒した市場全体の調整とみられます。
目先は、6万4000ドル前後を維持し、6万4346ドルを回復できるかが焦点です。一方、6万3838ドルを下回った場合は、200週移動平均線が位置する6万3094ドルまで下落する可能性があります。
本日は米経済指標の発表が相次ぐため、BTCの値動きに加えて、米10年債利回りがさらに上昇するかを確認する必要があります。
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