米国財務省は7月14日から15日にかけて、イラン中央銀行に関連するTronチェーン上の4つのウォレットを制裁対象に指定し、約1億3100万ドル相当のUSDTを凍結しました。スコット・ベッセント財務長官が公式に明らかにしたもので、対象資産はステーブルコイン発行体テザーによって凍結が実行されました。中東情勢が再び緊迫する中、米国が暗号資産(仮想通貨)を使った制裁逃れにも直接手を打った形です。
ベッセント長官は、財務省はデジタル資産の悪用を含むイランの違法な金融活動を妨害し、弱体化させることに注力していると述べました。違法収益の流れを積極的に追跡し、イラン政権がその資金にアクセスできないようにする方針も示しています。
今回の措置は、制裁リストへの指定とステーブルコイン発行体による凍結が組み合わさることで、ブロックチェーン上の資産であっても移転を止められることを改めて示しました。対象はTron上のUSDTで、ブロックチェーン調査会社Specterがオンチェーンデータから凍結を指摘しています.
USDT凍結で示した制裁執行の即時性
ビットコインのように発行体を持たない暗号資産と異なり、USDTのようなステーブルコインは発行体が特定アドレスを凍結できます。このため、当局がウォレットを制裁対象に指定すると、取引所や仲介業者を経由しなくても資産の移転を止められる場合があります。今回の執行は、暗号資産が制裁回避の経路として使われうる一方で、資産の種類によっては従来の金融制裁に近い形で封じ込められることを示す事例になりました。
実施のタイミングは、中東での停戦崩壊後に米国の港湾封鎖や軍事行動が伝えられ、イラン側がヨルダンの基地へのドローン攻撃を主張するなど、情勢が不安定化する局面と重なりました。制裁対象が中央銀行イラン関連とされた点からも、民間の不正資金ではなく、国家レベルの資金網に直接圧力をかける措置と位置付けられます。
米財務省は2026年4月にもイラン関連の暗号資産3億4400万ドルを凍結しており、関連する累計凍結額は約10億ドルに達しています。今回の1億3100万ドルの凍結はその延長線上にあり、デジタル資産を通じた資金移動も通常の制裁執行の対象として扱う姿勢を鮮明にしました。
参考元:Cointelegraph
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